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【完結】僕の大事な魔王様  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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79.ふわふわしてくるくる回る

 鱗やベル様のお膝についた液体は消えた。僕は鼻の奥がツンとするので、むずむずする鼻先を動かす。さっき転んだ時に飲んじゃった。


 鼻から流れてきて、息をするときに入っちゃったの。苦くて美味しくなかった。ベル様はなぜ、あんな不味いジュースを飲んだんだろう。首を傾げると世界がぐらりと横になる。おかしくて笑いながら、反対に頭を傾けた。


 今度は見える景色が転がる。ベル様が抱き起こしてくれたけど、心配そうな顔をしている。ぺちぺちと両手で頬を掴んだ。ベル様、いつもより冷たいね。


「ふふっ」


 ベル様に寒いのと聞きたかったのに、笑い声が漏れた。そうしたらすごく可笑しくて、全部笑える。お祖父ちゃんが青い鱗なのに、さらに青くなって。吸血鬼のおじさんが水を持ってくる。喉は乾いてないのに、変なの。


 ベル様が冷たい手を額に当てて、大きく息を吐いた。その唇が美味しそうで、ぺろりと舐める。苦い味がした。さっきの白いジュースの味かな。やっぱり美味しさは分からない。なぜかベル様が動かないので、もう一度舐めた。


「べるぅ、しゃまぁ?」


 僕は自分の声に大笑いして、のけぞった。落ちそうになったけど、慌てたベル様が受け止める。そのまま抱きしめられて、上から服が被せられた。これ、吸血鬼のおじさんのマントだ。くすくす笑いながら包まった。


「飲んでしまったようだ」


 硬い声でベル様が呟く。


「あ、ああ……なるほど」


「それでか」


「それならね、仕方ない」


 皆、変なの。マントの中でまた笑い、ベル様の服に手を伸ばす。このボタン、固くて邪魔。ぱちんと外す。隙間から手を入れると、びくっと動いた。なんだか楽しくなってきたよ。


 さらに反対の手も入れようとしたら、服が邪魔だった。びりりぃ……破いて両手で抱きつく。ベル様のお腹は、しっかり固くて温かい。気持ちいいな。頬を擦り寄せて、ふぅと息をつく。


 あれ、何かある。下の方へ手を伸ばそうとしたら、ベル様に腕を掴まれちゃった。そのまま、マントの上まで出される。顔だけ覗かせた僕は、きょろきょろと周囲を見回した。


 景色がぐるぐるする。へらっと舌を出して笑ったら、数人が顔を背けた。なんだろう、僕、怖い顔だったかな? 両手で頬を掴んで振り返ったら、ベル様にまたマントに戻された。出たり入ったり、変なの!


 くすくす笑った後、疲れて欠伸をひとつ。僕が脱がせた服が、いつの間にか戻されていた。むっとしてボタンを外し、顔を突っ込む。そこで目を閉じた。温かいし、ベル様の匂いがする。


 気持ちいいなぁ。すりすりと頬を寄せ、僕は鼻息を荒く吐き出す。なんか、息が臭うかも。さっきの苦いジュースと同じ? ぽんぽんと背中を叩くベル様の手を感じながら、僕は動くのをやめた。寝たんじゃないよ。だって起きたばっかりだもの。目を閉じて動かないだけなんだからね。 

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