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Precious Orb - 宝珠の庭 -  作者: 赤月はる
自分を知りたい子供たち
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取扱い注意な僕ら sideルカ

  





ライノとレイノはあれからすごい集中力で魔法制御の練習をしている。それに僕がルームの中で深く眠ってしまうという珍事を起こしてからというもの、ライノは「誰をルームへ入れて、誰を入れないか」や「誰と誰をルームから出して各自の世界へ戻すか」を選択できる方法を必死に模索していた。


レイノも「どういう知識をどのレベルで共有するか」とか「知識の受け渡しをする人間を選ぶ」ことができるようにと頑張っている。


結果、そのほとんどを「すっごく集中すればできる」というところまで持ってきていた。彼らが仲間である僕らを大切にしたいと思う気持ちの強さには、みんなかなり感動してる。大げさな言い方かもしれないけど、僕らがルームで培った絆はそれほど強い。




ニーナとノーラは図書館にかじりつくようになっている。主にノーラが研究熱心で、ニーナはノーラが理解した毒物に関する知識が増えれば、それをカウンターで消す勉強を始めるっていうのが効率いいらしい。


かといってニーナが楽しているわけではなく、ただでさえ血清の知識は血液に関する知識やそれを生成する内臓の知識、抗体に関する知識など、医学的な別分野のベースが必要になる。だから普段はそっちを勉強しているね。


もちろんクレアも専門書を読んで理解し、その知識をレイノを通して共有させている。これがどういう役に立つかというと、「ルームで完全に理解してもダイブアウトすれば潜在的知識として沈殿してしまう。だけど、自分が勉強した時に『こういうことだったのか』と理解したり、『あれを調べれば答えが得られそうだ』という勘を働かせることに繋がる」ってこと。


これでかなり勉強がはかどる。僕らはみんなで力を合わせて、こんな風にお互いを助けてるよ。




*****




で、スザクなんだけどね。

えーっと、なんていうか、あの子の攻撃魔法の威力が結構コワい。


アオイもなんだけど、錬成量がほんとに普通じゃないんだよ。まあ、あの両親を持ってるんだから当然かもしれないけどさ。アオイはニコニコ笑いながらぶわっと錬成し、収束させずにみぞれみたいなべちょべちょの氷をじゃばーっと出したりするくらいだけど、スザクは違う。


僕らの数倍のマナを錬成したかと思うと、「ぎゅごっ」という有り得ない音をさせて収束してしまう。七歳という年齢を考えたら、あのでっかいマナを直径五センチまで収束させるっていうのは、怪物扱いしてもいいくらいだ。


ヘルゲ先生がそれを初めて見た時「お、やるじゃないか」と言ってから「危ないから今はやめろ」と言ってマナを消し去ってしまった。後日ヴァイスの訓練施設を借りてスザクに火魔法を撃たせたら、ホーミングバレット型中規模魔法「火球」を出したそうだ。


というか、その火球は綺麗な円形に着弾してから三メートルほどの火柱を上げたんだって。まあ、普通の火球じゃないってことだよね…


えーと、いまいちピンとこないかもしれないけど、中規模魔法が撃てるようになるのって大体中等学舎以上の年齢だからさあ。


スザクは訓練施設で「守護が結界になってるからいくらでも好きな攻撃魔法を撃て」と言われて、キャッキャ言いながら四属性全部の中規模魔法を撃ちまくったんだって。その日はピッカピカの笑顔で戻ったスザクと対象的に、ヘルゲ先生は「俺の時はどうだった?チューブの中だったから比較しようがない…」とよくわからないことをブツブツ呟きながら、頭を抱えて帰ってきた。




*****




魔法制御力が高いのは、今の所一番が僕、二番目がレティ。そして三番目はウゲツだったりする。


僕とレティは一番年上なんだから当たり前だと思うけど、ウゲツがすごいんだよなあ。やっぱりマリー先生の息子だからかな?でも先生に言わせると「五歳の時のルカといい勝負よ」ってことらしい。


