若葉は芽吹く、いざ行かん剣と魔法の世界
「うーんオンラインゲーだけど話題性は十分。たまにはマルチでやってみるか」
真夏の太陽で地面がジリジリ焼かれる昼間、俺は終業式終わりのその足で小さなゲームショップ"ドリームクロス"で夏休みにやり込むゲームを探してた。
20××年、かつて医療用機器として開発されたフルダイブ型VRシステムが大手ゲーム機器会社"フィーバリアル"によって家庭用ゲーム機として売り出された時代。人々は歓喜した、長年ファンタジー小説で憧れた世界が現実になったのだから。そして現在20⚪︎×年では様々なゲームタイトルが発売されていた。
今俺、桜木冬馬が手にしたゲームもそのうちの一つだ
『ソードデザイア・オリジン』
あなたの憧れた世界を今ここに!!という宣伝と共に半年前に発売されたVRゲーム。発売元の"アレクシア"が"フィーバリアル"と共同開発した新型ゲームエンジンが搭載され、今までに無いリアル型VRMMOとしてベータ版から話題になった事で発売前の事前予約の段階から全世界販売本数9900万というバグレベルの数字を叩き出したとんでもないゲーム
プレイヤー達は"シーカー"と呼ばれるゲーム内の人類とは違う作られた人類という分類で、世界観的には科学が極まった今の地球みたいな星が宇宙からきたエイリアンと戦争。なんやかんやで両者ボコボコでほぼ全滅、生き残った人類が一から文明起こしてから数千年後を冒険して生きていこうという割とガッチリした世界観になってる。
何よりプレイヤーという存在を世界の一部として取り込んでるのも斬新でファンタジーに少量のSFチックな要素を無理なく加えれてると思う。
ネット評価では「自由度がとんでもなく高い」「リアルなAI積んでるからNPCがこの世界を生きてる」「まぁぶっちゃけ控えめに言って神ゲーですわ」etc...
高評価、星5の超神ゲー待った無しのゲームをレジに持っていくと
「いらっしゃい。今日はどんなゲームにしたのかな。あら〜君もついにこのゲームに手を出しちゃうのね」
「いや〜さすがにあんだけ話題になればソロゲー好きでも気になりますよ、夏休み返上で攻略する気です。まぁ基本的ソロで進めますが」
レジでサイフの中身を確認してたらこの店の店主である男性が少し寂しげに話しかけてきた。
昨今のVRゲームではオンラインが流行ってる為、熟成が進みがちなオフラインゲーム、俗に言うソロゲーを愛する俺は同じくソロゲー好きの店主、牧野茂さんとちょいちょい話しをしたりゲームを進めあう中なのだ。
「僕としては冬馬くんにはソロゲーに永久就職して欲しいんだけど、さすがに気になるよねコレは」
「実は僕もちょっとだけやった事あるんだよね」
「マジっすか!!あの万年ソロゲー引き篭もりの茂さんがですか!?」
「君ちょっと失礼じゃないか笑、僕だって話題のゲームくらいやりたくなるよ。まぁちょっとシステムが複雑でおじさんにはしんどくて辞めたけどね」
「複雑なの苦手ですもんね」
「さてとじゃあ楽しんでおいで。ただちょいちょい顔出してよ、意外と暇で寂しいから」
「了解です。じゃあありがとうございました〜」
そうして俺は、新たなる世界への旅立ちに胸を躍らせながら小走りで自宅への道を急いだ。
どうも初めまして。
最近漫画、小説、アニメをみてたら自分でも生み出したい欲が昂って執筆を始めました。
文章拙い点があるとは思いますが、そこは優しい目でみて下さい。
好きなアニメは冴えカノ、ゲームは鳴潮です!!