落雷に撃たれて死にました
ちゅんちゅん
小鳥の鳴き声が外から聞こえる。
朝日が窓から差し込み、俺の寝ているベットに降り注ぐ。
「まだ眠い…もうひと眠り……」
昨日は深夜遅くまでネットサーフィンしていた。
見ていたサイトは、アニメ、ゲームなどいわゆるオタクと言われそうな内容だったが。
一般人たちは何もわかっちゃいない。
疲れる現実を生きるのに二次元という息抜きがあることで
一体どれだけの人々の心が救われているのかを!
そんな二次元ばかりの画像や動画を見るだけでは飽きず。
ついには自分が異世界に行って冒険する妄想までし始めてる本日。
その妄想がなかなか捗ってしまい寝不足というわけだ。
挙句の果てに夢の中で異世界を冒険をしていた。
ふと、頭上の時計を見ると9時を回っており俺は気づいた。
「ち、遅刻だ!!!!」
王魔 詩音
それが俺の名前だ。
趣味はネットサーフィンで二次元大好き。どこにでもいる普通の高校2年生。
見た目は中性というのか。よくカワイイと言われれる。
そのせいか同性から告白されたり変な人に付きまとわれたり結構苦労がある。
現在は実家で父親と二人暮らし。
母親は小さい頃に居なくなってしまい。
以来、俺が家事全般も請け負っている。
父親は仕事が忙しくなかなか帰ってこないため。
洗濯ものや料理も自分の分だけでいい。
今日は高校二年生の生活が半分終わり。
夏休み明けの初登校の日。
あわただしい朝。
適当に昨日の残り物を食べて着替えて俺は学校に向かいながら
俺は聞いてもいないのに心の中で自己紹介を済ませた。
「遅刻遅刻!」
学校へ向かう道を走っていると俺の目の前に影が横切る。
どん!
衝撃と共に俺は倒れ込んだ。
だが何故だろうう。倒れたはずなのに不思議と痛みは無かった。
「ううっ…」
体を起こそうと両手に力を入れる。
もにゅっもにゅっ
なんだ。この感触は。
顔を正面に向けると俺は先ほどぶつかった少女の胸を鷲掴みにしていた。
「!?」
次の瞬間俺の股間に衝撃が走る。
「ごふっ!」
股間を思いっきり蹴られ俺はうずくまる。
「変態」
そういって少女は立ち上がり軽蔑のまなざしを俺に向けたのち去っていった。
そしてぶつかったのが知り合いだったことに気付く。
少女の名前は火原 永実
ツインテールが似合う同じ高校に通う同級生だ。
少々釣り目気味で身長は俺と同じくらいの153㎝。
数か月前。
高校二年の始業式の日に彼女を見かけて
一目惚れしてしまい。そして告白した。
結果は聞かなくても分かるだろう。
玉砕した。
「わたしは人間なんかに興味ない、迷惑なだけ」
それを聞いてもしかして、この子は厨二病?
これは仲良くなれそう!
そう思ってますます好きになり告白をし続けた。
だって彼女がいれば、男や変な奴らに絡まれなくて済むし。
なによりオタク話ができる女の子の知り合いが欲しかったのもある。
ああ………印象悪くした。
俺は股間を抑えながら立ち上がる。
「学校で謝らなくちゃ…」
------学校------
なんとか俺の二学期は無事に始まりそうだ。
遅刻かと思っていたが実は目覚まし時計の秒針は昨日の夜から9時を指していた。
「勘違いだった」
幼い頃のことはよく覚えてないがいつからか悪運が強く。
俺がピンチになると因果が味方をし捻じ曲げてピンチを救われることが多々ある。
そのおかげで助かってはいるけど、少々気味が悪いと感じることもあったが気にしないことにしてる。
教室に行きホームルームを受ける。
火原 永実の姿は無い。
彼女とはクラスが違う。というのもあったけど今日はそもそも学校に来てない様子だった。
「休みか…謝るのはまた後日になっちゃうなぁ」
そう言葉を洩らすと肩を軽くポンと叩かれた。
「よお、どうした少年。悩みがあるならお兄さんに相談してみな?」
声をかけてきたのは幼馴染で同級生の友寄 ツヨシ
身長は俺より高い170㎝で陸上部のエースだ。
「何でもないよ。心配しないで」
そう返すとツヨシは力強く俺を抱きしめた。
「お前のことが心配なんだよ。俺の大事な大事な詩音」
ツヨシの顔は赤面させて息遣いも荒くなっている。
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
他の生徒がこっちを見てヒソヒソしている。
(ちがう、ちがうんだ!俺は女の子が好きなんだ!誤解だ!やめろ、そんな目で見ないでぇぇ)
「くんかくんか」
ツヨシが匂いを嗅いでくる。
そうツヨシはこういう奴なのだ。
俺を愛してると言って迫ってくる。そして悪い虫がつかないようにと
詩音タン親衛隊なるものを作って監視してくる。
悪い奴じゃないのだけど、さすがに俺はドン引き。
「と・に・か・く!!……なんでもないって!!」
力を入れて、なんとかツヨシの熱い抱擁から逃れ。
その後、走って逃げた。
そんなツヨシとの鬼ごっこも学校が終わるころには終わり帰宅路を歩く。
ザー
突然の雨だ。
ゴォォォォォォ
そう思ったのも束の間。雨の勢いが急に強くなる。
「ぬれるぅぅぅ!!!」
学校のカバンで頭を雨からガード。
全力で帰宅路を走る。
ゴロゴロォ
ピシャァー!!!!
落雷が発生した。
それも俺の真後ろに落ちた。
「ひぃぃぃ!!!」
「こいつはさすがにやばい!!」
恐怖でか足が動かない。
なんとか足を動かそうと片足を上げ
再び走り出した瞬間だった。
雷は俺に直撃した。
その後意識は無くなって俺は死んだ。
もやもや
もやもや
なんだか体がふわふわする。
死んだんだよな…?
幽霊になったのかな?
目を開こうとしてみる。
ゆっくり、ゆっくりと目を開く。
(ん?誰かいる)
一人の女性が立っていた。
しかも裸だ。
大事な部分は霧がかかっていてよく見えなかったが
女性の裸にリアルでは免疫のない俺は赤面して俯いた。
「わたしは…」
女性の声に反応して顔を正面い向ける。
「殺さないと…あいつらを…」
女性が目の前に迫っていた。
(裸体が!女性の裸体が!!おっぱいが!!!目の前に!!?)
しかもこの女性すごくスタイルがいい。
これは巨乳…いや爆乳というべきか。
Jカップはあるだろう。
紫の髪に金色の瞳。真紅の長い爪。
頭には角のようなものが生えてるように見える。
コスプレ?いやいや!!!そんなことを考えてる余裕はない!!
この魅力的な裸体を前に俺は理性を保てる自信がない!!!
そう。あまりにも刺激的すぎて
俺は死後の世界と思われる場所で失神した。
続きます