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Precious Orb - 宝珠の庭 -  作者: 赤月はる
ルカ 光をもたらす
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ぼくとレティはたいへん






レティは金色。

かみも金色。

ひとみも金色。


アロイス先生のかみと、マリー先生のひとみがあわさると、レティになる。そんなレティはぼくよりひとつ年下。



「レティ、今日なにしてあそぶ?」


「うーん…ルカは何したい?」


「…スザクたちのあそびたいことにつきあおっか」


「そうねえ」



ぼくもレティも「おにいさん、おねえさん」だから、年下の子たちのめんどうを見ることばっかり。本当はぼくもレティも草原にあるアスレチックが大好きなんだけど、ちっちゃい子にはあぶないんだ。なんでもマネして追っかけてくるから、大人がいない時にはがまんしないとね。


でも、たいていはスザクたちがとんでもないことするから、ぼくらはかなり毎日どきどきする。今日はなにもこわいことがおきませんように!



スザク「おれ、今日こそとぶ!」


ライノ「おれもだ!」


レイノ「おれだって!」



あああああ、やっぱりだめだった。


昨日あんなにおこられたのに、今日もとぶ気マンマンなんだあ…



ルカ「スザク、ライノ、レイノ。まだとべないよ、昨日もおこられたでしょ」


スザク「いや、おれはとべる。ヘルゲにできて、おれにできないワケない」


ライノ「スザク、おれはいいものをみつけたぜ。うちのクローゼットの中にあったんだ」


レイノ「ばっか、ライノお前、もってきたのかよ!やるじゃん。よくユッテに見つからなかったな!」



スザクたちは、自分で「しゅご」を出してとぶつもりなんだ。まだぜんぜんマナのあつかいがうまくないのに。


スザクは自分に「しゅご」がいるからイケる!って言ってる。

(ヘルゲ先生は「みじゅくだから何も出ない」って言ってた)


ライノは家からこっそりグローブをもちだして来た。

(ヘルゲ先生は「みじゅくだからどこにもつながらない」って言ってた)


レイノもひとつグローブを渡してもらい、にやっとわらう。

(みじゅくだか(ry )



ルカ「ねえ、もっかい言うよ?むりだからやめて。あぶないから」


スザク「ルカ、ゆるせ。男はやらなきゃならないときがあるんだ!」


ルカ「何そのあっついの。いいからヤメテ。とぶんじゃなくて公園いこ。すべり台であそぼ」


レイノ「ルカ!おれたちはもう、じめんとはオサラバなんだぜ!」


ライノ「そうだぜ、2じげんじゃまんぞくできねえ!3じげんにうごくんだぜ!」


ルカ「あああ、もお!ライノもそんなのだれにおそわったんだよ!いいから昨日のナディヤママのわらい方を思い出しなよ!今日こそバチがあたるよ?」


スザク「うぐ…!そんなことじゃおれたちを止められない!ナディヤがビックリして『すごいわね』ってはくしゅしちゃうようなひこうテクニックを見せてやるよおお!」



ダーッと草原へ三人が走っていき、ぼくとレティは大きなため息をついておいかける。でもレティは「しょうがないわね~」って言いながら目がキラキラしてた。


もおおお、知らないからね!

ナディヤママよりこわいレティがスイッチ入っちゃったからね!?


スザクとライノとレイノはアスレチックの、まだのぼっちゃダメって言われてる丸太で出来た三角の山をがじがじのぼっていく。でものぼりなれてないから、足がツルッとすべったり、上のほうの丸太に手がとどかなくてモタモタしてる。


ぼくはいちばん先頭のスザクをよっこいしょとだっこしておろした。

レティはにばんめのレイノをうんしょとおろす。

もう一回よっこいしょとライノをおろす。

じたばたのぼろうとするスザクをもっかいおろす。


あああ、めんどくさいなあああ…



ルカ「プラムー!ピーチぃ!チェリー!けっかい出してえ!」


ふぉん!とマナがうずまいて、けっかいのはこが三つできた。レティと目くばせして、うなずきあう。



ルカ「よいっしょお!」ドサ! ×3


レティ「はい、あ~ん」ガボ!ベタ! ×3



トラ猫のうごくぬいぐるみ、ナニー猫のプラムたちは、けっかいのフタをすると「もうわかってますよ」ってかんじで三人をナディヤママのところへはこんでいく。ちなみにぼくはけっかいへ三人をほうりこみ、レティは「おしおきレーション」を口におしこんでガムテープで口をふさいだんだけどね。


この「おしおきレーション」はアロイス先生がキッチンによういしてくれている、ぼくとレティのさいしゅうへいきだ。


どうしてもスザクとライノとレイノが言うことをきいてくれない時だけつかってもいいって言われてる。


もともとすっごくマズいレーションで、あぶらねんどみたいなニオイがするヤバいやつなんだけど、さらにアロイス先生がレモンをたっぷりしみこませていて「スッパあぶらねんど」というとんでもないフレーバーになってるんだ。


てぎわのいいレティはこのダダっ子たちにあっというまにおしおきレーションを食べさせて、すっごくイイえがおになる。アロイス先生そっくりだなあ、そのかお。


スザクたちはけっかいの中で「ふごぉぉ!」って言いながらほっぺたをボム!とふくらませ、なみだとハナ水でプルプルしながらガムテープをはがそうとしていた。ちっちゃく「ペリ!」とはがれるたびに「ふげえ!」と言い、スッパあぶらねんどのマズさにのたうって、またすこしだけ「ペリ!」とはがす。


うん、そのガムテープ…アルマ先生おすすめのきょうりょくなヤツだってレティ言ってたもんね。

イタいだろうね。




ナディヤママのところへつくと、三人をみて「あら…まあ…」と目を丸くしていた。ヨアキムもいて、「おや、これはなかなかキツいお仕置きですねえ」とたのしそうにわらう。



レティ「ナディヤママ、昨日と同じようにとぼうとしてたから『ほばく』しましたあ。おしおきレーションで『ついかダメージ』入れてるの~」


ルカ「ママ、ライノがグローブもちだしてる。レイノももってるよ」


ナディ「ふうん、そうなの…じゃあこれはバチがあたったのね?」


レティ「そゆこと」


ヨア「ふむ、そろそろお仕置きも終わりでいいですかね?三人とも、反省しました?」


プチ三バカ「…むふぅ…」プィ


ヨア「あらら…じゃあ、私の仲間になれるように『忍耐』を教えてあげましょうね。はい、いきますよ~」


ベリベリベリィィ!!


プチ三バカ「ほんぎゃあああ!」



三人は口のまわりにまっ赤な四角をつくって、なきながらペッペとレーションをはき出していた。そしてナディヤママにまたしかられ、かえってきたユッテ先生にさらにしかられ、スザクはヘルゲ先生に「おまえ、バカなのか?」としんけんにしんぱいされていた。







  

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