生徒会長の正体
茜ヶ丘学園に入学した陽菜と蒼司の2人は、部活に入部することはなく、学校が終わるとすぐに帰宅してゲームをしたりQtubeを見たりする生活を送っていた。
そんな平々凡々な日々を送っていた5月のこと。2人はその日もなんの変わりもなく過ごしていたのだが、放課後に転機が訪れる。
「え?俺達に星奈先輩が用?なんでまた……」
「なんで私たちが呼ばれるんだろ?何かしちゃった???」
なぜか、2人は星奈に生徒会室へと呼び出された。前から知っていたとはいえ、あくまでそれは2人からの視点であり、星奈からは認知されていないと思っていた2人は驚きを隠せない。
とはいえ、呼び出されてしまったのならそれを無視するわけにはいかないので、生徒会室へと向かう。
コンッコンッ
『はーい』
「1年の安導蒼司です。天城生徒会長がお呼びとのことで参りました」
「同じく1年の市川陽菜です!」
『どうぞ、入ってください!』
「「失礼します!!」」
2人は、星奈と初めて直接顔を合わせる。
「市川さん、安導くん。急に呼び出しちゃってごめんなさい」
「いや、それはいいんですけど……」
「生徒会長は私たちのことをなんで呼んだんですか?」
「俺たちと天城先輩には全く接点はないはずですけど」
驚く2人を前に星奈は話を始めた。
「……確かに、私と2人には直接的な接点はないかも。だけど、私はあなた達2人の事を前から知ってたの。そのわけを説明するためには、まずはこっちに来てもらえるかな?」
星奈は、詳しいことを話す前に2人を奥へと促す。
そこには、『緊急時以外の生徒会長以外の出入りを禁じる』という仰々しい注意書きが貼られた厚い扉があった。
「なんすか、これ?秘密の部屋ってやつすか?」
「ここに星奈さんの秘密が隠されてるんですか!!!?」
「んー?まぁ、秘密といえば秘密だね!先生方を説得するのも大変だったからね、この部屋の中身について」
そう軽く笑みを浮かべながら星奈が扉を開けると、その中には……
「な!?この機材の量、生徒会長室にこんな空間があったんすか!?」
「す、すごい……って!!!その壁のポスター!!今密かに人気を伸ばしている二次元の見た目を持ったQtuberの『天星ステラ』さんのじゃないですか!!あれ、でもステラさんのポスターなんて売られてたっけ?」
「いや、これは非売品だな。このイラスト自体は配信で見た記憶があるけど、グッズ化はしれてなかったはずだ」
「だよね!!そんな貴重なものがここにあるなんて……」
陽菜と蒼司の2人が盛りあがる中、星奈が真相を告げる。
「改めて、私……天星ステラの配信部屋へようこそ、陽菜さん、蒼司くん」
「「えぇぇぇぇぇ!!!?」」
2人が最近推していた配信者の正体は、まさかの憧れの生徒会長だった。
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