施設と俺
俺が入れられたこの施設には俺と少女以外人がいない。
正しくは食料を渡しに来る職員?なのだろうか?
そいつ以外は見たことがない。
まるでここが隔離されているように……
いいや考えるべきじゃあないな……
あとは図書館がある程度だ。
「ほんと、ふざけてるとしか思えない」
図書館の資料は確かに豊富だったが。
あの少女を治すことなんて到底不可能だろう。
まあ死ぬことはないし……でも困りはする。
俺はあの少女を助けたいけれど軟禁されてまで……いや軟禁されているのは治せないからなのか。
そんなことはどうでもいい。とりあえずはあの院長をぶん殴るなりしたい。
「でも治すことすらできない病気か……」
呪いか何かの類いだろうか……
日本にはそれがあった。呪いは人を殺す上にはかなり便利……と言ってしまえば批判されるだろうが厄介なものだったらしい。
らしいというのは俺自身そんな患者を診たことがなかったからだ。
実際証拠なんて残らない最悪の殺し方とされている。
「いくら日本で名医だろうと知らないものは知らない……」
知らないならば知ることから始めたらいい。
ここには幸い図書館がある。
「まさか……な」
ここはドイツで日本から伝わるようなもの……
「ないな」
だか情報がどうしても欲しかった……
「職員に聞けば………」
「ドイツ語わからねぇ」
読めても発音がわからんしそもそも食料を渡すだけですぐさま立ち去る職員に話を聞くことすら馬鹿げているのだろう。
さて……どうするかな?