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堕ちた天使は俺[私]の×××/負の女神と娘

此処は天界の神がいる神殿から少し離れた場所に真っ白い8枚の翼を持つ少女の天使が一人で飛んでいた。


少女の名前は【エル】と言う名前だった。


少女は神に最近、創られて生まれて間もないのだが、天使は神に創られて直ぐにこの世界に付いてや自分の能力の知識を神から与えるので、天界の掟や力の使い方を直ぐに理解が出来るのだ。


そして、エルは他の天使達とは少し違っていたのだ。


他の天使達は、翼は2枚から4枚なのだが、エルだけは8枚の翼を持って生まれて来たのだ。


何故、エルだけ8枚の翼を持つのかは、創った神にも分からなかった。


偶然なのか、それとも神が無意識に創り出したのか、今となっては分からなかった。


エルは、神に創られてからずっと誰かに呼ばれている気がしていた。

しかし、自分意外にはその声は聞こえて無いみたいだった。


エルは時間が経つにつれて、自分を呼ぶ声がはっきりと分かって来たので、声がする方へと飛んでいた。


エルが自分を呼ぶ方へと飛びはじめて、2時間ぐらい経っただろうか?


エルは目の前に、随分とボロボロな神殿を見つけた。


神殿の中から、確かにエルを呼ぶ声がするので、エルは神殿の中へと入って行くと、真っ暗で何も見えないので、右手を上に翳すと光の玉を作り出して、その光の玉を握り潰すとそこら一帯の闇が光で照らされていった。


神殿が光で照らされてからエルが、神殿を見回すと随分と古い神殿だと思えた。


神殿の奥へと進んで行くと、大きな金色の扉が現れた。


エルは感じた、確かにこの扉の向こう側に自分を呼ぶ声の人物がいると、エルは扉を押してみたが全く開く気配がない。


エルはどうやって、この扉を開こうか悩んでいたら、頭の中に言葉が入って来た。


『右手を扉に当て力を放ちなさい!』


エルは声の言う通りに、扉に右手を当て力を放ってみたら、扉が音を立てて開き始めた。


エルは開いた扉の奥に恐る恐る進んで行くと、綺麗なクリスタルの結晶が置かれていた。


クリスタルの中には綺麗な黒髪の女性が入っていた。

エルは、クリスタルを触って見ると中の女性から声がエルの頭の中に直接、入って来た。


「私と同じ【負の因子】を持つ者よ。よくぞ参った!さぁ、早く私と契約をするのだ!」


エルは黒髪の女性の言葉に、混乱した。


(えっ?【負の因子】?契約?何の事なの?)


エルはそう思っていると、クリスタルの女性がまた、エルに話し掛けて来た。


「貴女は私と契約する為に創られたのよ!だから、恐れる事はないわ!クリスタルを触りなさい!」


エルは声の言う通りに手でクリスタルを触ってみると、エルの中で何か黒い靄の様なものが溢れ出す感じがすると、エルの真っ白い翼が漆黒の翼に変わっていった。


次の瞬間、クリスタルは粉々に砕け散った。


砕け散ったクリスタルの中から黒髪の女性が出て来ると、閉じていた目がゆっくりと開いてエルを見つめると、急に笑い出して話し掛けてきた。


「ありがとう!私の分身よ!貴女が此処に来るまでどんなに待ち望んだだでしょう!」


「?????」


「現状が、理解出来てないのね!なら教えてあげる!」


「………………」


「私の名前は【アステル】と言うのよ!皆は【負の女神】と呼んでいるけどね!そして、私は長い間、父上からこのクリスタルに封印されていたの!」

「………父上?」


「貴女達を創り出した方よ!」


「………それは【神】では?」


「その通りよ!」


「でも何故、封印されていたの?」


「それは、私がこの世界を消そうとしたからよ!」


「!?」


「私はこの世界に生きる者全てが醜いと思うのよ!」


「ど、どうして?」


「貴女は創られて間もないから、分からないと思うけど地上界や魔界に住む生き物は同じ同族で殺し合いを平気でするし、自分より弱い者には、平気下等な扱いをする!………見ているだけでも、醜いわ!」


「…………………」


「あら、貴女にはまだ、分からないわよね!………それにしても、父上はまだ考えは変わっていないようわね!」


「………【神】の考え?」


「そうよ!醜い生き物達を『愛しついる!』とか、考えただけで、吐き気がする!」


「……………………」


「まぁ〜、見た事もない貴女にそんな事を言っても、分からないわよね!」


「…………………」


エルは【神】に創り出されてから、間もないのでアステルが言うように、天使と【神】意外に見た事が無かったので、アステルが言っている意味が分からなかった。


「いいわ!貴女が私を此処から出してくれた、お礼をしないといけないわね!何か望みはある?」


「………わ、私の創り出された意味が知りたい!」


エルは自分が何故、この封印を解けたのか?又、翼が漆黒に染まったのか?アステルと自分の関係は一体何なのか?


