中等学舎へ上がった僕ら sideルカ
新章へ入ります(´∀`)
ルカ 15歳
レティ 14歳
スザク ライノ レイノ ニーナ ノーラ 13歳
クレア 12歳
アオイ ウゲツ レビ 11歳
今年、ようやく全員が中等学舎の年齢になった。僕は十五歳で中等五年生。一番年下の三人も十一歳で中等一年生だ。この四年間で、僕らはすっかり普通の白縹から逸脱した能力になってる。猫の庭の大人たち曰く「珍獣を通り越して怪獣」らしい。
怪獣なんてひどいじゃんと言いたいとこだけど、実際問題エレ婆ちゃんも「お前らの能力を見ると心臓が痛いからもう見せるな」って言うようになっちゃった。デボラお婆ちゃんも「何十年後ならこの情報が世間に公開できるのか予想さえできんよ」と白目を剥く。
ヘルゲ先生は「水晶の修練ルームと、宝玉と、宝珠の影響の掛け算だ。お前ら面白すぎる。魔法制御がある程度できてきてるんだから、これからは俺とフィーネへやりたいことが出来たら教えろよ。可能性の模索ならナハト改とミッターク改、それと俺のコングロマリッドで全力演算補助してやる。それにフィーネの発狂…じゃなくて発想力を加えてやるからな、任せろ」と舌なめずりし始めた。
確かにウゲツが四年前に言い出した「(『同窓会』ではない方の)計画」は、ヘルゲ先生とフィーネ先生によって次々とその問題点や改善点を挙げられ、クレアとレビが練り上げていた内容は更に洗練されていった。クレアたちがそれらの問題点に気付けなかったわけではない。その問題点というのがひとえに「未成年だけでは法的に解決できない問題」だったと言うだけだ。
そしてその「計画」の全貌を聞いた時、数人の大人たちはアロイス先生とウゲツを見てから口を揃えてこう言った。
「アロイスがグラオを立ち上げた時みたいだな…お前らやっぱ親子だ」
……そんな青ざめた顔で恐ろしい親子を見るような顔をしなくてもいいじゃん?ウゲツはすっごい努力家(隠してるけど僕らにはバレバレ)のいい奴だよ?あんましそういう顔で見つめすぎると、キレて報復上等属性の親子が覚醒するからオススメしないんだけどなー。
「あれ、みんな何でそんな顔してるの?氷の芸術品になりたい?」
「あれ、みんな何でそんな顔してるの?黒歴史をじっくり思い出したい?」
ぶわっと氷点下のマナを錬成したアロイス先生と、ボッ!と特濃の精霊集団を錬成したウゲツを感じ取って、全員が目を逸らした。ほら見ろ…
ちなみにその「数人の大人たち」にニコル先生は入っていなかったのに「黒歴史」と聞いただけで「あうあう、ココロが激痛…ッ」と胸を押さえていた。勝手にウゲツの狂幻覚にかかっちゃってるのかな。…いや、あれは単に自爆体質だからだな。
*****
僕らは学舎へ初めて「留学」した年から、毎年一か月ずつ白縹の学舎へ通っている。マザーの品質検査の時期だけは避けてるけどね。だから相変わらずハンナ先生に面倒をかけつつ、スザク以外の全員が学舎でお馴染みになっている。
スザクは最近になって、ほんとにようやく「ダイヤの制御」を習得した。それは生半可な努力ではなく、たぶんレア・ユニーク発現に匹敵するほどの苦労だったはずだ。暇さえあれば水晶の修練ルームへ籠り、接続役の深淵の意志「リンク」と話そうとする。
そこから何とかダイヤ制御のヒントを掴めるまでになり、今度の「留学」時にようやくスザクは白縹の学舎デビューになるんだ。ライシャが「高等学舎くらいなら行けるんじゃなぁい?」と言っていた時期より相当早い。彼がどれだけ留学を熱望していたかがわかるってもんだよ。
ちなみに僕はイザークやルッツと会いたいがために父ちゃんたちを説き伏せ、二か月に一回は週末に村へ「戻って」いた。イザークたちへの言い訳は「会いたいから課題をめちゃくちゃがんばって、いい成績取れたって先生に認めてもらった時だけ一人で村へ来ていいってことになった」というものだ。戻るたびに僕はイザークの家へ泊めてもらってるんだよ。
「中央の学舎ってそんなこと許可してくれんのかよ、すげえな」と驚かれたけど、彼らは白縹が他の部族よりも「完全管理」されているのを十分理解している。だから他の部族のいる学舎はそんなもんなのかもなって感じの納得の仕方だった。…いつか彼らに本当のことを言える日が来ると、いいな。
ともあれ、ウゲツの「計画」は成就まであと一歩だと思うんだ。スザクとアオイが「リンク」と意志疎通し、極大魔法を行使できるようになれば。その後は僕にも大仕事があるからね、日々の修練は絶対欠かせないよ。
僕ら十一人が自分たちの力を存分にふるって作り上げたいもののためにね。




