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変態 は フーニャ を 仲間 に した !

「よし!」


『ケモッ娘フーニャの肉球をモフりました。

 同意のあるモフです。

 接触の少ないモフりです。

 フーニャは嬉しそうにしています。

 得られるモフポイントが増加します。

 モフポイントが4回復しました』


 これでモフポイントが38になった。

 奴隷の首輪を外すために必要なモフポイントは35なので十分に上回った。


 ただもう少しだけフーニャの肉球を触らせていただく。

 フーニャの肉球はミカオとは違う。


 ベースのケモが違うのだから違うのだろうというがそれだけではない。

 ミカオの手はケモノと人の間のような形をしている。


 完全なケモノの前足ではなくデフォルメされていて物を掴んだりすることもできるようにやや人の手の形に寄ったようなタイプのケモッ娘ハンドである。

 対してフーニャの手は形状的にはほとんど人。


 ただ手にも毛が生えていて指先などに肉球があるという人の手がケモノに寄ったようなタイプの手をしている。

 そう、この世界はケモッ娘の幅も広いのである。


 レオが肉球を触るとフーニャは恥ずかしそうな、気持ちよさそうな声を出していた。

 レオもクニクニとしたフーニャの肉球を堪能してモフポイントを貯めた。


 肉球、柔らかくてキモティ。

 匂い嗅いだりちょっと軽く唇でハムハムしたいと思ったけれどそこは理性で耐え抜いた。


「それじゃあ首輪外すよ」


「うん」


『モフポイントを35使い、アンチマジックを発動します』


 レオがフーニャの首輪に手をかざして意識を集中させる。

 手のひらに力が集まっていくような感じがあって、それが首輪に向かって飛んでいった。

 

 パキンと音がしてフーニャの首につけられていた金属製の首輪が壊れて外れた。


「あ……」


 本当だった。

 最後までちょっとだけ疑っていたけどレオは本当に奴隷の首輪を外してくれた。


 フーニャの協力もあって奴隷の首輪を外すことに成功した。


「これで君は自由だ。奴隷なんかじゃない、ただのフーニャさ」


「ありがとう!」

 

 喜んだフーニャがレオを抱きしめた。


「ふおっ!? ぬぅぅん!」


『ケモッ娘フーニャをモフりました。

 濃厚接触モフです。

 得られるモフポイントが増加します。

 モフポイントが15回復しました』


 レオの体がミシミシと悲鳴を上げる。

 レオよりも大きなフーニャに抱きつかれたことでケモッ娘に包まれる天国を味わっているのだけど、忘れてはいけないのはフーニャは素手で人の首を折る力を持ってケモッ娘なのである。


 抱きつかれて鯖折りにされて物理的にも天に召されそうになる。


『モフポイントを17使い、身体能力を強化します』


 このままではせっかくケモッ娘がいる世界に転生したのに死んでしまう。

 しかしレオには放してくれとフーニャに言う選択肢もない。


 フーニャの気が済むまでモフハグを堪能するしかない。

 レオは今回復したモフポイントも全て使って体を強化してモフを受け入れる。

 

 モフポイントは残り1になったけれどフーニャのモフモフに包まれた喜びはプライスレス。

 むしろプラマイで言えば死んだってプラスである。


 変態の底力舐めちゃダメ。


「……はっ、大丈夫?」


「大丈夫さ……」


 体を強化していなかったら絶対に死んでいた。

 しかし今はモフがモフしてモフモフだったから幸せで死にそう。


「フーニャ?」


 フーニャがレオの前で両膝をついて床に座った。


「ありがと、ご主人様」


「ご」


「ご主人様ぁ〜!?」


 突然のご主人様呼びにレオも驚いたけれどミカオも顎が外れそうなほどに驚いていた。


「な……あぁぁん!」


「うわっ」


 フーニャはレオの手を取った。

 そして顔にゆっくりと近づけるとレオの手の甲を舌先で軽く舐めた。


 ザリっとした感触。

 思わずレオは声を上げてしまった。


 ミカオが気持ちの悪い声にドン引きしているけれどレオは今それどころではない。

 何をされたのかは分かっているけど分かっていないパニック状態。


 強いていうのならご褒美プレイとでもいうのかと膝から崩れ落ちそうになっていた。


「私……あなたについてく。ご主人様!?」


 何という破壊力のあるお言葉。

 完全に膝が砕けたレオをフーニャが抱きかかえる。


『ケモッ娘フーニャをモフりました。

 モフポイントが2回復しました』


 これもモフりになるらしくモフポイントが回復する。


「ついてくってのは……」


「解放軍のところに行った後もレオといる」


「こ、こんなのとずっと一緒にいるつもり!?」


 この子ってば、とフーニャに抱えられたまま嬉し涙を流しているレオをミカオは指差した。

 こんな変態についていこうとするなんて正気の沙汰ではないとミカオは思った。


 悪いやつじゃないけどと一応心の中で小さくフォローは入れる。


「ずっとかは分かんない。でも解放軍じゃなくてレオについてく」


「し……ん、むあぁ、好きにすれば……」


 信じられない。

 そんな言葉を言おうとしたけどレオに撫でられながら一緒に来てほしいなんてロマンチックに言われたら少し心が揺らぐかもしれないとミカオも一瞬考えた。


「ん、好きにする」


「一緒に来るのはいいんだけど何でご主人様?」


 別に主従関係でなくとも仲間としてついてくればいい。


「私を奴隷から解放してくれたから」


「奴隷から解放されたんだからご主人様なんて呼ぶ必要ないだろ?」


「ううん、私のお礼の気持ち」


「……分かったよ。とりあえずよろしくな、フーニャ」


「よろしく、ご主人様」


 丁寧なのはご主人様という呼び方だけで話し方は普通らしい。

 何とも不思議な関係であるがフーニャが仲間になった。

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