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明日へと続く物語 【番外編】  作者: カノン
明日へと続く物語【番外編】
4/10

過去という名の迷宮(ラビリンス)3

ヒナタとパートナーになってあれから3日


「先生パートナーの変更をお願いします」


「イオス君・・・しつこいようですけど、もうパートナーは全員決まっています!今更変えることは出来ません」




俺はパートナーの変更を要請しに毎日教務室へ訪れていた







【過去という名の迷宮ラビリンス3】







「失礼しました」


結局パートナー変更を要請したものの、今日も無駄足だったか


イオスは昨日パートナーの不始末のせいで起こった出来事の数々を思い出し、顔に青筋を浮かべると、鬼のような形相で【ヒナタ・シンクレア】を探す


「ヒナタめ・・・何処にかくれたかは知らないが、俺から逃げられるとおもうなよ!今日こそはあいつにがつんといってやる!!」




「ひいいいッ!?イオスの奴ヒナタとパートナーになってから凄い荒れようだぜ!!」

「恐ろしい・・・イオスの頭から角のようなものが生えているような気が・・・」




(((鬼だ!!)))



クラスメイトは怒り狂うイオスがあまりにも恐ろしく、彼が通る道を次々に開けていく




その光景を見た、ヒナタの前の席の銀色の髪を持つクラスメイト【フウタ】は顔を青くしながら呟いた


「まあ、他の奴らに八つ当たりをしたりしない分マシだけどよ・・・あの怒りのオーラは半端ねぇ!心臓に悪いわ」


その呟きを聞きフウタのパートナーである【リック】も特徴ある大きな丸眼鏡を指でたくしあげると、彼の言葉に同調し、大きく頷く




「確かに・・・普段静かな人が怒ると怖いというのは本当のようですね!僕、あの人とパートナーにならなくて心底よかったと思いました・・・・・・あと、ヒナタ君!そろそろ出てきてらどうです?イオス君、凄く怒っていましたよ!!」



リックが、ロッカーに向かって話かけた瞬間だった



「やっぱり?さっきの授業でイオスくんに迷惑かけたからなあ・・・ちゃんと謝ったのに、ずっとこっち睨んでくるんだもん!!あー、おっかないッ!」



キイイ・・・と音をたて、リックのロッカーからでてきたヒナタを見て、フウタは口をあんぐりとあけると「お前、どこ入って・・・つか、こんな所にいたのか!?」と叫んだ



「うん!自分のロッカーがあまりにも汚くて入らなかったから、リックのロッカーに入らさせて貰ってたんだ」


「よいしょ」とリックに手を引かれもぞもぞと出てくるヒナタを見て、フウタは「ブッ」と吹き出すと

「確かにお前小柄だもんな」と言った


「おうよ!」


ヒナタは拳を握りしめ、ガッツポーズを取ると、にやりと笑う


「ふふん、流石のイオスくんもボクが人のロッカーの中に隠れているとは思うまい!昨日は自分のカバンの中に入って隠れてたらあっさり見つかってさ、ホント大変だったんだよ!」


「入ったのかよ!?カバンに!!」


ヒナタの言葉を遮るようにしてフウタは突っ込みを入れると、リックは「なるほど・・・ヒナタさん、小さい上に身体柔らかいですし、この学校指定のカバンも大きいからね」と言った


「いや、そういう問題じゃないだろ・・・・つかそれ以前に教科書や体操服はどうしたんだ!?」


更なるフウタの突っ込みにヒナタは頭をかくと「そんなの、カバンの外に出したに決まってるじゃないか!」と言う



「なるほど、そりゃ見つかるわ」


ヒナタの言葉にフウタは納得したように頷くと、リックとヒナタは「何故?」と首を傾げる

そんな2人を見て、フウタはため息をはくと呆れたように言った



「教科書や体操服が外にでているのに、カバンが膨らんでたら普通おかしいと思うだろ・・・」











「「・・・・・・あ!確かに!!」」









フウタの言葉に2人は納得すると「さすがフウタ君!イオスの次に成績がいいだけのことはありますね!」とリックは目を輝かせながら言った



「確かにじゃねー!普通に考えからわかる話だろ、お前ら!?」



フウタは「なるほど・・・」と納得する2人に鋭い突っ込みを入れた後、疲れたようにため息をはくと



「まあ、ヒナタを探す為とはいえ、人のカバンを開けるイオスもどうかしてると思うがな・・・」と呟いた



「・・・で、見つかった後どうしたんです?」



リックは次の話を聞こうとヒナタを見た瞬間、何か恐ろしいものをみたのか、みるみるうちに顔が真っ青になっていった



「どうしたんだ?リック・・・・・ゲッ!?」


リックの異変に気付き、フウタもヒナタを見ると顔を真っ青にする



その2人の様子を見てヒナタは「え・・・どうした、2人とも?なんでそんなおっかないものを見るような目でボクを見るの!?・・・特にフウタ!生まれたてのゴリラが死んだような顔しやがって・・・私に喧嘩売ってんのか?」と言って拳を握りしめた



「どんな顔だ!?喧嘩売ってんのはお前の方だろ!?それよりヒナタ、後ろ!!」



「後ろ?」




フウタに言われ、ヒナタはゆっくりと後ろを振り返ると、そこには・・・







「探したぞ・・・・ヒナタ・シンクレア・・・」





・・・・・鬼がいました




「ぎゃあああ、イオスくん!?くそ、油断してた!呑気に2人と話をしている場合じゃなかった!?」


青い顔をして逃げようとするヒナタの頭を、イオスは容赦なく掴むと、そこからミシミシという音が聞こえた



「痛ッ、ちょ!頭何か変な音なったんだけど!?2人とも、助けてーーーッ!!」


ほぼひきずられるような形で連行されるヒナタを、フウタとリックは「自業自得とはいえ気の毒だな」と呟くと


「ヒナタ、お前のことはずっと忘れないからな!!安心して逝ってこい!!」と叫んだ


「逝ってこいって漢字が違いますよ、フウタくん・・・」


リックは引きずられるヒナタを見て、「ごめんなさい、イオスくんを止められない僕を許してください」

と手を合わせる




「フウタ、後で覚えてろ!そしてリック!手を合わせるな!?畜生、2人の薄情者ーーーーーーー!!」



イオスに引きずられる中、ロッカールーム周辺にヒナタの叫び声が木霊する中、フウタとリックは呟いた





「さっきお前言ってたよな、イオスとパートナーにならなくてよかったって・・・俺も今そう思った」


「全くです」



フウタは「ヒナタ、お前のことはわすれないからな・・・だから俺達の頑張りを草場の影から見守っててくれよな」と言って手を合わせた





                                          続く



ヒナタ「あの・・・死んでないんだけど(怒)」

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