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第6話

「え? ここで試合するの……?」


 亜里砂は驚きで目を丸くしていた。


 駐車場のあるのが最下層の地下3階。そこから美鶴に案内され、エレベータで地下1階へと移動した。

 プロレスの試合会場が地下階にあるという段階で何となく不自然なものを感じていたのだが、バックヤードの非常扉を開けた美鶴に「会場」の中へと招かれると、そこで目にしたのは予想と全く違う光景であった。


 フロアはそれなりに広いが、一般的なプロレスやボクシングの「試合会場」ほどではない。

 何より「観客席」にあたる場所にはいくつものテーブルとソファが置かれ、フォーマルに着飾った男女が高級そうな料理を食べ、酒を飲みながら談笑している。


「驚くのも無理ないわ~。ここ、実は会員制のナイトクラブやねん。しかもセレブ御用達の」


 美鶴の説明を聞いても、酒場など居酒屋にすら入ったことのない亜里砂はただ目を丸くするばかり。

 それでも店内に目をやると、フロアの中央辺りが高さ1mほどのフェンスで区切られ、その内側にTVで見慣れたプロレスのリングがあった。


「うちらの団体『ヴァルハラ』はな、いつもこのお店で試合してんねん。バンドやダンサーのショウと同じで……有り体にゆうたら演しだしものやな」

「でも、何でこんな場所で?」

「昔は『ヴァルハラ』も普通のプロレス団体だったんやけど――」


「新世代の女子プロレスを体現する」との理想のもとに旗揚げした「ヴァルハラ」であったが、小規模といえどもプロレス団体の経営には多額の資金を要する。

 通常、プロレス団体は試合のチケット売り上げを主な収入源とするが、そのためにはまず試合会場を借り、観客を集めなければならない。

 大都市の会場はある程度集客が見込める代わり、借りるだけでかなりの金がかかる。

 加えてメジャー団体の試合や人気アイドルのコンサートなど別のイベントも頻繁に入るので、スケジュール枠を押さえるだけでも至難の業。

 運良く会場を確保できたら、今度はフロントはもちろん選手全員も営業となってチケットを売るわけだが、当日券も含めて売れなければその時点で大赤字となってしまう。

 地方の試合会場ならまだ安く済むが、その場合選手の交通費や宿泊料などで経費がかさみ、結局は赤字続きという悪循環。


「特にあの頃は不景気やったからな~。銀行や大手のサラ金もお金なんか貸してくれへん。で、思いあまった前の社長がとうとうヤミ金に手を出して……」

(あれ? どっかで聞いたような話)

「あの、そのヤミ金ってまさか」


 図星だった。

「ヴァルハラ」の前社長はあの岡本に法外な高利で金を借りてしまったのだ。

 たちまちのうちに借金の利息が膨れあがり、厳しい取り立てに音を上げた前社長と経営陣一同は密かに示し合わせて夜逃げしてしまった。

 しかも担保となっていたのは団体の経営権。

「ヴァルハラ」は一夜にして岡本に乗っ取られた。


「ホンマたまげたわ~。ある朝道場に顔出したら、今の社長……岡本さんとあの仁王みたいな長谷川さんが偉そうにふんぞり返ってたんやから」

「……お察しします」

「けどまあ、それで団体が救われたのも事実なんやけどな」


 新たな社長となった岡本は「ヴァルハラ」を存続させるため、経営方針を大胆に変更した。

 それまでのように試合会場を貸し切るのを一切止め、自らの人脈を駆使しこの高級ナイトクラブの「演し物」として店内で試合を行う形式に切り替えたのだ。

 この場合、場所代は(仮設リングの設営など必要経費を除き)基本無料、チケットの売り上げではなくクラブのオーナーから支払われるギャラが収入源となる。

 観客の絶対数は少ないものの、クラブの会員には大企業の管理職やベンチャー企業経営者などの富裕層が名を連ね、しばしば得意先や政治家などへの接待にも使われるため1人あたりが支払う金額が極めて高い。

 選手はチケット販売のノルマを負担することなく、日頃のトレーニングと試合に集中できるというわけだ。

 また選手と練習生の住居として寮が与えられ、食事など最低限の生活は保障される。


「それで、皆さんの生活は楽になったんですか?」

「前に比べれば多少はマシになったわ。もっともこのお店で試合できるのは週2回だけ。試合数が限られるから高い月給で契約してるメインイベンタークラスは別にして、若手や前座の選手は出場した分のファイトマネーしかもらえへん。うちなんかまだ練習生やから試合に出られへんやろ? せやから昼間はコンビニでバイトしたり、試合以外の雑用で会社から手当もろうて何とかしのいでるんや」


