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6 成長個体

 ようやく更新できました!

戦闘描写は時間がかかるなあ…

 ジル達が駆け付けた先には、地獄の惨状がひろがっていた。折れた剣、えぐれた道路や建物、大怪我をして横たわっている人、一部分しか残されていない体のパーツ。それらは、まだ立っている者よりも断然多く、目立つ。


 そしてひときわ目立つのは、アンノウンをさらに巨大化、凶悪化させたような怪物の存在だろう。本来町にあってはならない異物、その口元からは赤い液体が滴り落ちている。


 まだ戦える者もすぐには動けない。連携をとらずに独り敵に突っ込んだら待っているのは、死だ。


「くそ、化け物が……」

 そのうちの一人が呟く。ジル達はその顔に見覚えがあった。


「「ケインさん!?」」

呼ばれたケインは、ぎょっとしつつも安心したかのように応えた。

「じ、ジル様……よくぞ来てくださいました」


「んん? また虫が来たか。まあいい。死ね」

 怪物は声に反応してこちらを振り返り、傲慢な口調で話しかけてきた。かと思うと炎を纏った剛腕を振るい、その炎を打ち出してくる。

 再び町中に爆発音が響き、煙があたりに立ちこめた。


「ああそうだ、原型くらい留めておいてくれよお。喰えねえだろうが」

 なかなか消えぬ煙の中に向けて余裕の表情でそうぬかす怪物。しかし。

 

「まず倒してから言うべきものでは?」

「おい、お前……」

 煙が晴れて怪物の目に飛び込んできたのはジル達を包み込む障壁だった。


「さっすがジルねぇ。頼りになるね」

「でしょー。さてと」

 すかさずお返しとばかりに風系統の魔法を打ち込んだ。

「吹き飛びなさい」

「っ!?」


  直撃した異形の体は大きく後方に吹き飛んだ。足を道路に無理やり擦り付けるようにしてようやく怪物は地面に復帰する。


「やってくれるじゃねえか。このグラン様によお」

 怪物、グランは獰猛な笑みをジル達二人に向けた。当然その笑みに込められているのは歓喜ではない。殺意だ。


「気をつけてください、ジル様。そいつは成長個体(グロウス)だ」

 成長個体(グロウス)。言葉通りだが、アンノウンが人を喰らい続けることでしっかりとした自我と強さを持ったものだ。中には簡単な魔法を使える者も存在する。グランはそれに当たるということらしい。


「それで? その成長個体ごときが私に敵うとでも?」

「そうだね。私一人でも倒せちゃうかもよ」

 しかし、ケインの忠告を受けてもなお余裕そうなジルはそう煽りだした。クリスタもそれに乗っかる。


「くそ虫が! っ!?」

 その二人の態度に苛立ちを隠せないグランだったが、突如背後から殺気を放つ人が近づくのに気づいた。即座に反転し、豪快に腕をスイングする。短剣と異形の腕のぶつかりあいはまるで金属同士だったかのようなかん高い音が響き、殺気の主、リザは勢いよく後ろに飛ばされる。 


着地はできたが一撃で決める気でいたリザは、悔しそうに歯噛みしている。

「さっさと死ねよ、です」

 「加速」を使い、背後をとり続ける。だがグランも反応が速く、なかなか核にたどり着けないまま無意味に戦闘が長引いていく。


「皆で囲むぞ!」

「お、おう!」

 ケインが支持を飛ばして兵士たちもそれに従おうとする。


「待ってください」

 しかし、ジルがそれを止めた。

「ケイン。あなたには兵士たちと待機することを命じます。魔法、使()()()()()()()のでしょう? 私達だけで十分です」


 途端に押し黙ってしまったケイン。渋々剣を納め、兵士達に話しかけた。

「今はジル様の言う通りにしましょう。決して悪くはならないでしょう」

 もう怪物と相対するのは嫌だと思ったのか、兵士達はあっさり申し出を受け入れた。


「お二人はどうするので?」

 そう問いかけるケインの目線は今なお続いているリザとグランの戦いに向けられている。

「ジルねぇ」

「今はだめ。リザちゃんの動きが読み切れない。何か機会があるまで待機しましょう」

 そうクリスタを制しつつしっかりとリザの動きを見極めていく。



 リザが連続で刺突を繰り出すが、グランは腕を盾のようにしてひたすらいなす。リザの攻撃が終わると、グランは待ってましたとばかりにパンチを押し付けるが、「加速」の効果で距離を離されて不発に終わった。


「うっとうしいわ! さっさと死んじまえよ!」

 再度グランの両腕が炎を纏った。全速力でリザへと向かう。

「うるさい……うるさいですよ!」

 そう返すリザから黒いもやが出てきた。が、すぐにリザははっとした顔になり、もやは空気に溶けてしまった。思わず体は硬直し、大きな隙を見せてしまう。


「もらったあ!」

 当然グランは勝ちを確信し、リザに拳を入れた……かのように見えた。しかし、ジルの障壁がリザを包み込み、守った。今までの障壁とは違い、全方位を覆う球体はリザを戦場から隔離するかのようだった。


「ようやく割って入れましたか。さて。今からあなたの敵は私達二人です」

「リザっちは大人しく見ててねー」

 ついにジル、クリスタとグランの戦いが幕を開けた。

 

 


 


 



  


 











 次回、いったん決着。

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