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【完結】僕の大事な魔王様  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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69.名前は特別な意味がある

 ピンクの卵は、火竜の可能性が高い。だからお父さんが火口近くの洞窟で温めていた。交代してあげないと、妹に会いに来られないの。


 お祖父ちゃんとお祖母ちゃんが到着したので、僕はベル様と一緒に魔法で移動した。びゅんと一瞬で飛んで、目を開けたら熱い洞窟の中だ。ぺたぺたと足音をさせて走り、丸まったお父さんに駆け寄った。


「お父さん! あのね、妹が産まれた」


「もう? 早いな」


 そわそわするお父さんへ、両手を広げる。僕が卵を引き受けるから、その間にお母さんのところへ向かっていいよ。そう伝えた。追いついたベル様も頷いたけれど、お父さんは迷う。


 卵を奪いに来る人間もいないし、強いベル様が一緒だ。僕がきちんと抱っこするから、卵も平気だよ。重ねて説明し、また両手を広げて待った。お父さんは笑って頷く。


「わかった、ウェパルに任せる。立派になったな」


 ぐりぐりと頭を強く撫でて、そっと卵を渡された。ピンクの卵は、さっきの妹が出てきた水色より大きい。お父さんの巣に僕が丸くなり、ベル様が優しく卵を置いた。大きな巣は隙間が出来たけど、ベル様が僕と向かい合って座る。


 二人で温める形になった。お父さんはぺこりとベル様に頭を下げ、巣穴を出ていく。大急ぎでお母さんのところへ向かうんだと思う。だって、お父さんはお母さんが大好きだもん。


 妹もお父さんが来て喜んでくれるといいな。ピンクの卵はまだ動かない。ヒビが入る様子もなかった。ベル様と向かい合って、卵を撫でる。いろんな話をした。


 魔族は個人の名前がある。それは力が強い魔族なら、弱い魔族の名を呼べる法則があった。逆に僕は強い人の名前は呼べない。だから、ベル様の長い本当の名前も呼べなかった。お祖父ちゃんは他のドラゴンを呼べるけど、お父さんはお祖父ちゃんの名前を呼べないの。


 ベル様は魔王様で強いから、全員の名前を呼べた。前に吸血鬼のおじさんや、耳長のおねえさんも名前で呼んでたよね。かっこいいな。憧れでそう告げると、ベル様はくくっと笑った。喉を震わせる感じで、カッコいい。


「ウェパルからみて、俺はカッコいいか?」


「うん!」


 嬉しそうなベル様に、僕もへらっと笑った。黒い肌や髪も素敵だし、お顔も綺麗。すらっとした手足や優しい笑顔も好き。付け加えた情報に、ベル様は驚いた顔をした。それから僕を優しく撫でてくれる。


「妹の名前、何になるのかな」


「誰が決めるんだ?」


「僕の名前は、お祖父ちゃんが決めたの」


 家長で一番偉いドラゴンだから、お祖父ちゃんが決めた。そう聞いている。今回は一番強い人だと、ベル様になるのかな。でも家長は違う。


「家族の名前だ。名前をいくつか出し合って選んでもいいと思うぞ」


 そういう決め方もある。教えてもらって、素敵だなと感じた。僕も候補を考えよう。お母さんより薄い青の鱗も、水色の卵の殻も、晴れた空みたいだったな。女の子だから、可愛い名前がいいよね。


 いろいろ考えていると、時間はすぐに過ぎる。慌てて帰ってきたお父さんに卵を引き継ぎ、僕とベル様はお家に帰った。お風呂の中でも考えていたけど、決める前に眠くなっちゃった。

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