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三話
俺は八城彰太。
今日はおかしなことが起きている。
いつも一緒に登校してくる修也と有紗ちゃんが今日は別々に登校してきた。
しかも2人とも口を聞いてない。
・・・というかお互いに相手が気づいてない時に、相手の顔を見てて、気付かれそうになると、慌てて顔を背ける。
「修也。昨日有紗ちゃんと何かあった?」
俺は有紗ちゃんに聞こえないように訪ねてみる。
「実は…」
「なんだよそういうことかよ。」
「そういうことってなんだよ。悪いかよ。」
「悪くはないが、自分がショック受けることを考えれば、聞かなくてすんだな。」
「ああ…」
有紗ちゃんも同じことを言っていた。
しかもお互いに相手が自分のことが好きだとは気づいてなかった。
だけど俺がばらすつもりはない。
なぜなら自分で気がつくほうが大事だと思うから。
俺は ただの傍観者だからな。