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へー、じゃあ、しばらくは金に困らなくなるってことか……
「……それで、その仕事は?」
奈々が、怒りを抑えながらリータに聞く。うーん、フォローしてやろうかなぁ……
「ああ、えーっと…あ」
ん?
「え?」
俺は、そう発する。
なんだ?仕事じゃなかったのか?
「ん〜……あー、いっか…じゃあ仕事は」
そうリータが言いかけると、佐奈が大声で、
「ヤバイーーー‼」
と言う。
………うるせぇ……。
「五月蝿い。なんだ?仕事が入ったんだが?」
ったく、なんだってんだよまったくよぉ……
「そっ、それが……これ‼」
そう言って、佐奈が見せた雑誌に、奈々が載っていて、さらにはそこに、『人気作家、ついに破綻か!?』と書いてある。……奈々って、作家だったのか……へぇ……で、これがなんだってんだ。どうでもいい。
「これのどこがヤバイんだよ?」
破綻はヤバイが、特にそうヤバイというのはないが……
「お金が入らなくなる可能性がある‼」
‼
「な、なんだと!?」
や、ヤベェ……金が無くなるのは……ヤベェ‼
「なんだと!?ヤバイぞ!?金が無くなるのはヤバすぎる‼」
柳がそう言うと、奈々はハア……とため息を吐いて、言葉を発した。
「違うわよ……デタラメよ。デ、タ、ラ、メ!破綻とか……私がそんな馬鹿なヘマ、起こすわけないでしょ?」
馬鹿なヘマ……柳なら、起こしそうだな……
「じゃあ、どういうことだ!?」
柳は、驚きながらもそう聞く。
「そこの、取材を受けた時、恋人とかそんな話をしてたら、誤解したんじゃない?ったく、めんどくさいわホント」
誤解……ん?
「恋人?……あ、やなっぐほぉ!」
腹を、蹴られた。
「あらぁ?龍牙は何を言おうとしてたのかしら?ん?ん?」
ヤッベ、言っちゃいけねぇのか……めっちゃイテェ……。
「ゴホッ、ゴホッ…別に……なんでもありませんよ?ゴホッ…」
蹴られた時、ドコッって効果音が聞こえたぞ⁉︎
『だ、大丈夫か?龍牙……』
だ、大丈夫か?じゃねぇよ!イテェよ!めっちゃイテェよ‼なんだ!?あいつ!化け物か!?化け物なのか!?くそっ!めっちゃイテェ!
『……ご、ご愁傷様……』
裏切り者がぁ‼‼
「あー、大丈夫か?龍牙」
柳が声をかける。てめぇの恋人のせいで、俺がこんな目にあってるのに……
「ハッ、これが、大丈夫に見えるなら、お前の目は節穴だな。つーか、目ん玉ないな!あるわけないのかこの野郎‼」
くそー!人の気も知らんで!
「えぇ!?わ、悪い!俺が悪かった!なんか、悪かった!すんません‼」
テメーに謝られても許せるかよっ!
「……まぁ、まぁ…そんな、蹴られたぐらいの怪我、 ちょっとしたら、治るぞ?」
……あ、治ってる。
「おお!治ってんじゃん!」
俺はそう言いながら、蹴られた腹を見ていた。
「……てか、仕事の話をしていいか?」
あ、忘れてた。佐奈が変なこと言い出すからだな…
「ああ、仕事の話をしてたんだったな、で、なんだ?仕事って」
第2回目の人殺しかぁ……ワクワクするな……え?なんで、ワクワクするんだ?……まぁ、第2回目だからか……?
俺はそう思っていた。だが、もう1人の龍牙……龍は、そうとは思っていなかった。
「……で、その仕事なんだがな……」
ん?変な顔だな?
「……その……人探し…なんだ……」
……
え?
……はい?
「はいぃぃ!?」
なんじゃそりゃ!?




