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現状確認
この世界には七人の魔女がいる。
その内の一人が今目の前にいる少女。
どうやら俺はこの少女の下僕……改め眷属といったところだろうか。そうなることで命を救われた。生きながらえた。
「下僕であるってるよぉ。下僕君。」
眷属というのは本当に面倒だ。俺の心境を踏み荒らすように、ばさばさと本を荒くめくるように読み取られる思考。
「眠りの魔女。だよな……お前は」
「お前じゃなくてご主人様って呼べよ。下僕君それか私の名前を聞く程度のことはしろよ」
偉そうな態度だ。腹立たしい奴。
「偉そうなのは当たり前さぁ。下僕君のご主人様だからね」
「お名前はなんと申されますか?」
茶番をさらに茶化すようにフォボス。
「お前には言ってないからぁ……下僕君が言わないとぉ」
「ご主人様の名前はなんだ?」
コツンと少女に殴られる。
「敬えよ。魔女だよぉ」
面倒………
「……もういいよ。私は……」