第16話 つーさんはリア充!?
日曜日の朝眼が覚めると雪が積もっていた。
祐樹は和也と待ち合わせすると2人は公園で集まると雪だるまを作り始めた。
公園の雪と道路の雪を合わせてかなり大きな雪だるまを作り上げた。
「おぉ!!」
感動しているのか和也は写真を撮り始めた。
祐樹は続いてかまくらを作ろうとさらに雪を集めている。
そんな時高校生くらいの男が4人祐樹に近づいてきた。
「おい、お前。 つーさんとか言うやつの家わかるか?」
「はい!? いえ、分かりません。 年上なんで」
祐樹はとっさに嘘をつく。
「おい、コイツら雪遊びしてるんじゃないのか?」
違う男が雪だるまを見つけて笑い始めると全員が笑う。
「まぁ、ガキのやる事だ気にするな。 中学生だろぅ?」
「いや……高校生です」
「高校生がこんなことやるか!?」
完全にバカにされている。
祐樹も少しはイラついたが喧嘩しても勝てるはずもない。
「おいおい、コイツ喧嘩する気か? やめとけよ。 俺たち柴高四天王に勝てると思っているのか?」
「……え? 柴高四天王!?」
祐樹は名前を聞いたことがあった。
この辺りでは強い4人組でそれぞれが格闘技の有段者である。
「もう残るはお前ら秋高だけなんだよ」
「そうだ、北高、甲斐高、豆高は締めたんだよ!!」
「つーさんってやつが秋高のトップなんだろ?」
「え!? そうなんですか!?」
祐樹は驚きを隠せない。
「お、おぅ……そう、聞いたぞ……なぁ?」
「あ、あぁ……聞いた」
「だ、だよな!! そうだ、つーさんってやつがトップだ!!」
「はぁ……そうだったんですね」
「そうだ!! どこか行きそうな場所知らないか?」
「そう言われましても……ゲームセンターとかですかね?」
「いや、さっき行ってきたけどいなかった……他に無いのか?」
「そう言われましても……」
「考えてくれ、俺たちこのまま帰れない」
祐樹はどうしようかと悩んでいた。
そこへ和也が近づいてくる。
「祐樹、なんかつーさんが今からくるからかまくら作っとけって電話が……どちら様!?」
「俺たちは柴高の四天王だ!! それよりお前つーさんってやつの電話番号知ってるのか!?」
「え、あ、はい。 今からここに雪だるまを見にきます」
「え!? 雪だるまを見に来る? ……なぜ?」
「なんか大きそうだけどインパクトがないとか言ってました」
「はぁ……」
「あの、とりあえず一緒に公園で待ちますか?」
「あ、あぁ。 そうするよ」
4人は雪だるまの前で待っている。
それを横目に祐樹と和也がかまくらを作るために雪を運ぶ。
「お前らかまくら作るんだよな?」
「はい」
「雪全然足りそうに無いけど……」
「ですよねぇ……」
「諦めたら?」
「それは無いです!! 作らないとダメなんです!!」
「そんなに奴は恐ろしいのか!?」
「えぇ、彼は恐ろしいです」
祐樹はこの時つーさんが駄々をこねる様子を想像していたが相手はビビっている様だった。
そこへつーさんが現れたがまるで北極にでも行くかと言うくらいの重装備で現れる。
「さみぃな。 かまくらできたか!?」
「いや、無理でした」
「マジで!? えー。 楽しみにして寒い中歩いて来たんだぞ!! それは無いな。 頑張れ!! お前達なら出来る!!」
「まぁ、作ってはみたいので頑張りますけど……それよりも柴高の四天王が来ましたよ」
祐樹は雪を運びながら紹介する。
「四天王? あーー、はいはい!! あれだ! モンスターを戦わせるやつか? おれ持ってないぞ?」
「ゲームの話ではない!! すでに果たし状は送ったはずだが!? なぜ現れなかった!?」
「果たし状? そんなん知らん」
「そんなはずはない!! お前達の学校のやつに渡したぞ!!」
「本当に貰ってないけど、約束はいつなのさ?」
