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連日の雷による通信障害及び執筆中小説のデータが吹っ飛ぶことが怖くて、中々更新出来ずはや一ヶ月でしょうか……。

遅くなり、待たせてしまったのならすみません。

寒波が厳しく、雷もかなりの頻度でくるのでしばらく遅くなります。

 『ふぁんたん!』に後継者登録が完了したその日。

 プレイヤー設定をしてすぐにプレイできるらしいけど、私はもう精神的に疲れきっていてそんなことが出来る状態じゃなかった。だから即効で右上にある『ログアウト』をタッチ。

 そのままスマホの電源も切って、お風呂に入って、髪も乾かさずにベッドに潜り込んで寝た。





「人はそれを“ふて寝”って言うのよ。知ってる?」

「いや知ってるけど……ハッ!私そこまで残念じゃないよ!?」


 翌日、学校で昼休みにお弁当を持ってミユキのところに突撃して話をしたら、そんなことを言われた。失礼な!



「にしてもミョーねえ」

「やっぱそう思う?」


 私が体験した『後継者』引き継ぎにおいての全てを聞いたミユキは、昨日の私みたいに苦い顔をした。やっぱりこれ、おかしいんだ。それがわかって少しだけ安心する。


 もし昨日みたいに――突然アプリがインストールされてたりすることが、『ふぁんたん!』だけじゃなくて他のスマホアプリゲームにも共通するなら、たまったものじゃない。人に聞いてそうなのだと言われたら、私は『ふぁんたん!』クリア後はもう二度とゲームアプリを入れないと決めたのだ。それくらい、パソコンゲームとは勝手が違っていた。


 ミユキは空になった弁当箱をしまいながら、呟くように言った。


「手順がなってないというか、サービスを提供する側としてその対応はどうかっていうか……。今更だけど、なんか押し付けてごめんね?」

「ホント今更……いや、いいよ。奴隷商人っていうのはあれだけど、ゲームの設定自体はちょっと面白そうだし。あとまだやってないから、なんとも言えないし」

「登録だけ終わったんだっけ。

 そうだ、なおはどんな外見してるの?」

「えっ?」

「え?」


 見つめ合って、沈黙数十秒。


「えーっと、ゲームの話よ?」

「あっ、うん、そうですよね!」


 一瞬でも、今日の私の格好のことを言われてるかと思ってしまった。今日のっていっても、うちの学校は『女子セーラー服(スカーフの色は赤)、男子学ラン』っていう古めかしい制服だから変える要素ないし、髪は今日も毎日のようにくせっ毛をポニテにしてるしで、今までとどこも変わっていない。だから顔のことを言われたかと思った。特にぱっとしない残念な顔で悪かったな!とまで思っちゃったよ。違っててよかった。


 でも、『ゲーム』で、『どんな外見』?


「あっ、キャラクリのことか!」

「きゃらくりぃ?」

「キャラクタークリエイトの略で、キャラクリって言うんだけど。RPGとかで自分の外見を好きなようにできること、かな?自分の分身を作るっていうか……」

「あー、はいはい。単語の意味でなんとなく察したわ。ほんっと、説明下手ねえ」

「うっ、うるさいなあ!」


 それでも伝わってるならいいじゃないか!


 にしても、キャラクリあるんだ……ちょっと意外。自分=物語の主人公って感じの、顔グラとか全然出ない、こう、オフラインっていうのかな?マルチができないタイプのRPGかと思っていたから。って、『ふぁんたん!』はMMOだった。マルチじゃん!


 え、じゃあ、キャラクリがあるってことは、自分の作ったキャラが他人に見られるってこと?


「『ふぁんたん!』のキャラクリってどんな感じなの?」

「どんな感じって……うーん?いくつか質問されて、それに答えたらベースがでてきて、あとはそれをちょいちょいいじれたかな」

「へえー……」

「せっかくだし、今やれば?『ふぁんたん!』」

「……ミユキさん、私を先生の生贄にする気ですか?」

「ジョーダンよ」

「に聞こえないからね、ミユキが言うと」


 そこで予鈴が鳴って、昼休みが終わった。次の授業が始まるまであと5分。

 ミユキは次移動らしく、一緒に教室を出て別れた。



 キャラクリ、かあ。


 パソコンゲームのMMOだと、結構3Dグラフィックが綺麗ですごくレベルが高い外見のキャラが作れるんだけど、スマホアプリゲームだとどうなんだろう。情報量的に、あのレベルは無理だろうし……デフォルメ系?

