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第13話 話し合い

祐樹は学校を休んだ。


理由は仲の悪い2人をキスさせてしまったからだ。


ベッドに横になり天井を見ていた。


「やっぱり相当怒ってるよなぁ」


今朝から何度目のため息だろう。


その時インターフォンが鳴る。


祐樹はまーさんが来たと思い布団に包まった。


しかし来たのは和也だった。


「風邪引いたのか? 大丈夫か?」


和也に言おうと思ったが和也はユウナさんの事を好きなのを思い出し言葉を呑み込む。


「うん、少し体調悪いんだ」


「そっか、明日は来るのか?」


「わからない。 それよりまーさんは今日教室に来た?」


「いや、来てないぞ。 今日は静かだったな」


いつもまーさんやつーさんがいるので教室は騒がしかった。


「そうなんだ……」


「本当に大丈夫か? なんかあったら話してくれよ、いじめられてるのか?」


「いじめられてると言うかいじめたと言うか……」


「え!? いじめた!?」


「あ、いや……そんな訳ないよ」


祐樹は力なく笑う。


「まぁいいや、じゃあ俺塾あるからそろそら行くな」


そういうと和也は帰っていった。


祐樹は誰にも言えずにしばらくの間休んだ。


3日後祐樹の家につーさんが訪ねてきた。


「おい、大丈夫か?」


「いえ、大丈夫じゃないです」


「やつれてるな……飯食ってんのか?」


「あー、はい。 それよりもどうして?」


「いやぁ、祐樹もまーさんもユウナも休んでてつまんないからさ」


「え!? まーさんとユウナさんも休んでるんですか!?」


「そうなんだよ。 暇だろ? だから見舞いに来たんだよ」


「そうなんですか……」


「おい、3人で何かあったのか!?」


「あ、いえ!! ありません!! 全くもってありません!!」


祐樹は両手と首を振り続ける。


「怪しいな……白状しろ」


つーさんは祐樹の手を掴むと力を入れていく。


「痛いです!! 何にも言いません!!」


「へぇーそうか……どこまで耐えられるか試してみるか、まずは小指からでいいか。 俺は優しいからな」


祐樹は震えている。


「カウントするか?」


少し力を加える。


「キスしました!! 僕がまーさんを止めようとして足滑らせてユウナさんとまーさんがキスしてしまって……」


つーさんはニヤニヤしている。


「それですぐに逃げました!!」


「そ、そうか……」


笑いを堪えながらつーさんは答えるが我慢できなくなったらしく爆笑し始めた。


「笑い事では無いですよ……僕多分殺されますよ」


「大丈夫だろ?」


と言いながら立ち上がる。


「どこかいくんですか?」


「まーさんの家、祐樹も付いて来い」


祐樹は首を振るがつーさんに無理矢理立たされると仕方なく着替えた。


「守ってやるから安心しろ! まーさんより俺の方がケンカは強いからな」


本当かどうか分からなかったがこれ以上学校に行かないわけにもいかないので諦めた。


2人で歩いているとまーさんの家までがやけに遠く感じた。


「まだ着かないんですか?」


「もう見えてるだろ? すぐ着くよ」


「それはそれで嫌です」


「諦めろ」


祐樹は項垂れながら歩いていた。


家に着くと小屋に入る。


小屋と言っても普通の家くらいある。


中でお茶を飲んで待っていると返事が来た。


「お通りの許可がおりました。 どうぞ」


つーさんは何事も無かったかの様に歩いていく。


「あの、武器とかあった方がいいんじゃないですか?」


前に見せてもらった家が見えたので祐樹は提案する。


「あー、あそこ鍵かかってるし監視カメラで見られてるから通り道外れたらどうなるかわからんぞ? それでも試してみるか?」


「え!? やめておきます……」


真っ直ぐ歩いて行くと玄関が見えてしまった。


中に入るとエレベーターに乗り込む。


「なんか捕まったみたいです」


「そうだな。 てか、実際に捕まってるしな」


つーさんは楽しそうだ。


エレベーターが止まると扉が開き廊下の先に扉が見える。


つーさんに引っ張られまーさんの部屋の扉を開けると中にまーさんとユウナさんがソファに並んで座っていた。


「やっぱり帰ります!!」


祐樹は逃げようとしたがつーさんに捕まえられた。


「座れって、大丈夫だからさ」


祐樹を無理矢理ソファに座らせると自分も横に座る。


「キスしたんだって?」


つーさんは笑いを堪えているのがわかる。


「てめぇ!!」


まーさんは立ち上がろうとするが力が入らないのか立たない。


そのまま咳き込む。


「大丈夫ですか!?」


祐樹も心配になる。


「あらあら、お友達に心配されて良かったわね」


ユウナさんが微笑む。


ーー怒っていないのかな?