 美鶴にしてみれば、こうして亜里砂の付き人を勤めることも貴重な「仕事」のひとつなのだろう。

 実のところ、選手の中には生活に困り岡本から金を借りている者も少なくないという。

 さすがに自分の団体の選手には法定利息で貸してくれるらしいが、結果的には契約と借金、二重に拘束されて社長の岡本には決して反抗できない図式が出来上がっているようだ。


(みんな、私と似たようなものなんだ)


 もっとも今の亜里砂にとっては、借金問題より「うちはあくまで真剣勝負」と断言した岡本の言葉が本当かどうか、そちらの方が気になる。


 店内中央のリングには男性レフェリーと2人の女子プロレスラーが上がり、既に試合を始めていた。

 1人はほっそりした肢体に青いワンピース水着タイプのコスチュームを身につけた二十歳前後の選手。

 長い髪をツインテールに振り分けた顔立ちが、まるでアイドル歌手のように愛くるしい。

 もう1人は同じく黒いワンピース水着姿だが、身長170cm超、体重も90kg近くありそうな、女子選手としてはかなりの重量級である。

 おまけに金色に染めた髪をパンク風に逆立て、顔全体におどろおどろしいペイントを施しているため年齢も定かでない。

 双方とも水着とリングシューズの他、手の甲を覆い指だけ出した格闘戦用グローブをはめ、足にはニーパッドとレガースを装着している。

 実質的にはプロレスでも、貴文がよく口にする「総合格闘技」のスタイルを意識しているのだろう。


「あのツインテールの選手がフェアリー岬さん。顔にペイントしてる方がダイモン小栗さんや」

「ずいぶん体格が違いますね」

「せやなあ。小栗さん、ウェイトなら多分うちで一番重いんやないか?」


 フェンスの内側にあたるリングサイドには双方のセコンド選手の他、長テーブルの前にパイプ椅子が備えられ、ゴング係とリングアナウンサーらしき蝶ネクタイの男性が座っている。

 ただしTVのプロレスと違い、試合を実況中継するアナウンサーと解説役はいなかった。


 美鶴が「バンドやダンサーと同じ」といった通り、この店にとってはあくまで会員制の客に見せる「演し物」であり、必要以上に騒いでお客の食事や会話を邪魔しないようにとの気配り――といえば聞こえは良いが、逆にいえばプロレスの試合自体が「添え物」扱いされている感は否めない。


 リング上ではフェアリー岬が長いツインテールをなびかせ、さかんに攻撃を仕掛けていた。

 オーソドックスなドロップキックやフライング・クロスチョップ、時にロープ最上段やコーナーを踏み台にしての華麗な空中殺法。

 だがそれらの大技も、対戦相手のダイモン小栗にダメージを与えているようには思えない。

 青い弾丸と化した岬のローリング・ソバットを食らいグラリとよろめいた小栗は、次の瞬間には「効いてねーぜ!」と言いたげに両腕を広げ、客席に向けて大きく舌を出し己のタフさをアピールした。


「ええと、岬さんでしたっけ……ちょっと攻め方が単調じゃないですか? あんなに体格差があるんだから、もっとこうフットワークを活かして相手の死角を狙った方が効果的じゃないかと思いますけど」

「それも一理あるけどなぁ。それじゃベビーフェイスの岬さんが姑息に思われてしまうやん。何よりお客さんから見ておもろないわ、そんな試合。何をおいてもお客さんあってのプロレスやで?」

