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「異世界グルメ」を扱った異世界グルメ物が少なすぎない?

作者: ノワール

 個人的に、世界観の表現で食べ物の描写があるのがすごく好きだ。


 建物や生活様式、植生の違いなんかをさりげなく挟んでくれると世界観がぐっと想像できるし、

「未知の世界」を発見する喜びも楽しめる。


 なのに「グルメ」で検索しても「異世界に日本の料理を持ち込んだ」が多すぎないかね。


 異世界の話なのに思いっきり日本の食材で日本の料理を作っちゃったら、どんなに丁寧に描写しようとも「いやそれ知ってるし」ってなるから描写を読む必要ないと思っちゃうんです。


 もちろん話の面白さの方が重要だけど、玉ねぎ、ベーコン、オムライス、カレー、TKG…。

 ステータス制とレベル制とスキル制とアイテムボックスくらい萎える。

 もう本当にお腹いっぱい。


 そこへ行くと、その世界独特の食材を使って、調理過程は奇をてらう必要はないけど、未知の料理を描写されるとワクワクします。

 文面からどんな食材なんだろうと想像し、文面から未知の味を想像し、その物語にしかない唯一無二の世界を垣間見てワクワクしませんか?


 食事のマナーが違うかもしれない、服装や習慣に独特のものがあるかもしれない。

 まるで海外旅行のように楽しめます。


 最近のナーロッパ世界は生活習慣も言語も思いっきり型にはまっていて残念だと思います。







 X(旧Twitter)で「翻訳してるだけ」という意見を見たことがありましたが、それにしても違和感を感じることが多いです。

 例えば固有名詞。「剣」は異世界で剣を意味する単語を訳して「剣」と表記したと納得できます。

 でも国の固有の料理名である「オムライス」とか「ナポリタン」まで出てきて訳せるのおかしくない?


 現実世界でも世界各国で全く同じ料理なんてほとんどありません。

 ブルスケッタ、カナッペ、クロスティーニ。

 ラタトゥイユとカポナータ。

 粥とリゾットも違いますね。


 説明しにくいんですが、例えば「ハム」は元は英語ですが、日本語として定着してるのでハムでいいと思うんですけど、「ハモンセラーノ」とか「プロシュート」って言われると別物ですよね。それイタリアとスペインで違うぞ、と。

 で、異世界物語の食材の描写で「ハムを薄く切り」って言われてもまぁ許せるんですが、もし「プロシュートを薄く切り」とか言われたら「そこイタリアなん?」って思います。


 ラーメンとか寿司は滅多に出てこないし、出てくるとしたらちゃんと理由付けがあるんですよ。過去に転移者がいた、記憶持ちの転生者がいたとかね。「東の国の料理なんだ」も全然いいです。似てる国があるんだっていう世界観なだけなんで。


 でもオムライスが異世界で普通に出てきたら萎えません?

 醤油はだいたい無いのに謎にケチャップはあったり、マヨネーズは無くて主人公が作るとか。


 異世界なんでしょ?

 剣は剣と訳していても、意匠や材質が違うかもしれない。

 植生は当然違うんだから、「卵」は何らかの卵が食用であっていいけど、レタスやピーマンやニンジンがあってたまるか!

 肉も野菜も品種改良の永い歴史があるので、現代の野菜があるのも違和感ですしね。


 それと、日本料理を持ち込むパターンでも思いっきり家庭料理なの多すぎ!

 いやまぁ国によっては現実でも「日本のチェーン店の料理がすごく美味しい」ことは確かにあるから全否定はしないけど…。

 前述した通り素材のレベルが違うから全部美味しいかもしれないしね。特に労働者階級にとっては。

 サンドイッチなんかも日本のは美味しいっていうしね。


 でも流石に「カップ麵で貴族が感動」とかは違和感ある。


 異世界でも王侯貴族は贅を凝らした食事をしていると考えられ、そういった料理は現代でも伝統の料理として残ってますよね。

 そういうのが好きな人種、階級の人が、安易に誰も彼も日本の「家庭料理」に感動するかね。

 確かに中世イメージで労働者階級なら些末な食事だから、感動してもいいけれども。

 それでも結構古くから食べられていた料理なんかもあるので、その辺の時代考証を踏まえて考えてないと、違和感がありますよね。

 上流階級は古代ローマ帝国でも料理人を雇って様々な料理を生み出していたし、パスタは12世紀には一般家庭に広まっていたらしいです。

 逆に、割とシンプルな料理でも「発想が生まれるのが遅かった」為に歴史の新しいものもありますが、安易に現代の料理なんでも斬新に驚いてる描写ってのはなぁ。

 まぁ家庭料理の中でも、外国人に万人受けする料理やら、日本人誰もが大好きな最強メニューとかあるけども。


「自分が描いたその世界の人はどういう食生活で、このキャラなら立場的にこういう料理に慣れているから、日本料理のこれが喜ばれる」とかが本来はあると思うんですよね。

 そこまでいちいち考えるのは面倒だし、話の面白さには関係ないかもしれませんが…。


 でもなんか安易に日本料理なんでもウケさせるのはなんだかなーと思ってしまいます。

 誰か料理知識しっかりある人が小説書いてくれないかな(笑)


 酒も「ワイン」は葡萄酒ですよ。

 異世界に葡萄があるのか。

 まぁある設定でもいいけど、訳すにしても日本語に訳すんだったら「葡萄酒」で良くない?

 何故に英語に訳すの?まぁその方が馴染んでるからってことなのかもしれないけど。


 米が存在する世界だとしても、異世界の酒を「日本酒」って書かれたら萎えませんかね。

 例えばサンドイッチを「〇〇伯爵が考案したんだ、カードゲームの合間に食べられるだろう?」って描写して〇〇って名前にするだけで、「ああこの世界でも、地球と同じことを考える伯爵がいたんだな」って思えて、世界にぐっと奥行きが出ると思いませんか?


 日本語で馴染みない物ならそのまま書くのも仕方ないけどね。パンとかチーズとか。

 私はパンはその世界の言葉を作って、チーズは「乾酪」って書きました(笑)


 馬のいない世界だから「馬車」は出さない、とかね。

 まぁ設定ばっかで話がつまらなかったら本末転倒ですが。






 たまに異世界の食材で異世界の料理をしてたり、「描写的にアレを使ったあの料理だな」って分かるんだけど、作中ではあくまで現地の食材で作った現地の料理として描かれている。

 とかって作品があるとめちゃくちゃ嬉しいです!


 今のところ印象に残ってるのは「辺境の老騎士」と、「冒険者酒場の料理人」ですね。


 他にも面白いグルメ小説あったら教えて下さい!

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― 新着の感想 ―
ありきたりな料理しか出てこないのはそれしか知らないんだろうなって思うこれはもはや料理メインの小説なら知識不足って言われても仕方がない
[一言] 初めまして!ちょいとエッセイ一発ぶっ放そうかと思いサラサラと検索して引っ掛かりました。 さて、料理の話ですが…ホントそれです。お陰で「いやそーじゃねーよ」をこねくり回して異食材料理店って話…
[良い点]  正直、料理を含めて異世界の風俗や文化を具体的に描写するのは難しいですよね。ある程度の下地や知識がないと想像さえ出来ませんから。わたしは昔、銀英伝のフリカッセがわからずに???と、なってま…
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