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【完結】僕の大事な魔王様  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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71.不思議な色の子が出てきてびっくり

 ピンクの卵は温かった。ひんやりした水色のレラジェとは違う。きっと火竜だと思う。期待しながらお父さんが殻の隙間を覗く。割れた殻の間でじたばた暴れる手足は、仰向けに転がったみたいで逆さだった。殻から完全に出るまで、手を貸したらいけないんだ。


「あと少し」


 呟いた僕は手をぎゅっと握る。どきどきするね。ベル様も卵の隙間に目を凝らす。少しして、殻が転がった。その勢いで、中の赤ちゃんも俯せになる。


「あっ!」


「え……?」


 赤じゃない。赤い鱗じゃない赤ちゃんは、キューと鳴いた。お腹側は薄い黄色だったけど、背中側は赤だと思い込んでいた。でもピンクっぽい紫色だ。薄い色だからピンクの方が近いかも。残った殻を踏んで割りながら、四つ足で這い出てくる。


 ここまで来たら、もう触れてもいいんだよ。お父さんが鼻先で支えてから、両手で起こしてあげた。お腹が空いているのか、お父さんの赤い鱗に吸い付く。でもお乳でないし、怒って噛みついた。元気な子だな。じっくり観察したベル様が「オスだな」と呟いた。


「じゃあ、弟?」


「そうだ」


 僕は妹に続いて、弟も手に入れた。順番は僕がお兄ちゃんで、妹はお姉ちゃん、一番下が弟だ。弟は、お父さんの指を噛んで、うぅと唸る。お母さんが来ないと困るな。心配する僕達をよそに、奥から赤い鱗のドラゴンが近づいてきた。


「おいで、ほら」


 ゴロンと横に転がり、赤ちゃんを呼ぶ。赤い目をきらきらさせて、赤ちゃんの両手が伸ばされた。お父さんが離したら、凄い勢いで這っていく。四つ足で近づいて、お腹にしがみ付く。そのまま、ちゅっちゅと吸い付く音が聞こえた。


「久しぶりだけれど、気合を入れれば出るもんだね」


 火竜のおばさんが笑う。お乳を弟にくれたお礼にぺこりとしたところで、お母さんが飛んできた。妹のレラジェは一緒じゃない。置いてきたのかな? 水竜は熱いのが苦手だから、お母さんだけで来たみたい。お母さんは大人だから平気だけど、レラジェは熱いと大変だもん。


 分かった気分でうんうんと頷く。僕の様子にベル様が小さく笑った。


「あら。グレモリーさん、助かります」


 にこにことお母さんが挨拶をする。お乳をあげるおばさんは、お母さんが来たから交代しようとした。でもお腹が空いた赤ちゃんはまだ飲むと嫌がる。満足するまで飲ませることになった。僕はお兄ちゃんだから、あんな風にならないよ。


「この子は火竜じゃないのかしら」


 お母さんが首を傾げる。紫色は珍しいんだ。今まで見たことがない。ピンク色は火竜にもいる。ピンクに近い紫色だから、火竜で合ってるかも。名前を考え始めたので、僕も名前をひとつ提案した。


「キマリスは?」


「いい名前ね。あなた、どう?」


 お母さんは賛成してくれた。迷ってお父さんも頷く。他に名前を考えていたのを譲った感じ? 黒くて強い竜が昔いて、その名前がキマリスなの。オスだったと聞いた時、その名前が浮かんだんだ。お母さんが寝る時に話してくれた英雄ドラゴンの主人公だよ。


「強そうだ」


 ベル様はいい名前だと褒めた。名前は僕が選んだキマリスに決まり。いっぱい遊ぼうね。

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