「お客さん……ですか」


 店内を見回しても、飲食の手を止め食い入るように試合を観戦している客はごく一部。

 大半の客は試合を横目にグラスを傾け、同席の客との談笑や、あるいは得意先への「接待」に夢中だ。


 これといって歓声も上がらない会場に、ただ2人の女子レスラーが大声で相手を挑発し、肉弾相打つ音が響くのみ。


 さすがに攻め疲れたのか、動きの鈍った岬を小栗の太い両腕が捕らえた。


「オラァ!」


 気合いと共にボディスラムで小柄な美女レスラーの体をマットに叩き付けると、バーンという派手な落下音が亜里砂の耳にまで届いた。

 岬に立ち上がる暇を与えずエルボードロップで追い打ち。

 巨体に似合わず素早い身のこなしから見て、小栗もただのヒールではない。

 一見鈍そうな肥満体だが、日頃から相当のトレーニングで鍛えているであろうことは亜里砂にも想像できた。


「うぉおおおー!!」

「きゃぁあああっ!?」


 片足で岬の左足首を踏みつけ、両手で右足首をつかんで思い切り引き上げる。

 典型的な股裂きの体勢となり、岬は身体を捩って悲鳴を上げた。


 その時、それまで試合など眼中にないかのごとく酒を飲んでいた男性客の何名かがグラスを置いてリング上を注視するのに気づき、亜里砂は少し嫌な気分になった。

 女子プロレスである以上「そういう目的」で観戦する客がいるであろうことはある程度覚悟していたものの、目の前でこうもあからさまに見てしまうと改めて憂鬱になる。


 そのままギブアップを奪うかと思われたが、両者の位置がややリングの端に寄っていたため、岬は辛うじてロープエスケイプ。

 観客の前で恥をかかされた怒りも手伝ってか、立ち上がりざま岬が小栗の後頭部にハイキックを決め、それを契機に反攻に転ずる。

 立て続けのローキックで小栗の足元を崩したところで、今度は頭部を狙いパンチとエルボーの連打。

 先程の空中殺法に比べるとえらくラフな攻撃だが、いかに見かけが可愛いかろうが岬もまたプロレスラーということだろう。

 小栗の動きが止まったところで助走なしのドロップキックを放つと、彼女の巨体も耐えかねたように倒れ伏した。

 すかさず手近のコーナーポストに駆け上り、リング側に向き直る岬。


(あれ? この展開って、もしかして)


 案の定、コーナー上から勝負をかけて飛び降りた岬のニードロップは、小栗が横に転がったため寸前でかわされ自爆した。

 痛めた膝を抱えて苦しげに蹲る岬と入れ替わるように立ち上がった小栗は、ペイントフェイスに憎々しい笑いを浮かべ、親指で己の首を掻き切る仕草を取った。

 グロッキー状態の岬を引き起こすや、彼女の頭部を両腿で挟み、上半身を両腕で抱えて軽々と持ち上げる。

 ちょうど逆立ちするように抱え上げた岬の上半身を大きく上へ振り上げ、そのままマットに叩き付けると同時にピンフォールの体勢に入った。


 レフェリーの手が3度マットを叩き、ゴングが鳴る。

 試合開始からおよそ10分、ダイモン小栗のフォール勝ち。


「うーん、岬さんもなかなかのテクニシャンなんやけどなぁ……さすがに今夜は相手が悪かったわ~」

「あの、最後の決め技ですけど……」

「パワーボム、知らへんの?」

「えっと、その……あんな大技があるなら、なんで小栗さん先に使わなかったんですか? それで勝負がついたはずなのに」

「へ?」


 美鶴は目をパチクリさせて亜里砂を見つめた。


「そんなんやったら、すぐ試合が終わってまうやん? いくら何でも、高い金払って来てるお客さんがっかりするで」

「それじゃ、この試合ってやっぱり……」

「あ! 別に八百長とかそんなんやないよ? そもそもこのカード、小栗さんと岬さんの実力が違いすぎなんよ。ああ見えて小栗さん、学生時代は女子柔道の猛者だったそうやから」


 試合の「裏」については亜里砂に洩らさないよう命じられてるのか、それとも本当に知らないのか、慌てて両手を振り擁護する美鶴。

 確かにあれだけ体格が違い、しかも実力差も大きいとなれば「格上」の小栗が岬の顔を立てるためある程度レベルを合わせてやったということで、必ずしも「予め筋書きがあった」とは決めつけられない。


(もっと実力の拮抗した選手同士の試合を見ないと分からないな……)

「次の試合も見ていいですか?」

「あかん。そろそろ支度せんと、亜里砂ちゃんのデビュー戦に間に合わなくなるで?」

「あ……もうそんな時間でしたか」



 それから30分ほど後。

 ビル内にある個室の控え室に案内された亜里砂は、中学の制服を脱いで部屋に準備されていたリングコスチュームに着替えていた。


 壁際の姿見に映った己の姿は、ノースリーブ・ワンピースタイプの赤いレオタードに五分丈の黒スパッツ。

 先日長谷川からの電話で身体のサイズとリングコスの好みを聞かれた時「あまり露出度の高いのはちょっと……」と答えたためこうなったらしい。


 確かに水着タイプに比べると露出度は低いものの、ぴっちりフィットした素材の都合上身体のラインがくっきり出てしまうので、これはこれで少し恥ずかしい。


「あの……この上から、ボクサーパンツとか履いちゃダメでしょうか?」

「無理いわんといてや~。亜里砂ちゃんのサイズ揃えるのに結構苦労したんやで? レオタードはともかくリングシューズが全然見つからんで……最後に子供服専門店でそれっぽいブーツ見つけたんやから」

「ううっ、小さくてすみません……」

(ま、動きやすいからこれでいいか!)


