第11話 関係性
休みの日祐樹は雨の中ゲームを買いに街にやってきた。
店が開店する前に列に並んでいると横をまーさんが通っていった。
傘も差さず雨に濡れながら歩いている。
祐樹に気が付かずに歩き去った。
一体こんなところで何をしているのか気になった祐樹はゲームを諦めまーさんの後を追う事にした。
まーさんは大通りを外れると小道に入り更に歩き続ける。
小道を抜けるとまた大通りに出る。
ここでスーツが売られているお店に入っていった。
祐樹はしばらく待っていた。
「遅いなぁ。 もうすぐ1時間くらい経つけれど……」
独り言である。
「そうだな。 もうすぐ1時間だもんな」
いつのまにかつーさんが横にいた。
「うわぁぁあ!! なんでいるんですか!?」
「ゲーム買っててよ。 これは祐樹の分な、後で金くれよ」
そういうと袋に入っているゲームを渡してくれた。
「ありがとうございます!!」
「いえいえ、それよりもまーさんはなにしてるんだ?」
「分かりません。 もしかしてデートのための服を買うつもりですかね?」
「あー、それは無いね。 あいつは基本的にデートしないと思う」
「分からないですよ」
「いやぁ、まーさんはユウナのせいで女に興味が無いんだよなぁ」
「あんな綺麗な人がお姉さんなのにですか!?」
「あぁ、誕生日一日早いだけでお姉さんだしなぁ。 中学校までは同級生だったんだよなぁ」
「なんで兄弟になったんですか?」
「それはなぁ、あいつのお袋さんが亡くなってな。 その時によ、まーさんの親父さんとユウナのお袋さんが元々同級生で何故か結婚しちまったんだよ」
「それのどこが複雑なんですか?」
「まーさんのお袋さんが亡くなって半年後には再婚してるしな、それにまーさんとユウナがな……」
その時まーさんが店から出てきた。
黒のスーツを着て傘も差している。
1人歩き始めるので2人もついていく。
「まーさんとユウナさんの関係はどういったご関係なんですか?」
「それは俺からは言えないなぁ」
つーさんはニヤついている。
「もしかして付き合っていたとかですか!?」
「想像にお任せします」
つーさんは先にまーさんの後を追うので祐樹も急いで追う。
まーさんは墓場に入っていった。
「ここって……」
つーさんは立ち止まる。
「どうしたんですか?」
「いや、行こうか」
つーさんは祐樹と一緒にゆっくりと歩く。
「見失いますよ」
「大丈夫だよ、どこに行くか分かってるから」
2人が行くとまーさんがお墓の前に立っていた。
そしてそこにはユウナさんがいる。
しばらく見ていると2人は抱き合い顔と顔が近づく。
「やっぱり付き合ってたんですね!?」
祐樹は少し興奮している。
「落ち着けバレるだろ!!」
つーさんが言うとまーさんがこちらを向いた。
つーさんは祐樹を前に出すとゆっくりと近づく。
「いやぁ、今日お袋さんの命日だったのか。 ハハハ」
まーさんもユウナさんも何も言わずに抱き合ったまま見ているだけだった。
「いやぁ、しかしアレだな。 今日ゲームの発売日でさ、決してつけたりしてないもんな!! なっ……祐樹!?」
「え!? あ、はい!!」
「そうか……たしかに今日は命日だよ」
まーさんは答えるがユウナさんは何も答えずまーさんの胸の中に顔を埋めている。
「もう帰ってもいいか?」
「あ、はい!!」
まーさんはユウナさんの頭をポンポンとすると2人は街の中に消えていった。
「あの2人やっぱり付き合っていたんですね……」
「え!? あ、そうだった。 うん、禁断の恋人だな」
つーさんは何か考え事をしているようだった。
「なんか寂しいから帰るか」
「そうですね」
2人はゲームの入った袋を持ちトボトボと歩いて帰った。
続く。




