第一話
1
「ふぅ。やっと倒せたな!」
「いや〜強かったなぁ。」
俺たち二人は危険度6の迷宮【忘却の森林】のボスであるオブリビオンスパイダーを倒した。
「にしてもまじで大変だったよな。」
「ほんとにそうだよね。あのクモが消えている間は存在も忘れるなんてあまりにもせこすぎるって!」
「まぁ唯一助かったのはクモ自体の戦闘力は比較的弱かったのが良かったよ。」
「よし、それじゃ早速宝箱開けよう!」
「いいのが来るといいな」
「そうだね!」
――――――――――――――――――――
ここは今世界で1番遊ばれていると言われているゲーム、アルケミストの迷宮内だ。
そこで俺ことハルベインは現実の親友であるツアイと一緒にここを攻略していた。
ここの迷宮は消滅型と呼ばれるタイプで一度攻略したらダンジョンの崩壊が始まるというものだ。
その代わり難易度は同じ危険度の中でも高く報酬もおいしい。
他には持続型があり攻略されても崩壊しないダンジョンがある。
所謂周回用ダンジョンというものだ。
こっちの方では何度も攻略されているため難易度自体は消滅型よりも低く報酬も控えめ。その代わり周回ができるためレベル上げに最適である。
そして俺たちは前者の消滅型のボスを倒したのだ。
「よしそれじゃ宝箱を開けるぞ。」
「おう。」
そうして攻略した報酬である宝箱を開けた。
――ガチャン
とボスからドロップした鍵を使い宝箱を開けた。
すると中には2つのアイテムが入っていた。
早速俺は魔術師スキルである鑑定を使い2つを見る。
「【忘却のマント】
レア度▶︎叙事級
装備している間自身の意思で姿を消せる。
姿を消している間は相手から存在を消すことが出来るが自身も相手に影響を与えることが出来ない。
【知恵の腕輪】
レア度▶︎希少級
装備している間自身の思考力を倍にする。
効果は重複されない。」
と出た。
「まじか!叙事級が出たよ!」
「すごいね。どうする?僕は知恵の腕輪でもいいよ。」
「なら俺がこのマントをもらおうかな。次はお前にやるからさ!」
「わかった。なら僕は早速装備しとこ。」
「よし、報酬も手に入れたしそろそろ崩壊も始まるだろ。さっさと出よう。」
「あそこに門があるね。早く行こう。」
そう言って俺たちふたりは地上へと出ることの出来る門に入っていった。
一瞬視界が暗くなったあと地上へと戻ってきた俺たちは明日も学校があるため今日は終わることにした。
「クリアしたし今日は終わるか。」
「そうだね。明日はどうする?」
「そうだなあ……。とりあえず明日はギルドへ行って素材を売るか。その後はまた考えようぜ。」
「わかった。ならまた明日!」
「おう。また明日な。」
そう言って俺たちはログアウトした。
現実へと戻ってきた俺は日課であるアルケミストの記事を読み漁ることにした。
こういう記事がまとめられたサイトがありそこには攻略情報やプレイヤー同士でやり取りができる掲示板があったりなどで常に賑わっている。
その中でも俺は武器や防具類のアイテム関連の記事をよく見ている。こういう記事には様々なアイテムなどの情報が記載されているため色々と便利なのだ。
ただし叙事級以上の装備やアイテムなどはその人の切り札レベルのものが多いため情報は少ない。
装備やアイテム類などは
「一般▶︎業物▶︎希少▶︎叙事級▶︎伝説級▶︎神話級」
というふうに区切られており神話級に関してはこの世界でも50しか存在しないとされている。
とにかく俺は希少までのものをひたすら見ている。特に希少からはその物自体のステータスアップに加えて何かしらの特殊能力が着いていることが多いので見ておいて損は無い。
そして今日手に入れた【忘却のマント】は俺にとって初めての叙事級の装備だ。
この装備の一番の利点は擬似的な瞬間移動のようなことも可能であり逃げる時にも使えるというものがいい。
使いようによっては色々なことに使える汎用性の高い装備だ。
特に俺が持っている【俊敏の腕輪】と組み合わせればさらに活躍できるだろう。
そして今日はこの装備に合うものがないか探すという目的もある。せっかく手に入れた叙事級なんだから色々使いたいしな。
…
……
………
…………
あれからしばらく探したが合いそうなものは見当たらなかった。
と言うよりもあるにはあったが【俊敏の腕輪】がある以上効果が重複しないため低いレア度のものは合わない。
これ以上探しても無さそうだし明日も学校だ。
早く寝ないとな。
――――――――――――――――――
……ん…んぅ
ムズムズした感覚を覚えた俺はたまらず目を開けた。
「痛い…………えっ!ここは……一体?」
目覚めた俺は目を疑った。
辺り一面が草原だったのだ。
なんだこれは?昨日は確かにベッドで寝てたはずだ。と言うよりも今の時代に見渡す限り草原なんて場所は無いはずだ。
ならば一体ここは?
と、周りをよく見てみると少し遠くに人影らしきものが見えた。
近付いてみるとなんとツアイだった。
「おーい!」
そう声をかけるとツアイも気づいたのか
「あっ!」
と声を出してこちらへ近付いてきた。
「なぁ、ここがどこかわかるか?」
「いや、僕もよく分からない。だけどこの姿をしているってことは恐らくアルケミストに来たのかもしれない。」
「確かにこの姿だしな。」
「そうだね。とにかくどこか街みたいなところに行きたいよね。」
「そうだな。とにかく歩くか。」
そういうことで俺たちふたりは街に向かって歩くことにした。
街がどこかは分からないけれどな。
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