過去という名の迷宮(ラビリンス)4
「ねえ、イオスくん!松茸がいっぱいだよ!!」
「馬鹿ッ、これは毒シイタケ・・・・って食うな!?」
ヒナタ・シンクレアとパートナーになって一週間が過ぎた
「あれー?何か花畑が見え・・・・」
「待て、花畑なんてどこにもないぞ!!これは毒だ!幻覚だ!誰か、医療班を!?」
こいつは思った通り馬鹿でかなり抜けてて、天然で・・・俺はいつもこいつに腹をたてていた
【過去という名の迷宮4】
「こら、ヒナタ君!?聞いているのか!?」
「ZZZZZ・・・・・」
(こいつ、座ったまま寝てやがる・・・)
俺は隣で寝てる馬鹿・・・
いや、瞼に目を書いて起きてるふりをして居眠りをするヒナタを見てため息をはく
(ここは帝国帝国騎士育成校、その中でもこのクラスはエリートが集まるA組だ!なぜこんな馬鹿がこの学校に入学できたんだ!?)と最近そのことを疑問に思うようになっていた
「ったく、仕方のないやつだな・・・ヒナタ・シンクレアとパートナーのイオス・エリクソン、後で教務室行きだ!!放課後教室に残れ!!」
「え・・・俺もですか!?」
「当たり前だ!パートナーとは2人1組!!連帯責任に決まっているだろう!!」
(理不尽だ!!)⇐ごもっとも
俺は未だにすやすやと気持ちよさそうに眠るヒナタをグーで叩き起こすと、再び大きくため息をはいた
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「いやー酷い目にあった・・・体罰で逆さづりってのは結構つらいね・・・」
「・・・酷い目にあったのは俺の方だ、説教中にお前が寝なければ反省文だけですんだものの」
「くそ、何で俺まで」とぶつぶつ呟くイオスを見て、ヒナタはしゅんと眉を下げると
「ごめんねイオスくん・・・今度はばれないようにするから」と言った
(こいつ!次寝たら永眠させてやろうか!!)
全く反省の態度を示さないヒナタに苛立ちを感じた俺はくるりと振りかえり、ヒナタを真正面から見下ろすと
「お前が寝ようが体罰を受けようが俺には関係ないが、俺とパートナーになった以上好き勝手はさせないからな・・・そのことは頭にいれておけ」
と眉間にしわを寄せながらで言った
「き、肝に免じておきます!」
イオスの迫力に、ヒナタはごくりと唾を飲み込むと
「おっかない人とパートナーになっちゃったなぁ・・・・」
と呟いた
この頃の俺はヒナタを「馬鹿で腹の立つ転校生」としか認識しておらず
いずれ、最大のライバルになるだなんて夢にも思っていなかった・・・・・
堅物で有名な【イオス・エリクソン】と変わり者で有名な【ヒナタ・シンクレア】
この最悪の相性の2人が後に【黄金の迅速コンビ】と呼ばれるようになるのは3年後の話・・・
続く・・・
カノンです!
まだまだヒナタとイオスのエピソードで書きたい話はありますが、だらだらと書いてしまいそうなので、短縮して書いていこうと思います!!
あとがきまで読んでくださりありがとうございました!