「今日の朝10時だ!!」
今は昼の14時だった。
「それはそれは、それでどんな奴に渡したんだ? 特徴とかあるだろ?」
「それは……」
「うん?」
「それはだな、ヘラヘラ笑ってる奴に渡した」
「うん!?」
「あ、なんかつーさんに渡してくれと言ったら喜んでとか言ってたな」
「誰だ? 俺に喜んで渡すと言って渡さない奴……」
「あと美人なお姉さん連れてたな!!」
「あぁ!! しかしナンパしようとしたら男が睨みつけてたな!!」
「あれは怖かった。 あれが学校のトップじゃなくて良かったよ」
「美人……うーん、まずいな……」
つーさんと祐樹と和也の中で共通の男が浮かび上がる。
「どう考えてもまーさんだな……お前ら学校の名前言ったのか?」
「あぁ、当然だ!!」
「あーー、渡したのいつだ?」
「金曜日の夕方だ!!」
「今日は帰りなよ。 月曜日その男が1人でくると思うから」
「はっ!? ビビってんのか!?」
「いやぁ……まぁ……相手してやってもいいけどさ……」
つーさんが優しさから言っているのが祐樹には伝わったが四天王には通じないどころか火に油を注いだ様なものであった。
「ふざけるな!! 行くぞ! フォーメンションC!!」
四天王は懐からそれぞれ武器を出す。
「俺たちの攻撃を受けきれるかな!?」
一斉に飛びかかってくるがつーさんはピクリとも動かない。
全ての攻撃をサラリと躱すと相手が膝をつく。
祐樹には何が起きたのか分からなかったが多分つーさんは殴ったのだろう。
「お、お前……なかなかやるな」
4人は立ち上がると次の武器を取り出す。
1人は木刀、1人は竹刀、1人は鎖、1人はナイフ。
「おいおい。 これはもう喧嘩じゃないぞ」
つーさんは言っているが一歩も引かない。
「今のうちに謝るんだな!!」
4人が一直線に並ぶとそのまま突っ込んでくる。
しかし目論見は外れてしまった。
先頭の竹刀が突きを繰り出すがつーさんは竹刀を掴むとそのまま力任せに押し返す。
勢いのついた4人はぶつかって倒れる。
「喧嘩って言うのはな素手でやるもんなんだよ!! 力と力のぶつかり合いが楽しいんじゃねぇか!!」
つーさんは倒れた4人に説教をする。
「武器使って勝っても勝ちじゃない!! 今すぐ武器を捨てて殴りかかってこい!!」
4人は武器を投げ捨てるとつーさんに殴りかかるが当然敵うこともなく殴り倒される。
「これだけは覚えておけ!! 雪だるまが出来る日はカップル以外に喧嘩売るなってね!!」
祐樹は全く意味がわからないが4人は深く感動していた。
「リア充は潰せ!!」
「「はい!!」」
一斉に4人が返事をする。
その時つーさんの電話が鳴る。
「みやびちゃ〜ん、どうした? え? 5分メールが無かった!? ゴメンね、今ねぇなんか絡まれてて。 うん、大丈夫だよ、心配してくれてありがとう。 それより雪だるまの写真送るね!! え? あと20分くらいで着くからねぇ」
四天王は背後から殴りかかるが電話しながらつーさんに殴り倒される。
ーーつーさんがリア充の仲間入り!?
これには祐樹もショックだった。
「勝手に仲間……いや、大将だと思っていた。 それが今や裏切りリア充の仲間入り……一体誰が大将になるんだ!?」
心からの叫びであった。
「うるせーぞ、バカヤロー!!」
つーさんは言うが顔は何故か嬉しそうだった。
「負け組は帰ろう」
和也が手を差し伸ばすので祐樹は捕まると2人はそのまま公園を歩き去った。
余談だが月曜日まーさんは1人柴高に殴り込みに行き不良200人を病院送りにしたんだとさ。
柴高の人たちは武器を使わずに戦ったそうだが、まーさんは武器という武器を使いある意味で伝説となったとさ。
良い子のみんなは武器を使ってはイケナイヨ!!




