「噂」
さて、どんな情報でしょうかね?
「こ、光ちゃんと別れた理由って転校でしょ?」
「そうだけど・・・・・」
「それから、楓ちゃんは誰とも付き合ってないんだよ」
義紀は今まで付き合ったことないだろ。
「実はそれには訳があるって2つの噂があってね」
どんな噂だ?
「1つめは楓ちゃんは男に興味が無いって噂」
「それは無いだろ」
「そう、光ちゃんと付き合ってたから1つめは無い」
「2つめは?」
「前の彼氏に未練がある」
「ッッッ!!な、ないだろ」
「そうかなぁ?だって、楓ちゃん1人でこっちに戻ってきたんだよ?」
そ、それは、なんか理由があったんだろ?
「光ちゃんの元へ帰りたかった」
「義紀、ふざけたことばっか言ってると殴るよ」
「そ、そんな笑顔で言われると恐いよ」
はぁ~、武蔵でも誘ってゲーセンでも寄るか・・・・・
―――――――――
ゲーセン到着!!
「荒れてるねぇ、どうしたの?」
「義紀が変なことばっか言ってくるからむかついてんだよ」
「楓のこと?」
「な、なんで武蔵まで知ってるんだ!?」
「義紀情報」
あっははは、そうか、そうか、アイツは俺に殴られたいみたいだな。
明日にでもボコボコにしてやりますか。
「まぁ、俺も義紀の意見に賛成だな」
「ど、どういう意味だよ」
「だから、光樹に会いたかったんだろ」
「だからって転校までするか?」
「ずっと、一緒がいいんだろ」
無いだろ・・・・・
「あれ?光太じゃん!!」
「えっ?」
なんで、楓がここに!?
「武蔵も久しぶり!!」
「おぅ、久しぶりだな」
「でも、男2人でゲーセンなんてモテる奴がすることじゃないでしょ」
「「関係なくねっ!!」」
「んじゃ、みんなで遊ぶ?」
「「みんな?」」
「ども!!私、岡本麻喜ッス!!麻喜でいいよぉ~ 」
テンション高いッスね。
背は低めだけど・・・・・
「私は倉田茜だ」
なんか凛々し御方だ。
「2人のことは知ってるでしょ?」
「「もちっ!!」」
なんで2人は俺たちのこと知ってるんだよ!?
「光太たちは有名だからね」
「地の文を読むな!!」
まったく、楓は何を考えているんだ。地の文を読むなんて・・・・・
「さて、遊ぶのはいいけど何して遊ぶの?」
・・・・・・・・・・何しましょう?
麻喜さんのおっしゃるとおりですね。
「とりあえずプリでもとらないか?」
「おぉ~、いいねぇ~。流石、茜!!」
「尊敬するッス!!」
「光太と武蔵はそれでいい?」
「「いいッス!!」」
というわけで・・・・・・
どれくらい遊んだだろう。
もう、外は真っ暗だ。
みんなと別れて今は1人です。
さっきまで騒いでたからなんか虚しい気分ですなぁ~
「あれ?光じゃん」
「瑞希じゃねぇか」
「なにやってんの?」
「帰宅中だよ」
なに当たり前のこと聞いてるんだ?
「制服のまんまじゃん」
「武蔵たちとゲーセンで遊んでたからな」
「そうなんだ」
「瑞希は?」
「コンビニに行くとこ」
こんな時間にコンビニ?
晩飯どきにコンビニに行くっていうことは・・・・・
「お前、親いないのか?」
「旅行に行ってるのよ」
「だったら紗佳にでも頼んで飯作ってもらえばいいのに」
「流石に高校生にもなって幼馴染みの妹にご飯のお世話をしてもらうようじゃダメかなと思いまして・・・・・」
「晩飯作ってみたら失敗したと」
「そ、そんなズバッと言わないでよ!!」
こいつの家事スキルは最悪だからなぁ~
料理なんて食えたもんじゃない。
「家来るか?」
「へっ?」
「コンビニ弁当よりかは安上がりだぞ」
「そ、そうだけど・・・・・」
「大丈夫、紗佳もお前が料理出来ないの知ってるから」
「それどういう意味よ!!」
「ちょ、そんな怒るなって」
「光のバァーカ!!」
「あっ、瑞希!!」
行っちゃったよ・・・・・
まぁ、なんとかするだろう。
瑞希もガキじゃないんだし・・・・・・・・
―――――
帰ったら紗佳は鬼でした。
「光兄ぃ、遅いっ!!」
「す、すんません・・・・・」
「帰りが遅くなるなら連絡しなさいっ!!」
「はい・・・・・」
「今日の晩ご飯は抜きですっ!!」
「そ、そんなぁ~」
「これからはちゃんと連絡をいれること!!」
「はい・・・・・」
晩飯が消えてしまった。
どうしよう?
仕方ない、瑞希の家に行くか。
コンビニ弁当の余り物でももらいますか。
「瑞希の家に行ってくる」
「はいよっ!!」
はぁ~、すっごく、面倒くさい・・・・・
―――――
瑞希宅!!
「お、お前どんだけ食ってるんだよ・・・・・」
「ちょ、なによその目は!!」
だって、俺の目には弁当の残骸が3つある。
女子高生が食べる量をはるかに越えてるだろ・・・・・
「タイミングが悪かったね」
「パンとか無いの?」
「あったら自分で食べてるよ」
そ、そうだよね・・・・・
弁当3つも食べちゃう女がパン残すわけないですよね。
「今日買った材料も全部使っちゃったし」
「全部失敗したんだろ?」
「殴られたい?」
「すんません・・・・・」
ったく、失敗すんなよ。
こいつは少し料理の勉強をしないとダメだと思う。
「食べる勇気があるならあげるけど?」
「仕方ない、どんな失敗したんだ?」
「そ、そんな言い方しないでよ」
「すんませんねぇ~、って、なんじゃこりゃ!?」
俺の前に置かれたのは・・・・・説明のしようがない・・・・・
「い、一応肉じゃがなんだけど」
に、肉じゃがだとっ!!
肉じゃがって黒かったか!?
「黒いんだけど・・・・・」
「い、糸こんにゃく入れすぎたのよ!!」
それで、ここまで黒くなるのか!?
こいつの料理センスの無さは革命級だと思う・・・・・
「た、食べなさいよ!!」
こんな色の料理出しといて食べろなんてよく言えたな!!
「食べないと殴るよ」
「た、食べるよ・・・・・」
俺は肉じゃがを食べた。
「・・・・・う、美味い」
「えっ?嘘!?」
なんだその反応は!?
もしかして俺に毒味をさせたのか!?
「見た目は悪いけど味はいいね」
「本当に見た目は最悪だよ」
「お、美味しいからいいじゃん!!」
「そうッスね」
とりあえず、ごはんにありつけてラッキーだったぜっ!!!
瑞希GJだっ!!
「ご馳走様!!」
あぁ~、美味かった。
「んじゃ、俺は帰るから」
「もう、帰るの?」
「あたりまえだのクラッカー」
「・・・・・」
沈黙はやめてぇー!!
なんか哀れむような視線を送らないでください!!
「じ、じゃぁ、帰るな」
「う、うん・・・・・」
ダッシュで家に帰りましたっ!!