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【完結】僕の大事な魔王様  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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66.卵が孵るのは夏頃だね

 お母さんは水色の小さな卵を、お父さんはピンクの大きめの卵を。どっちが弟で妹だろう。わくわくする。お祖母ちゃんは笑って頭を撫でた。


「両方とも弟だったらどうするの?」


「一緒に遊ぶ!」


「じゃあ、二人とも妹だったら?」


「可愛がる!」


 そっか、弟と妹が別々に入ってると思ったけど、両方とも弟だったり妹だったりするかも。決めつけちゃいけない。だって、出てきた時に僕ががっかりしたら泣いちゃうでしょ? 


 半年くらい出てこないと聞いた。半年は一年の半分だから、冬になる今から数えて……えっと。両手の指で数えてみる。僕は片手に六本の指があって、片方分が半分。三つで季節が変わるから……。


「分かった! 夏の時期だ」


 夏になったら生まれる。もしかしたら、ピンクは大きいから早くて、水色はゆっくりかも。遅くても秋には生まれてほしいな。


「そうだな」


 ベル様が頭を撫でて、お祖母ちゃんも頷いた。お父さんはお母さんに頬を擦り寄せて、仲良くしている。うとうとするお母さんは煩そうに手で払うけど、尻尾がお父さんに絡まっていた。本当は仲良しが嬉しいんだと思う。


 ベル様にこっそり教えたら、くくっと喉を揺らして笑った。家族が仲良しだと嬉しいよね。僕も分かるよ。僕の家族はベル様の家族だから、喜んでくれてよかった。


 すぐに聞きつけたお祖父ちゃんが飛んできた。他のドラゴンは、卵が割れたときにお祝いする。卵が産まれてお祝いするのは、家族だけだった。両方ともお祝いすればいいのに。


 産んだ卵が二つなのは珍しくて、一緒に割れたら双子と呼ぶ。別々に割れたら、それぞれに順番がつくの。その順番は、僕が一番なんだ。ベル様にそんな説明をしながら、腕の中で目を閉じた。このまま眠っちゃいそう。


「ウェパルが眠りそうだね」


「ああ、疲れたんだろう」


 お母さんとお父さんの声が聞こえて、温かくて大きな手が触れる。ぐりぐりと頭を揺らしてベル様の腕に潜り込んだ。


「帰って休むぞ」


 頷いたけれど、もう半分くらい寝てる。ふわっと浮いた感じがして、お家に着いたんだろう。周りが少し暖かい。お母さんが住んでいる洞窟は、僕達のお家より寒い。お祖父ちゃんの洞窟もだよ。水竜は強くなると、氷竜になる。だからひんやりした場所が好きなの。


 お父さんは逆で、熱い場所。僕は中間がいい。暑すぎても寒すぎても平気だ。でもぼんやり温かい場所が好き。ベル様の腕も温かくて大好きだし、お風呂のお湯も好きだった。


 ドラゴンは数日に一度しかご飯を食べなくていい。ベル様も同じでよかった。じゃないと、僕が寝ちゃった時にベル様が離れちゃう。それは寂しいから。


「ウェパル、おやすみ」


 僕もおやすみって言いたい。それなのに目蓋は重くて開かないし、口も動いたのかな? もごもごして、終わり。奥さんなんだから、きちんとしなくちゃ!

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