確かに僕は五歳の時点で生活魔法の制御が抜群だと褒められたけど、それで偉ぶれるほどおめでたくもない。自分のことだからよくわからないってのもあるけどね。


でも僕から見るとウゲツはほんとにすごいんだ。マリー先生方式の魔法制御訓練でよくやるのは「水球の形を変えて維持する」っていう方法。


 生活魔法で手を洗ったりするのに一番使う魔法「水球」は、球体フィールドの中でじゃぶじゃぶと水流を起こせば洗濯もできる。で、その球体フィールドの形をどれだけ繊細に変化させて維持するかっていう訓練だね。


 マリー先生は水で小さなレティ人形を作り、自在に踊らせたりできちゃう。あれはねー、一回見た方がいいよっていうくらいすごい。僕ができるのはせいぜい丸っこい「ウェイター隊」の人形を作って歩かせるくらいだね。


 ウゲツは作った人形を歩かせるまではできないけど、毎回作る人形を変えてるよ。昨日は猫の形だったし、その前は鳥。荒削りな形だけどそこまでできるのはすごい!ってみんな褒めてる。


ウゲツはちょっとだけ素直じゃないところがあって「…そんなすごくないよ…」なんてソッポ向いて言うことが多い。でも彼が照れ屋なのもみんなわかってるからからかったりしないよ。





*****





最後はレビかな?

レビはねー、賢い。クレアが知識特化型の賢さだとすれば、レビは事象から物事を推測したり理解したりする賢さだね。


お母さんのフィーネ先生と同じく方陣に興味も持ってるし、お父さんのアルと同じくマギ言語自体にも興味を持ってる。さすがにマギ言語をガンガン教えるわけにいかないって最初は思われてたらしいんだけど、レビってばアル以上に「マナから直接教わっちゃう」んだ。


つまり、ヘタすればオリジナル魔法をマナに聞いて作ってしまいそうなほど、マナと話せるんだね…


なので、アルやデボラおばあちゃんは方向転換をした。知らずに危険な魔法を編み出してしまうよりは、ちゃんとマギ言語を読めて、ヤバいことを自力で回避できるようにしなければっていう方向にね。


レビは賢いので、アルに「もし何か作れそうって思ったら、まずは俺に言うんだよ。俺がいいよって言わない限り、そのマギ言語にマナを流しちゃいけないよ」と言われたことをきちんと守ってる。


だから今の所何も危ないことは起きていない。でも昔は「キラキラー!」とマナを目で追って喜んでただけだったけど、今は「へー、そんなことできちゃうの!みんなすっごいねー」とマナの波へ向かっておしゃべりしては口をモグモグさせて「今日はすっぱい」とかマナを味わってたりする忙しい子になった。


猫の庭以外でソレやったらダメだよ?と言ってあるけど、ちょっと気を抜くと金糸雀の里とか緑青の街でそれをやっちゃって変人扱いされる。その度にレビは「あははー、冗談だよー」と笑ってごまかすことを覚えた。


それを見ると僕らは帰ってから「ハラハラさせんなよ…」とレビを小突き、彼は「やっちった!ごっめーん」と照れる。


レビを変人扱いする時に、知らない人は「あなた、頭大丈夫?」とか「何言ってんのコイツ…」みたいにイヤな態度をする人もいて、僕らはその度にギン!と相手を睨んでしまう。


でもレビは「俺が気を抜いたのが悪いんだよ。兄ちゃんたちもそんな怒らないで?俺はみんながわかってくれてるから、それだけでいいんだ」なんて言う。


…かわいいっしょ?かなりかわいい弟っしょ?


そんなわけで僕もみんなも「く…レビ、お前偉いぞ!」と言いながらぐりぐりと頭を撫でてしまうんだよね。僕らの中で一番かわいいのは誰だと言われたら全員一致でレビになる。ほんと、素直な末っ子っていいね…




あー、ごめんね。ついレビの話になるとほっこりしちゃうもんだからさ。

ちなみに一番レビにメロメロしてるのはレティだよ。ウゲツとレビとアオイのことは、誰よりも何よりも可愛いと思ってる。レティの母性本能を全開にさせるのが、この三人。


既にレティはかなりの硬度の岩を生成できるようになっていて、まだ荒いけど刀剣の形状になっている。そしてその剣を自在にマナで操ってブン回せるので、その破壊力を存分に味わいたいなら三人にちょっかいかければ一発ですよ。


というわけで、僕らの取り扱いには充分お気を付けください☆






  

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