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元ホストの俺、乙女ゲームの王太子に転生。聖女より婚約者を守ります  作者: ふうこ0701
第一章:転生と違和感

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第3話聖女リリア

翌朝。

俺は護衛騎士のカイルと、婚約者のエレノアと共にルミナリア王立魔法学院へ登校した。

学院の門をくぐった瞬間、周囲の空気がざわつく。

他の生徒たちの視線が、一斉にこちらへ向けられた。

その視線には、好奇心と――

そして、どこか値踏みするような色が混ざっている。

そのことに気づいたのか、エレノアはそっと俺から距離を取ろうとした。

「エレノア?」

俺が不思議そうに声をかけると、エレノアは自信なさげに俯いた。

「私と一緒にいては……やはり殿下の評判を下げてしまいますわ」

「どうして?」

俺は思わず言った。

「君はこんなに素敵な婚約者じゃないか。堂々と私の隣に立っていればいい」

「殿下……」

エレノアは少し困ったように微笑む。

「殿下のお言葉はとても嬉しいです。ですが、私たちは親同士が決めた形ばかりの婚約者ですから」

そして、小さく続けた。

「それに……正直申し上げますと、私の評判はあまりよろしくないのです」

なるほど。

つまり――

悪役令嬢扱いってわけか。

「君はこんなに可愛いのに」

俺は思わず言った。

「私の未来の花嫁だ。何があっても、私は君の味方だよ」

そう言って、俺はエレノアの手を取った。

少し強引に、その手を引く。

「行こう」

俺たちはそのまま教室へ向かった。

後ろから、護衛騎士のカイルが静かについてくる。


教室に入ると、俺とエレノアの姿を見て、また周囲がざわついた。

まるで珍しいものでも見るかのような視線が、こちらに集まっている。

そんな中、最初に声をかけてきたのは――

長いダークブラウンの髪をした、いかにも優男といった雰囲気の男だった。

「おはよう、レオニス。カイル」

軽く手を上げて挨拶する。

そして、エレノアへ視線を向けて、少し驚いたように笑った。

「エレノアも一緒とは珍しいな。君たちが並んで登校するなんて」

俺は一瞬、その男の顔を見ながら考え込んだ。

(えっと……誰だ?)

記憶を探っていると、エレノアがさりげなく口を開いた。

「アルベルト・グランディア。あなたは相変わらずですわね」

――そうだ。

アルベルト・グランディア。

グランディア伯爵家の三男で、俺の友人。

そして乙女ゲームの攻略対象の一人だったはずだ。

俺はエレノアに内心で感謝しながら言った。

「おはよう、アルベルト」

「今日はずいぶん機嫌が良さそうだな」

アルベルトは意味ありげに笑った。

その後も、エレノアのさりげないフォローのおかげで、なんとか会話を乗り切ることができた。


授業が始まり、ついていけなかったらどうしようかと心配していたが――

そんな心配は必要なかった。

どうやらレオニスが身につけていた知識は、俺にもちゃんと理解できるらしい。

これはやっぱり、転生者のチートってやつなのかもしれない。

授業が終わり、教室を移動しようとしたその時だった。

またしても、生徒たちがざわつき始めた。

「天才のルシアン様よ!」

女子たちの黄色い声が上がる。

ルシアン・アストレア。

アストレア公爵家の子息。

銀髪にアメジスト色の瞳。

学年トップの天才魔術師で、四大魔法すべてを操るチートキャラだ。

ルシアンは俺たちに気づくと、ゆっくり歩み寄ってきた。

「やあ、レオニス。アルベルト、カイル」

そしてエレノアを見て、ほんの一瞬だけ視線を向ける。

「レオニス、君はいつから婚約者と仲良くなったんだ?」

その言葉に、エレノアが俯いた。

「ルシアン、私の可愛いエレノアに失礼な物言いはやめてくれ」

俺は思わず言った。

ルシアンが少し目を細める。

「レオニス。本当にどうかしたのか?

君はこの女にまったく興味がなかったじゃないか」

「だとしたら、今までの私がおかしかったんだ」

俺はきっぱり言った。

「こんなに可愛い婚約者に興味を示さないなんて、本当にどうかしていた」

「殿下、おやめください……こんな人前で……」

エレノアの顔がみるみる赤くなる。

(……可愛い)

その時だった。

空気が一瞬で変わった。

「聖女様だ」

周囲が再びざわめく。

だが、それは先ほどのルシアンの時とはまったく違う空気だった。

もっと、熱狂に近い。

そして、

「レオニス」

声をかけてきた人物を見る。

そこに立っていたのは、乙女ゲーム『光の聖女と王子たち』のヒロイン。

聖女リリアだった。


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