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1 プロローグ

さて「レボス騒乱編」始まりました。

まずは新しいキャラクターを投下しました。

きりがいいので量は少なめです。

「「ブエナ・スエルテ」」

「あーーうーーー」


 ジル達が町に行く日。この日も日曜礼拝があった。講壇に立つのはもちろんジル。というのも、クリスタはまだ講壇に立つ資格を持っていないのだ。ちなみにクリスタは姉の代わりに説教をしてみたいと思っているが、まだまだ叶いそうにない。

 それはともかく。


「さあ、早くレボスの町へゴー、ゴー!」

礼拝が終わるとすぐクリスタが催促してきた。全身から待ちきれないオーラを出していて、どれだけ楽しみにしていたのかがありありとジルに伝わってきた。

「ゴー! さあ、倉庫に行こっか」

 ジルも手を挙げてクリスタに応えた。途端にクリスタは満開の笑みを浮かべた。

「うん、ジルねぇ!」

 

 さて、この教会の倉庫は普通ではない。そもそも保存術式があるだけでも貴族並の贅沢さなのだが、ここにはさらにもう一つ。

 

「うん、転移術式は正常に起動したね」

魔方陣を確認しながらジルは呟く。普段見えない倉庫の中央部分は、食糧の入ったかごを隅にどけたことであらわになっていた。そこに描かれた魔方陣は紫色に妖しく光り、幻想的だ。ここまでくれば大貴族、王族がやっと所有できるレベルなのだが。それに気づいているのかいないのかはともかく、ジルはこの術式を使いこなしていた。


「クリスちゃん、さあ」

ジルはクリスタに手を伸ばし、クリスタもそれに応える。すると、倉庫の中全体が光に包まれてゆく。


「「いざ、レボスの町へ」」


 やがて光は消え、二人の姿はどこにもなくなっていた。






 ジル達が転移したのは町のはずれ。流石に人目の多い所に転移するのは目立つことくらい二人でも知っている。ここ、レボスの町は大都市には及ばないが、かなり賑わっている。というのも、この町はいくつかの大都市間の中継地点となっているのだ。そのため、人の移動はかなり激しい。商人達専用の宿屋まであるというのも、この町ならではだろう。

 


「で? 結局最初はどこにいけばいいの、ジルねぇ?」

 キョロキョロとあたりを見渡しながらクリスタは問い掛ける。

「うーんそうね……やっぱり早めにケイン道具店に行きましょうか、その後食べ歩きしましょう」

 お昼にはまだ早い。買い出しも夕方の方が、荷物が重くならなくて楽だろう。となると早めにケイン道具店に寄っておくべきだ。

「分かった、そうしようか」

 さっそく二人は人混みを一直線に抜け、ケイン道具店へ向かった。

 

 ケイン道具店はそこまで繁盛しているわけではない。しかしながら、武器や戦闘用などの小物も置いているため、戦いを生業としている人からの人気を得ている。

 店に着き、ジルがガチャっとドアを開けると、チリンチリン、と鈴の音が店中に鳴り響く。中をのぞくが、まだ人の姿は見えない。すると、少し遅れてはい、ちょっとお待ち、と声が聞こえてきた。そしてバタバタと階段を駆け降りる音がジル達の耳に入ってくる。


「はーい、いらっしゃいませーっとお? ジル様じゃないですか! 来るなら来ると言ってくださいよ」

「ケインさん、そんな連絡できるわけないじゃないですか」

「冗談ですよ、冗談。しかし、お久しぶりです、ジル様。そしてクリスタ様も」

 この店の店主、ケインは白髪まじりの頭をかきながらそう言った。

「お久しぶりです、ケインさん!」

 後ろからひょっこりとクリスタが顔を出す。

「ええ、お久しぶりです。立ち話もなんですし、お茶でも出しましょうか?」

「ありがとうございます、いただきます。いいよね、クリスちゃん?」

「うん、いいよ!」

「決まりですね」


 早速ケインはドアの方へ向かい、「営業中」の板を外から見て「営業時間外」と見えるようにひっくり返す。

 そして階段をのぼっていってから振り向き、二人について来るように促した。当然二人もついていく。


 




できれば評価をぽちっと……1から5まで好きな数字選んでいいから……(小声)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 良く練り込まれた設定に、読みやすい文体。異質な者が送る日常は、読者を引き込めると思います。 [気になる点] 一転してその異質さを拒絶する読者も一定数いると思いました。 [一言] 連載頑張っ…
[良い点] 最初はただの日常系かと思って読んでみたらびっくり、次々に明らかになっていく普通の人ではないという秘密に引き込まれました。 [気になる点] 文章もしっかりしているので特にありません! [一…
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