 腹を括った亜里砂はとりあえずストレッチから初める。

 一通り試合前のウォーミングアップが終わり、格闘用グローブ、ニーパッド、レガース等を装着しているさなか、同室にいる美鶴のスマホが着信音を奏でた。


「ハイッ、大橋です……はい、はい。こっちは大丈夫です~」


 スマホを切った美鶴が、やや緊張した面持ちで声を上げた。


「急いでや亜里砂ちゃん! もうすぐ試合が始まるで!」



「世界には、いえこの日本にも、未だ知られざる格闘技が存在します」


 照明を落とした店内で、マイクを握ったリングアナウンサーが厳かな口調で告げた。


「ひとたび習得すれば女子供でも大の男を打ち倒すという究極の拳法――歴史の陰に固く封印されてきた『恒河流』。その神秘のベールが今宵明かされます……恒河流免許皆伝者、鷹見亜里砂。若干15歳の入場です!」


「えええ? 何か、思い切り脚色されてる!?」


 通常のプロレス会場でいえば「花道」に相当する店内の通路にスポットライトが当たり、その中を亜里砂はややぎこちなく入場する。


「ほれ亜里砂ちゃん、晴れのデビュー戦やで? もっとお客さんにアピールせな!」

「そ、そんなこといわれても……」


 セコンドも勤める美鶴に背後から小声でアドバイスされても、いったいどんな顔で入場すればよいのか分からない。

 中学2年の体育祭で生徒代表として開会式の選手宣誓を任された時のことを思い出し、ともあれ呼吸を整えながらゆっくりとリングを目指していった。



(あれが鷹見亜里砂? ……呆れたな。本当にただの子供じゃないか)


 一足早くリングに上がり、赤コーナーで待機していた笹崎凉子は、対角線上の青コーナーに上がった亜里砂の姿を冷ややかに見つめていた。

 事前に岡本から渡されたプロフィールによれば「身長150cm、体重40kg」となっていたが、実際にはもっと小さいだろう。

 中学3年どころか、小学生といわれても違和感のない少女である。


(実力を査定しろといわれたが……それ以前の問題だろう? そもそも試合になるのか?)


 凉子自身も格闘戦用グローブ、ニーパッドにレガースを装着していた。

 元キックボクサーだけに打撃系の技を得意とするが、プロレス特有の組み技や投げ技、関節技なども道場の訓練である程度マスターしている。

 体重別の階級制が設けられたキックやボクシングと違い、プロレスの対戦カードは事実上「何でもあり」だ。

 その意味では、どんなに身体の大きな相手とも戦う覚悟は出来ていた。

 だがその正反対となると――。


(バカらしい……仕事でなければ誰が引き受けるか、こんな茶番)


 唯一の慰めは、岡本から「好きに料理していい」とのお墨付きを得ていることだ。

 彼は亜里砂の実力が「本物」かどうか、それを知りたいのだという。


(そういうことなら……わざわざ試合せずとも、さっさと化けの皮をはいでしまえばよいのでは?)


 ふとある企みを思いつき、凉子は内心でほくそ笑んだ。



 レフェリーによるボディチェック、リングアナウンサーによる両選手の簡単な紹介を終えたあと、いよいよ亜里砂と凉子は間近に向かい会った。


「よろしくお願いしまーす!」


 元気よく挨拶しながら、ぺこりとお辞儀する亜里砂。

 プロレスというよりどこかの空手道場の児童部のような光景に、観客席の数カ所から苦笑が洩れた。


「あちゃ~……亜里砂ちゃん、それじゃあかんて」


 青コーナーのリング下から見守っていた美鶴が、思わず頭を抱える。


「……そうだな。こちらこそ、よろしく頼む」


 凉子の口許に薄笑いが浮かび、右手で握手を求めてきた。

 亜里砂は疑う様子もなく、自らも右手を差し出し握手に応じる。


(かかったな。バカめ!)


 その瞬間、凉子は亜里砂の小さな手を握る己の右拳に渾身の力を込めた。

 そう、少女の掌を一気に握り潰すつもりで。

 指の骨を折ってしまえばもう試合どころではなくなるだろう。


(悪く思うな。下手に試合して蹴り殺されるよりはマシだろう?)


 だが。

 悲鳴を上げて泣き叫ぶはずの少女は、相変わらずニコニコ笑っている。


(……!?)


 それどころか凉子と互角の、いやそれ以上の力で掌を握り返してきたのだ。

 その間、わずか1秒。

 やがてレフェリーの指示に従いいったん互いのコーナーに戻った両選手は、ゴングが鳴るまでの短い時間待機する。

 傍目から見れば、プロレスらしからぬクリーンな試合開始の光景である。


(何て馬鹿力だ……危うくこちらの拳が壊されるところだった)


 悪い夢でも見ているような気分で、凉子はグローブ越しにまだ痛みで痺れた己の右拳を撫でる。

 中学生が、いや普通の人間がいったいどんな訓練を積めば、あれほど強靭な握力を身につけられるというのか?


(――あの小娘、ただの女子中学生ではない!)


 亜里砂を「子供」「素人」と侮る感情は、既に凉子の頭から消え去っていた。

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