 どんなものにしろ、キャラクリは楽しみだ。今からもう、考えるだけでワクワクする。どんな感じにしようかなあ。


 さて、今日はどうしようか。いつもどおりMMOを2時間やってから『ふぁんたん!』をやろうかな。……いや、でも。これからMMOのプレイ時間を1時間にして、残りの1時間を『ふぁんたん!』プレイに当てたほうがいいか。ん、そうしよう。




 ちなみに、先生の生贄になることはなく、いたって平穏に授業時間を過ごした。放課後、ニヤニヤ顔で(『ふぁんたん!』を)やったの?と聞いてくるミユキにそう答えたら、ジト目を返された。

 うっ、ね、眠ってなんかいない!……あ、いやちょっと、目は閉じたかもしれません、はい。


 そのあとのミユキの視線が、大分私の心のHPを削ってきた気がするけど……多分それは気のせいだ。気のせいのはず。





 そして学校から帰って、課題とか色々済ませたあと。

 いつもよりも1時間早くMMOを終わらせて、私はそのままスマホを起動した。ロックを解除して、と。


 目の前のパソコンはつけっぱなしのまま、画面はデスクトップ。そこからインターネットブラウザを開いて、お世話になってる検索エンジンに文字を打ち込む。

 えーっと、『ふぁんたん! 後継者コマンド』っと。

 エンターを押した私は、検索結果を見ずに今度はスマホをいじる。そっちでもまた、別の検索エンジンで同じ言葉を入れてサイトを探した。


 『ふぁんたん!』をプレイするのはいい。そこで奴隷商人をロールプレイするのだって、いい。

 でも情報が足りない。私が安心してプレイするだけのものが、今は手元にない。だから、それを探す。


 ゲームをプレイするときは、最初についている簡単な取扱説明書から攻略本、果てはネットの攻略サイトや掲示板まで見るのが私だ。



「うわ、公式サイトに初心者ガイドないんだ……」


 スマホの方で、一番上に出てきた公式サイトの方に飛んでみた。だけど、そこに初心者ガイドはなかった。

 公式サイトは、前にミユキから送られてきたURLに飛んだものと同じTOP画面くらいしかなかった。どうやら、それ以外には特にページがないらしい。あったのはせいぜい、メンテナンス案内とかその内容報告の事務的なものだけだった。アップデート内容とか、今はまだよくわかんないから保留、っと。後で確認する事項だろうから覚えとこ。



 次に、パソコンの方で有志による攻略サイトを開く。『後継者コマンド』で検索かけてたけど、その前にちゃんと職業のこと知った方がいいかな?えーっと、『奴隷商人』でサイト内検索かけて……おっ、出た出た。


「なになに?……え、ええー……うっそぉ……」


 思わずそんな言葉が出てきた。といよりも、これ以外の言葉が出てこなかった。


 そこにあった『奴隷商人』に関する情報は、『ランダム選択のみでしか出ないらしいレア職』っていうことと、『イメージ通りの仕事に、ちょっと経営要素がある』ってことしかなかった。あとは、奴隷が可愛い女の子以外に普通に男もいてショックとか、そういうすごくどうでもいいやつばっかり。


 うん、待て。ちょっと待て!


 レア職云々については、こっちは『後継者』として受け継いだだけだから何も言うまい。ていうか、ミユキのことだから、これはてきとうでできた結果だろう。絶対に。

 どれを選ぼうか悩んだけど結局めんどくさくなったミユキは、ランダム選択的なボタンがあったのか、それをタッチして出てきた一番最初の職にしよう、って考えたんだろう。それで出てきたのが『奴隷商人』だったに違いない。彼女は他のゲームでもよくそうしてた。


 ……だから、役職は魔術師なのに何故か関係ないATKにパラメーターが振られてたりね……うん。思い出すと、今でもあの無理ゲー感に幾度となく涙したあの頃の気持ちが蘇る。って、今そんなこと考えてる場合じゃなかった!



 問題はもう一個の方だ。『奴隷商人』の“仕事”が、イメージ通りだって?


 ……脳内で、スマホ画面越しにキャラクターなお姉さんとかをスパンキングするイメージが……ハッ!?


