「祝☆初デート!!」
・・・・・眠い・・・・・
どうでもいいけど、この映画つまらなすぎだろ。
しかも、やたら上映時間長いし・・・・・
俺は今、瑞希とデートしてます。
いわゆる、瑞希との初デートっていうことッスね!!
何か瑞希が見たい映画があるって言うから来てみたけどこの映画果てしなくつまらない。
睡魔と格闘中の俺はたえられなくなったのでジュースでも買ってこようと思った。
「瑞希、俺ジュース買ってくる」
「んじゃ、私のもお願い」
「はいよ」
瑞希は映画に夢中って感じだな。
目が輝いてらっしゃる。
俺は外に出てジュースを買おうとしたが、まさかのお金が10円たりないという事態に!!
これじゃぁ、1本しかジュース買えねぇじゃん。
はぁ~、仕方ない。瑞希の分だけ買うか。
俺はそれをわけてもらおう。
どうせ、映画に夢中だから勝手に飲んでも見つからないだろうしな。
「おぃ、兄ちゃん。お困りのようだな」
「えっ?」
誰だろう?なんかイケイケ系の格好してる結構イケメンの人が俺に話しかけてきたんだけど・・・・・
「どうしたんだ?」
「えっ、えっと、金が足りなくてジュースが1本しか買えないんですよ」
ここは正直に言っちゃおう!!
結構、恥ずかしいけど・・・・・
「そうか・・・・んで、いくら足りないんだ?」
「10円ッスけど・・・・・」
「ほれ!10円ぐらいだったらやるよ」
う、嘘!!
流れで10円もらっちゃったよ。
なんかこの人カッコイイですなっ!!
「それじゃ、またな!」
「は、はい・・・・・」
なんか兄貴的な人だったな・・・・・
ってか、早く戻らないと瑞希に怒られる!!
俺は超高速でジュースを買って戻りましたよ。
『~END~』
そして、映画も終わったぁぁぁぁぁ!!
「あぁー、面白かった!!」
「えっ?そうか?」
俺にはすっごく退屈な映画だったが・・・・・
「光はどうでもいいの!!」
「そ、そうッスか・・・・・」
だって、恋愛系の映画ってありきたりなシチュエーションでつまんないんだもん。
「はぁ~、お腹空いた・・・・・」
「飯でも食うか?」
「賛成ッ!!」
あっ、でも俺金ねぇ・・・・・
「光の奢りで!!」
「ハハッ・・・・・」
普通そうだよね。
・・・・・仕方ない、貯金を下ろすしかないな。
「っと、その前に俺ちょっとトイレ行ってくる」
そう言って俺はダッシュで貯金を下ろしに行きます!!
いやぁ~、意外と短時間で任務完了しちゃったな。
「あっ、光!!はやくお昼食べに行こ!!」
「おぅ!!」
ということで、近くのファミレスです!!
「う~ん、光はどれにする?」
「俺はハンバーグ定食にするけど」
「じゃぁ、私もそれにする!!」
た、足りるのか?
瑞希の胃袋は半端無いぞ!?
ハンバーグ定食だけで足りるとは思えないけど・・・・・
案の定足りなかったようです。
「ふぅ~、食べた食べた!!」
「ほ、本当に食べたな・・・・・」
瑞希の奴、追加でミートソーススパゲティとシーフードドリアといちごパフェを綺麗にたいらげた。
はっきり言って化け物ですね・・・・・
「瑞希、そんな食ってると太るぞ?」
「ほほぅ~、お主は女子に向かってそう言うことを言うのかぁ?」
「いや、だって・・・・・」
「大丈夫、大丈夫!食べた量だけ運動してるから」
「う、運動って?」
「光を殴る!!」
そんなにこやかな笑顔向けられて、んなこと言われたらマジでトラウマもんッスよ・・・・・
「それより、この後どうする?」
「私に聞かないでよ」
じゃぁ、誰に聞けって言うんだよ。
それにしてもこの後どうしましょう?
「よぉ、兄ちゃん」
「あっ、10円の!!」
まさか、こんなところで出会うとは!!
「彼女連れか?」
「そうッスよ」
「あ、俺の名前は佐江島聡司ってもんだ」
「俺は松浦光樹ッス」
「私は野田瑞希です」
「よろしくな、2人とも!」
いやぁ~、偶然とはすごいものですね。
やっぱ10円返したほうがいいよね?
「佐江島さん、あの、10円・・・・・」
「あぁ~、別にいいよ」
「で、でも・・・・・」
「いいの、いいの。10円ぐらいとっといて」
「は、はぁ~」
佐江島さんて見た目恐いけど優しい人だ。
「それより、松浦と野田の出会いは?」
「「で、出会い!?」」
出会いってどういうことだ?
瑞希とは幼馴染みだし、いつ出会ったかなんて覚えていない。
気付いたら仲良くなっていたって感じだ。
「まぁ、幼馴染みですけど・・・・・」
「ほぉ~、幼馴染みねぇ~。ってことは、初恋?」
「俺は違います」
「違うの!?」
「は、はい・・・・・」
「でも、私は初恋です」
「そうなのかぁ~、松浦は罪な男だな」
「ちょ、どういう意味ですか!!」
「ったく、モテる男は余裕でいいのぉ~」
この人酔ってるんじゃないのか?
ノリが酒飲んだおっさんだもん。
「折角のデートの邪魔して悪かったな」
「い、いえ・・・・・」
「じゃぁ、俺はこれで」
佐江島さんがいなくなってまた暇になってしまった。
「ねぇ、光」
「ん?どした?」
「あそこ・・・・・」
そう言って瑞希が指さしたところにはヤンキーさんに絡まれてる女の子がいた。
「あのぉ~、瑞希さん、俺に何を望んでるの?」
「助けてきなよ」
簡単に言うなぁ~
だいたい、喧嘩だったら瑞希のほうが強いと思うんだが・・・・・
「光、はやく行かないと殴るよ」
「い、行ってきます・・・・・」
キャー!!脅迫されたぁー!!
恐いよぉー!!・・・・・なんか、虚しいな・・・・・
とりあえず、俺はヤンキーさんたちのところに行って話しかけた。
「どうも、アンタらなにやってんの?」
「あぁ?お前には関係ねぇだろぉ!!」
キレるの早ッ!!
もう、殴りかかってきたんだけど!!
「ちょ、危ないだろうがっ!!」
それを何とか避けたがヤンキーさんは止まらないご様子です。
「オラァッ!!」
「ちょ、少しは落ち着け!!」
あぁ、もう!!
これだからヤンキーさんは嫌いなんだよ。
「この野郎!!」
ドスッ!!
「グフゥッ!!」
おっ、顔面クリーンヒットだよ!!
ヤンキーさんのびてらっしゃる。
俺は絡まれていた女の子に声を掛けた。
「大丈夫?」
「あ、あの、ありがとうございます」
「いえいえ・・・・・」
助けないと俺が殴られるところだったからね。
「え、えっと、私工藤綾佳って言います」
「あ、俺、松浦光樹。もう、ヤンキーに絡まれないように気をつけなよ」
「はい!!本当にありがとうございました!!」
まぁ、これで瑞希に怒られないで済むな。
いやぁ~、とんだイベントだったな。
「光、よくやった」
「よくやったじゃねぇよ。ってか、俺より瑞希の方が喧嘩強いだろ」
「文句を言うでない」
はぁ~、なんていうか巻きこまれた感が滅茶苦茶するんだけど。
「じゃぁ、工藤さん、ヤンキーには気をつけてね」
「はい!ありがとうございました!!」
俺と瑞希はこれということもなく家に帰った。