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「気持ち」

【気持ち】


学校に行きたくないです・・・・はい・・・・


なんでかって?

そんなの、瑞希と顔を合わせるのが気まずいからじゃないか


まぁ、今の時期に休んだら俺は確実に赤点を取るだろうがな



「光兄ぃー、瑞希お姉ちゃんが来たよー」



なんだとっ!?


今、俺が最も会いたくない人第一位の瑞希が来ただと?


まったく、冗談も休み休み言え



「光!!」


「はい!!」



はっ!しまった!何故か反応してしまった

この声は瑞希だろう

まったく、なんで家に上げたんだよ紗佳の奴・・・・



「光、話しがあるんだけど」


「な、なんでしょか?」


「はぁ~・・・」



バシンッ



「いってぇー!!なにしやがる!!」


「叩かれたくなかったら人の話を聞くっ!!」


「・・・・(コクリ)」



瑞希に叩かれた背中が

痛む中、俺は瑞希の話を聞いた



「で、答えは?」


「へっ?」


「だから、答え」


「KOTAE?]


「そう、答え。辞書で引くと・・・


「いや、いいよ!そこまでしなくていいよ!!」



まったく、いきなり辞書を探し出すんだから



「で、なんの答え?」


「え、えっと、その・・・・き、昨日の・・・・」



やっぱり、それか・・・

う~ん、ここはどうやって誤魔化そう



「紗佳、武蔵はまだか?」


「来てないよー」



クソッ、頼みの綱の武蔵はまだ来てないのか

武蔵をダシにして逃げようと思ったのに



「武蔵なら紗佳ちゃんと学校に行く予定よ」

「なんでぇぇぇぇ!?」


「いや、確かに紗佳と武蔵が一緒に学校に行く

約束をしてたのもビックリだけど

なにげに、お前、人の心を読んだよねっ!!」



なに、ちょっと、エスパーみたいなことやってんの!?



「で、答えは?」


「まさかの、素通り!?」



瑞希のエスパー行為は触れないつもりか!



「まったく、朝からどんだけツッコンでんのよ」


「お前がおかしな事するからだろうがっ!!」


「五月蠅い・・・・」



一言で返されたぁー!!

なんか、ショックなんだけど!!



「あぁ、もぅ、さっさと、答えを言う!!」


「ちょ、瑞希、俺の頭を鷲掴みしてどうするつもぎゃぁぁぁぁ!!!」



瑞希は俺の頭を鷲掴みして本棚に向かって

俺の顔をぶつけた・・・・

『ぶつけた』と言うよりは『叩き付けた』・・・・と言った方が的確だろう



「おぃ、瑞希!なにしやがる!!」


「光がサッサと答えを言わないからいけないんでしょ!!」



まさかの、俺の責任っ!?

意外すぎて反応に困るよ!!



「お前が、暴力ばっかなのがいけないんだろ!!」


「なんで、アタシのせいなのよっ!?」


「絶対、お前が悪いだろ!!」


「「バカ野郎!!」」



最後の一言がハモって俺達は

お互いビックリしていた



「はぁ~、ゴメン・・・」


「えっ、あっ、俺も、ゴメン」



瑞希が素直に謝るなんて珍しいな



「大丈夫だった?」


「はぅっ!!」



心配そうに俺の顔を覗き込む瑞希は

ある意味反則だと思う


しかも、今回は目がすごく潤んでる

ハッキリ言って、ズルいと思う



「光?」


「へっ!な、なに?」


「アンタ意識がどっか行ってたけど大丈夫?」


「だ、大丈夫だよ!」


「そう、じゃぁ、いいけど・・・・」


「瑞希?」



なんか、瑞希の様子が変だ

何が変かきかれてもわからないが

明らかに様子が変だ



「瑞希?」


「・・・・・」



う~ん、瑞希はずっと俯いていて

なにも話さない


部屋の中に気まずい空気が漂う



「瑞希、どうかした?」


「・・・・ねぇ」


「な、なに?」



瑞希が俯いたまま

俺に話しかける



「私のことどう思ってるの?」



直球の質問に俺は焦る


どう思ってるか聞かれたら

色々な感情があって

それをまとめるのは俺にはできない気がするのだ



「どうって、言われても・・・・」


「じゃぁ、好きか嫌いかって言ったら?」


「そりゃぁ、もちろん好きだよ」



俺の答えを聞いて瑞希は

笑みを浮かべた


瑞希のことを嫌いになれない

それは、俺がずっと思っていたことだ

どんなに、殴られても、喧嘩しても

瑞希を嫌いになれない・・・・


どうしてだろう?


まぁ、幼なじみだから

お互いわかり合っているからかな?