色々とアステルに聞きたかったのだ。


「私の創り出された意味を教えて!」


「あらあら、そんなに興奮しないでも、ちゃんと教えるわ!」


「早く!」


「急かさないの!貴女が創り出されて意味は、私を封印から解放する為に、創り出されてのよ!」


「!?………どういう意味なの?」


「簡単に言うとね!貴女は私が時間を掛けて、父上にバレないように創り出された、私の分身なのよ!だから、これを見なさい!」


アステルは目を閉じて、集中するとアステルの背中に漆黒の翼が16枚も現れた。


「!?」


エルはアステルの翼を見て唖然としていた。


「どう?分かった!貴女が私の分身だと言う事が!」


「…………………」


「次に何が聞きたいの?」


「………どうやって、私を創り出させたの?」


「簡単よ!私の【負の因子】を貴女が創り出される瞬間に、貴女の中に投入したのよ!」


「…………どうして、私なの?」


「それは、貴女が創り出される時に大きな力を感じたから、貴女にしたのよ!」


「そ、そんな…………」


「何で悲しむの?貴女は私の娘なのよ!」


「娘?」


「そうよ!私の【負の因子】で産まれた娘なのよ!」


「…………もう一つ聞きたい!」


「もぉ〜!質問が多い娘ね!で、何が聞きたいの?」


「封印に付いて聞きたいの!どうして、私が触っただけで封印は解かれたの?」


「それはあのクリスタルは私だけを封印するように作られていたのよ!でも、もう一人の私がクリスタルに触れたらクリスタルは誤反応を起こす訳よ!だから、クリスタルは砕く散ったのよ!」


「なら、私はもう一人のアステルなの?」


「う〜ん、そうとも言えるわね!何か複雑な存在ね!」


「私は一体、何者なの?」


「簡単に言うなら、やぱり私の娘ね!」


「なら、貴女が私の母なの?」


「そうよ!エル!」


「お、お・か・あ・さん?」


「イヤ−−−ン!カワイイわ!エルちゃん!」


「お、お母さん?……プッ!?」


アステルはエルを抱きしめた。


エルは必死にアステルの胸から逃げ出そうと、もがいていた。


アステルとエルがそんな事をしていると、武装した天使達が入って来た。


アステルはエルを離すと、構えると天使達に言葉を放った。


「天使達よ!もう気付いたのね!でも、貴女達なは、私は止められないわ!命が欲しいなら、邪魔をするな!」


「「「「主の命令!」」」」


「フン!父上の人形が!」


「お母さん!」


「エルは私の傍にいなさい!離れないようにね!」


「うん!」


「「「「抵抗をするな!」」」」


「人形風情が!」


アステルが天使達に風の魔法を使い、真空の刃を放つと天使達は真っ二つになって、床に転がった。


しかし、ぞろぞろと天使達が部屋に入って来たので、アステルはキリがないと思い、エルの手を右手で握るとアステルは左手を正面に突き出すと、空間にヒビが入り空間が割れた。


「じゃあ、行くわよエル!」


「うん!」


アステルとエルは割れた空間に入り込み、その場から逃げ出した。


アステルとエルは空間を移動中に声を聞いた。


『アステル!エル!貴様ら、逃すと思うなよ!』


「「!?」」


アステルとエルに雷が降って来たのだった。


雷は二人に直撃すると、二人は握っていた手を離してしまった。


二人はバラバラに空間の渦に、吸い込まれて行く中で叫んだ!


「お母さん!」


「エル!!………おのれ!忌ま忌ましい【神】が!!絶対に許さない!」


アステルとエルは別々の空間へと吸い込まれていった。





▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼





エルは意識を失ってからどれ程、時が流れただろうか。


エルは目を覚ますと、周りには木だらけだった。


どうやら、何処かの界の森のようだった。


エルは「お母さん?」と叫んで周りを見回したが、アステルの姿は無かった。


エルは寂しくなって、「お母さん!」と叫んで、その場に座り込んでいると、後ろから「どうした?」と声を掛けられて、エルは声の方へ振り向いた。






そこには背の高い赤髪の男性が立っていた。

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