祐樹は考えながらも正面に座るユウナさんに見とれていた。


「それでファーストキスはどうだった?」


つーさんが言うと同時に2人がテーブルを叩きながら立ち上がるがすぐに座る。


「2人ともファーストキスかよ!! もう我慢できん」


つーさんは息が切れるまで床を叩きながら笑い続けた。


「腹痛い……」


笑い疲れてソファに戻ってくる。


「風邪引いたのってもしかして……」


「移ったのか!? ファーストキスは風邪の味かよ!!」


多分つーさんは笑い死ぬと思う。


「あらあら、キスしたことがない人に言われたくないわ。 それに私達は兄弟だから気にしないわよね?」


「気にしない……」


祐樹はホッと胸を撫で下ろした。


「でもよ、血繋がってないし……同級生だし、もう面白いんですけど!!」


まーさんが何故か笑顔になる。


「もう次は一緒に風呂入って、一緒のお布団でオネンネするしかないな!! なぁ、思うだろう?」


つーさんは祐樹に同意を求める。


「でも今回は事故ですし……」


「じゃあ事故で風呂も入るんじゃない?」


「それはないかと……」


「あなたは妹と一緒にお風呂に入るのかしら?」


「入りたいです!!」


「キスできるのかしら?」


「したいです!!」


「一緒に寝れるのかしら?」


「いっつも布団に潜り込もうとはしてます!!」


「え!?」


「いいだろ、兄弟なんだからさ!!」


「私は茜ちゃんが可哀想だと思うわ」


「喜んでいるさ!!」


つーさんは親指を立てる。


「確認するわね」


ニコリとすると携帯を取りだす。


つーさんは慌てて携帯を取ろうとするがまーさんに止められる。


「聞かれたらマズイのかな?」


まーさんもニヤニヤしている。


「祐樹助けてくれるよな!?」


「僕がですか!? 僕を守ってくれるんじゃないんですか?」


「いや、今はまずいんだ!! 頼む!!」


「祐樹くん、動かないでね。 その方が茜ちゃんが喜ぶわ」


そう言われると祐樹動かないことを選んだ。


「あ、おめぇ裏切りやがったな!!」


電話がつながる。


「茜ちゃんこんにちは。 聞きたいことがあるの」


『なんですか?』


「お兄さんとは一緒に寝るの?」


『はい? 寝ませんよ、気持ち悪い。 布団にも触れて欲しくない』


つーさんから力が失せ両手を床について落ち込む。


「なんか寝てる時に布団に入ってるって言ってるけど」


『うわ、マジですかぁ。 部屋に鍵をつけて寝ます。 あ、良かったら殴っといてください』


「わかったわ、じゃあね」


スピーカーだったので全部つーさんにも聞こえていた。


「あらあら酷いわね」


「そ、そんな……いや、まーさんはきっとユウナの下着を盗んでるに違いない!!」


立ち上がりまーさんを指差しながら言うとまーさんは黙って指をへし折った。


「そんな事するかよ」


「すいません」


つーさんは正座をさせられた。


「妹に近付いてはダメよ」


「……はい」


「黙っとけよ」


「……はい」


そんな感じで5分は説教されていた。


しかし、つーさんも黙ってやられっぱなしではなかった。


帰り際に思い出したかの様に言い出した。


「そういえばさ、2人が義理の兄弟って知ってる人少ないよな!?」


「まぁな」


「へー、そうなんですか」


「別に言う必要ないだろ? 名字同じだしさ」


「ユウナのファンの男多いよな」


「そうかしら?」


「2人が兄弟でチュッチュしてたらどう思うかな!?」


まるで決め台詞の様にカッコよく言ったがカッコ悪い。


「誰も信じないだろ……」


まーさんとユウナさんは呆れている。


「バカ言え!! お前たちは少女まんがを読まないのか!?」


「読まないし……そもそも漫画でもないし……」


「そこまで抵抗するなら明日くるがいい!! 例え風邪が治っていなくてもな!! 行くぞ祐樹!!」


祐樹を引っ張るとつーさんはまーさんの家を走り出す。


走ってる間なにか冷たいものが祐樹に当たった。


祐樹の家の前に着くとつーさんは何も言わずに手を離しそのまま駈け去っていった。


つづくのさ


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