う~ん、なんかモヤモヤする




「そっか・・・・」


「どうしたの?」



やっと、わかった・・・・



「瑞希、俺がどんな答えを出しても驚かない?」


「えっ?どういう事?」


「俺が答えを言って怒らない?」


「えっと、それって、ダメってこと?」


「う~ん、とりあえず、怒らない?」


「う、うん、怒らない」



よしっ!これで瑞希は怒らないと約束をしてくれた

俺は、これで、ちゃんと気持ちを伝えれるはずだ


「瑞希の印章っていったら俺にとっては『幼なじみ』、『暴力女』、

『口が悪い』、『男みたい』っていう感じだ」


「ゴゴゴゴゴゴ・・・・・」


俺は瑞希の背後にある黒いオーラは

日光のせいでそう見えるのだと納得させた


「でも、それだけじゃない」


「フーン、他にどんな悪口がでてくるのかな?」


「ぅぐっ!!」



瑞希は完全に怒っている

これは二回ぐらい生と死をさまようかも・・・・


「で、でも、たまに見せる優しさだったり

暗いところが苦手っていう子供っぽさがあったり

そんなところが瑞希のいいところだと思う」


「えっ!?」


「素直でみんなと分け隔て無く接して

優しい素顔を持っている」


「瑞希の悪いところもあって良いところもある

だから、俺は瑞希のことが愛らしく見えるんだと思う」


「そ、そんな・・・・」


「瑞希とどんな喧嘩をしても嫌いにはなれない

それって、瑞希のことを知っているからだと思う」


「うん」


「瑞希の悪いところも良いところも

俺は知っている。だから、瑞希がどんな事をしても好きでいられる」


俺が、そう言うと瑞希はボンッ!と音を立てて

顔を真っ赤にした

こういうところも俺は好きだ


う~ん、なんか今の俺は、変態みたいだ・・・・


こんな感じでいいのだろうか?


いつもは告白されてYESかNOかでよかったから

気持ちを伝えるなんて始めてだ


※サラッとむかつくこと言ったな・・・ by作者


いや、本当ですから


ちょ、作者、チェンソーを振り回すな

電源を切ってぇぇぇぇ!!



「光、それって・・・・」


「好きだよ」


「えっ!じゃぁ・・・・」


「うん、できれば俺と付き合ってほしい」


「やった!!」



瑞希は飛び跳ねて喜んだ

でも、その前に俺はやらないといけない事がある・・・・


ガチャッ


俺が部屋のドアを開けると

そこには片手にコップを持っている二人がいた



「さて、紗佳と武蔵。説明してもらおうか」


「え、えっと、紗佳から状況を説明してもらって

これは行かねばと思い・・・・」


「私は、武蔵兄ちゃんに誘われて・・・・」


「なるほど、つまり、二人は人の告白シーンを

盗聴してみんなに話すつもりだったと?」


「「はい・・・・」」


「おりゃぁぁぁ!!」


「グハァ!」



俺は武蔵に思いっきりナックルを決めた



「この野郎!!」


「ウガァ!」



瑞希を武蔵に向かって跳び蹴りをした



「ふぅ~、これでよしっ!」

「よくねぇーよ!」

「あれ、武蔵。まだ元気だったの?」

「ここは、もう一発決めるか」

「そうだな」



俺と瑞希は武蔵に一斉攻撃をした



「武蔵兄ちゃん、ごめんなさい・・・・」


「い、いや、いい、ん、だ・・・・・」


「よしっ!武蔵も気絶したし俺達は学校に行くか」


「そうだね」


「「らぶらぶだ」」


「武蔵には、まだそんなことを言う元気があったの?」


「しかたない、もう一度殴るか」


「あっ、武蔵兄ちゃんが死ぬ・・・・」


「大丈夫だよ紗佳。俺達はそこまで酷くない」



もう一度武蔵を叩きのめして

俺達は家を出た

時間は結構ギリギリだ


間に合うか不安だが

後から来る人もいるから

遅刻ということはないだろう



「それにしても、光があんなこと言うなんて・・・・」



瑞希が今朝のことを思い出したのか

顔を赤くしながら呟く



「なんとなく、言っちゃった感じだよ」


「なんとなく・・・・か・・・・」


「ん?どうした?」


「い、いや、なんでもない!!」



なんでもない・・・・ことはないって

バレてるような大袈裟なアクションで俺に訴えてきた



「まぁ、そういうことにしとくか」


「ムッ、なんだ?その言い方は」


「別に~」



そんな他愛もない会話をしていたら

あっという間に学校に着いた



「ねぇ、光」


「なんだ?」


「女子からの視線が気になる・・・・」


「気にするな」


「でも・・・・・」


「気にしたら負けだ」


「う、うん」



それにしても、この学校の半分以上の生徒が俺達の事を見ている気がする



「よっ!お二人さん。ついに交際まで発展したの?」


「「義紀っ!!」」


「まったく、息もピッタリって感じだな」


「「哲也までっ!!」」



何故だ、いつもなら教室にいるはずの

二人が何故、ここにいる?



「(瑞希、これはどういうことだ?)」

「(わかんないよ)」



瑞希も事情を知らないようだ

とすると、おのずと犯人はわかってくる



「武蔵か・・・・」


「でも、武蔵達は後から来たよ」


「チャリで来たら俺達が来た道以外でも

早く学校に着く」


「なるほど」


「「殴らなければ」」


「あれ?瑞希に光樹君は何をやってるの?」


「あっ、怜奈。それがね・・・・・」


「「義紀、教えたら殺す」」


「い、言いません」



俺達はとりあえず

教室へとダッシュした



ガラガラッ



「武蔵はいるか?」



俺が近くにいた女子に聞いた

その女子は窓際の方を指さしてくれた



「ありがと」


「う、うん。それより、なんで瑞希と?」



俺は女子の問いには答えず

瑞希と一緒に武蔵を殴り続けた



しばらくして先生が教室に入ってきた



「なんて、悲惨な・・・・」



先生は武蔵を見て呟いた






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