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媚薬と冷やし中華


「暑っつぅ......」

「確かに暑いな...」

 私は引鉄美咲ひきがねみさき『超人協会』に所属の女だ、そして目の前に居る男が夫の霧雨大樹きりさめだいきだ結婚して最初の夏がやって来た。熱中症にならない様に冷房を付けている。しかしそんな季節でもお腹は空くので今日の昼食はかつ丼である。そして、冷蔵庫の中には...。え、これ媚薬(一ダース)じゃん......そうだこの男の料理にこれを入れて...。

「媚薬がるって事は欲しいんだよね?」

私も一本位飲んでも良いよね。直後心の奥底から爆発的な性欲が湧き上がってきた。やばい、霧雨大樹とセックスしたい!頭と身体が熱くなっている。服を脱ぎながら彼の元に歩み寄る。目の前から彼が来た。きっとこのままベッドに押し倒されて......。

「美咲、何なんだその恰好は!?」

「大樹、私と子供作りましょ?♡」

「うーん、熱いなぁ」

「じゃあ布団の中でもっと熱くなりましょ♡」

「熱くなりましょ?もしかしてお前季節外れのインフルエンザか!?」

「インフルエンザ?違うよ♡」

「裸になってないで服を着なさい!」

「え?ちょっと!何すんの?」

「何ってネギを首に巻いているんだよ、死んだお祖母ちゃんが教えてくれたよ」

「セックスは?」

「そんな破廉恥な言葉吐いてないで寝なさい。お、そうだ、暑い夏には冷やし中華だ、うめぼしもトッピングしてみるか!」

 という訳で服を着せられ、二人で寝るはずだったベッドに季節外れのインフルエンザと勘違いされて仰向けの姿勢で天井を見つめている。直後に部屋に入ってきて期待していたら梅干し入りの冷やし中華を作って置いてくれた。別に今食べたい気分じゃないのに......。

「おいしいか?閉めの冷やし中華!くぅ!たまんないなぁ!」

「......おいしい」

「一週間は仕事はお休みだな」

 だから違うって、湧き上がる爆発的な性欲を冷やし中華の早食いで無理矢理抑える。って今度はあいつ何やってるの?早くエッチなことしようよ!。部屋から這い出てベランダにでてみると大樹は外で水を振りまいていた。

「ほーれ!」

 何が「ほーれ!」なの?早くセックスして子供作りたい。ただ、さっきの梅干し入り冷やし中華のせいで徐々に体温が下がってきた。それにだんだんと冷静さを取り戻していった。けど一週間仕事休みって.......出来るわけないでしょ。それよりも冷蔵庫に入っていた媚薬の事聞かないと。

「ねぇ大樹これ何?」

「何って栄養ドリンクだろ?」

「二人目の子供欲しいからあんなに買ったんでしょ?」

「いや、独身時代から栄養補給剤として仕事行く目に飲んでるぞ」

「これ、媚薬だよ」

「え、嘘だろ!?」

「成分表ちゃんと見てないでしょ?」

「普通の栄養ドリンクよりもたまたま安かったから...」

 という事だった。そのせいで前に酷い目にあった。それ以降は冷蔵庫の中に入ってないし。こっそりと私が見てないところで服用してるわけではない。あ、電話だ何々、え?巨大隕石襲来!?嘘でしょ...まだやりたいことあったのに。あれ、大樹は?どこ?まさか浮気?周りが絶望してる中、現場に向かっていた。

「おぉ、美咲いたのか」

「そこで何してんの?」

「ちょっとだけよろしくな、離れてろ」

 NASAの詳細な報告によると地球から飛び出た謎の飛翔体が宇宙空間で恐竜を絶滅に追いやった以上の大きさの巨大隕石を木っ端みじんに粉砕したそうだ。大樹のことだ...。私の目の前で『スーパーマン』と同じ姿勢で空高く飛び上がった。そして残りの破片は大気圏内で消滅した。あいつ死んでないよね?。一日経っても戻ってくる気配は無かった。もっと話したい事一杯あったのに。短い付き合いだった。そう思うと涙が溢れてきた。こんな悲しいことないもん。そんな暗い気持ちで彼のお葬式を挙げていた。


「ねぇ大樹そっちは寂しくない?」

「何で俺が死んだことになってるんだ?」

「え?何で貴方がここに居るの?」

「いや、隕石破壊した後アメリカのNASAの職員に英語で質問されまくったからさ、何とそれが一週間!勉強してから宇宙にむ行くべきだったなぁ......」

「貴方!」

「そんな泣くことか!」






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