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【完結】僕の大事な魔王様  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく


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19/82

19.巣作りは奥さんの仕事だよ

 魔王城の廃墟からお家に帰る。途中でお父さん達に手を振ったら、なぜか泣き出しちゃった。でもお母さんにお尻を蹴られながら飛んでいく。お母さんは冷たい洞窟が好きで、お父さんは暑い洞窟に住んでいる。お母さんと暮らす僕は、もともと同じ洞窟じゃないのに。


 お母さんの洞窟の前でバイバイするから同じだよ。そう思いながら、ベル様と洞窟の近くに下ろしてもらった。お祖母ちゃんが飛んでくれたの。たくさん撫でてからお別れした。お祖父ちゃんはお母さんと飛んでいる。皆が見えなくなったところで、新しいお家に入った。


 お祖母ちゃんに貰った干し草をいっぱい敷いた巣は、上手に出来たと思う。ベル様も立派だと褒めてくれた。寝る前に水を飲んで、おしっこして……いつもと同じ手順を考えながら巣へ歩く。待っていたベル様に頬へ口付けを貰い、抱っこで巣に入る。


 ベル様がいるから、大きめの巣を作ったの。そうしたら、ベル様が上に何かを敷いてくれた。ふわふわで柔らかくて、気持ちいい布だよ。その上に寝転ぶと干し草の匂いもして、幸せな気持ちになる。目を閉じたけど、明るい日差しが邪魔だった。


「ベル様、巣を移動しよう」


「そうだな。さすがに明るい」


 明け方まで話し合いをして、そのまま別れたから。お家に着いたのはお昼だった。空の真ん中にお日様がいて、一番明るい。洞窟の隅々まで照らしそうな日差しを避けて、僕達は干し草を移動させた。横に開いた穴が屋根になる場所に、また巣を作る。


 くるくる回って、縁を高く。真ん中は少し低く。でもあまり真ん中を低くし過ぎると、寝る時に硬くて痛いの。ここのところ何度も作っているから、僕はすごく上手になったと思う。満足のいく出来に頷いて、ベル様が布を敷くのを待った。


 巣作りは奥さんの仕事だよ。また抱っこで眠った。今度は眩しくない。ベル様の手が僕を撫でて……。






 美味しそうな匂いで起きた。くんくんと鼻をひくつかせ、巣の中から飛び出す。積み重ねられた干し草に引っかかって転んだ。


「起きたか?」


 おいでと呼ぶベル様に駆け寄った。巣から離れた屋根のある場所で、ベル様は火を焚いている。薪が積んである。これも、巣のそばの干し草も、寝る前にはなかったのに。


「ドラゴンが運んできたぞ。それと、ハルピュイアだな。ほら」


 示された先に、荷物が積んであった。木箱に入ってるのは、人族から奪った荷物だよ。ドワーフのおじさん達は、もっと綺麗な箱を作る。


 ベル様が焼いてくれたお肉の塊を受け取り、かぶりつく。美味しい。熱いけど、僕は平気なの。お母さんは冷たいのしか食べないけど、お父さんのところへお泊まりすると熱いお肉が出てきた。


「そうか、食べるときは食べ物に集中しろ。命を食べているんだからな」


 大切なことだと教えてもらう。お祖父ちゃんも前に言ってたかも。頷いてしっかりお肉を掴んで、両手で食べた。お尻をついて座り、骨だけ残して食べ切る。


「食べた」


「残さなかったか、いい子だ」


 頭を撫でてもらい、荷物を運んできたお話を聞いた。交代で次々と持ってきたから、屋根のあるところへ積んだんだって。これからも出入りする奴がいると笑って、ベル様は天井をつけるのをやめたの。寝る時だけつけるんだよ。


「お祖父ちゃんがぶつかるから?」


「ああ、天井を作る時は色をつけるとしよう」


 何色がいいかな。ベル様と相談しながら、最初に巣を作った大木の影に干し草を運んだ。この木の周りだけ濡れないようにしてくれるみたい。安心だね。

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