「ないないない!!いや絶対にない!!まさかそんな、いやだってこれ全年齢対象のはずだし!!」


 そう言ってスマホ画面に映る公式サイトを見たけど、R15でした。……オーマイグッドネス。



「い、いや。もう『奴隷商人』について考えるのはよそう、うん。『後継者』コマンドのことも知らなきゃだし。ていうかそっちが本題だし!」


 無理やり気分を変えて、パソコンに向き合う。今度は『後継者』でサイト内検索をかけた。

 今度こそ、まともな情報を……!!

 そう思いながらエンターを押す。


 すると、出てきたのは『何故常時グレーなのか』とか、『このコマンド意味あるの?』っていう感じの、個人的な感想ばかり。


 えー、あのー……コマンドの機能説明とか、そういうのはないんですかねー……?


 『後継者』コマンドについての情報は、ない、と言ってもおかしくないくらいスカスカだ。使ったらどうなるのか、とか、『後継者』になった人はどうなのか、とか。そういうのは何一つない。


 使えない!攻略サイトなのに使えない!!

 嘘っ、じゃあ本当に、私、情報なしのまっさらな状態から始めなきゃいけないの?!


「うわっ、手探りでやってくの怖いんだけどなあ……しょうがない、のか」


 自然とため息をついた。というか、『ふぁんたん!』を知ってからため息しかついていないような気がする。このゲーム、私の幸せをそんなに吸い取ってどうしたいっていうんだ。

 でも、決めたのなら最後まで。毒を食わらばなんとやら。……あ、食らわば、だった。


 いやいや!うん、とにかくやってみないと!


 自分にそう言い聞かせて、パソコンをスリープモードにした。シャットダウンはしない。

 理由は簡単。使うかもしれないからだ。

 今から『ふぁんたん!』を始めるけど、そこで何があるかはわからない。もしかしたら、攻略サイトの情報に頼れる時がくるかもしれないし。

 攻略サイトの情報に頼れなかった時?その時は、ずっとお世話になっている愛用の検索エンジンさんの検索能力にがっつり頼るつもりです。





「で、『ふぁんたん!』を起動したはいいけど……電波悪いのかな?」


 ホーム画面でアイコンをタッチしてから軽く5分は経ったのに、まだログイン画面が来ない。中々ローディングされないっていうか。すごく重い。なんだこれ?

 私の低スペックノートパソコンでMMOやってるときよりも重い気がするんだけど……こういうのって、スマホゲーにおいて普通なのかな?スケジュール管理アプリとかは全然そんなことないのに……うーん?


 首をひねるけど、とりあえず待ってみる。待ってみた。



 待ち続けて20分になるかという頃、ようやくログイン画面が現れた。遅いよ!!

 適度に画面をタッチしつつ、スリープにならないように待ってたけど、本っ当に待たされた。これはひどい。  


 微妙な顔をしながらも、IDをパスワードを入力してログインする。あ、こっちはさくっとローディングされるんだ……。更に微妙な顔をしてしまったのはしょうがないよね。



 さて。ローディングされた画面には、ファンタジーでよくありそうな、中世っぽい西洋風の砦が出ていた。城塞……城砦?うーん、どっちだろう。とにかく、その高い壁の向こうに国というか、街があるっぽい雰囲気がする場所だ。

 そして、目の前にタッチしたら開きそうな扉があるんですけど。えーっと、これをタッチしたらいいのかな?

 いやでも、何か他のギミックがあるかもしれないか。そう思って、一応、タッチする前に他の場所を触れてみたけど、反応はなかった。素直に押すしかない、と。


「キャラクリまだかなー」


 そう言いながら軽くタップ。

 すると、扉が開くモーションをしながらゆっくり動いていって――



 画 面 が 固 ま っ た 。




「……なんだよこのアプリ」


 感情に任せてスマホをベッドに投げつけた。ぼすっ、と音がしたから無事だろう。




「~~~っ、ああっ、もうっ!」


 早くプレイさせてよ『ふぁんたん!』さん!!






ローディングが遅いのは『ふぁんたん!』の仕様です。だって異世界(ry


しょうがないんですよ……自分がやる立場なら、速攻でアンインストールしますけどね、いちいち止まるのが面倒でやる気が削がれますし。



今回中にキャラクリ入る予定でしたが、見事に長くなって入りませんでした。


次回こそキャラクリです。

次回からは、現実パート薄めになると思われます……多分、いえ、頑張ります、はい。

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