15話 ゲームセンター
「さて、次はどうしようか」
今川焼きを食べ終わった俺と如月さんはこれからどうしようかと話し合っていた。
「如月さんはもう行きたいところ無いんですか?」
「うーん、流石に今回、色々と彗月くん連れ回しちゃったし彗月くんは普段どんなとこ行ってるの?」
そう言われ俺はしばらく考え込む。
そして、思いついたのはデートでは行かない方が良いと言われている。
「ゲ、ゲーセンとか?」
流石にこれは無いだろうと思いつつ提案をしてみる。
ところが俺が思っていたより如月さんの反応は良いようで
「ゲームセンター」
目に星が浮かんでいてソワソワしているのが目に見えるくらいには体が揺れ目を煌びやかに輝かせていた。
「行ってみる?」
そう言うと如月さん目を輝かせたまま大きく頷いた。
それを見て俺は近場のゲームセンターを検索した。
「如月さんってゲームセンター行ったことないんですか?」
さっきからウキウキが止まらないのか今にもスキップしそうなくらいにはウッキウッキである。
男からしたらあんまりゲームセンターって珍しく無いだろうけど女子ってそういうところ行かなそうだしなと思いそう質問してみる。
「一回だけ行こうとしたんだけど......人が多かったし目立ちそうでだったからね」
まぁ、ゲームセンターは人が少ないところもあるけど都会のゲームセンターって人多いし、そんなところに如月さんが入ったら悪目立ちしそうだよなと俺は納得する。
「彗月くんはよく行くの?」
「小学生の頃は暇な時友達と行ってましたね」
そう俺は懐かしむように言う。
「へーじゃあ、結構行ってたんだ」
「まぁ、本当に暇な時だけですけどね
中学になってからはすっかり行かなくなりました」
こうやって昔を思い出しながら話すと久しぶりメダルゲームがやりたくなってくるな。
そう思いながらゲームセンターへと向かったのだった。
〜♪
「なんか私が昔来たゲームセンターと違うね」
「俺も驚いてます」
ゲームセンターに着いたあと如月さんと一緒にゲームセンターを回っている。
昔と全くと言って良いほど変わったゲームセンターを見ながら歩いていく。
「あっ」
「何かありました?」
俺は如月さんが見ている方に視線を向ける。
それは一時期SNSで見る機会が多かった気がする洗濯機だった。
「確か、音ゲーでしたっけ?」
「これやろうと思ってゲームセンターに行ったんだよね!」
洗濯機を見た如月さんのテンションが一気に上がる。
俺も初めてこれの動画見た時やりたいなーって思っていたから丁度いいのかもしれない。
「せっかくだし、やりましょうか」
「そうだね」
そう言うと如月さんは何処かクールぶってはいるが、体が今にも動き出しそうで楽しみなのが十分に伝わっていた。
洗濯機にお金を入れてゲームを起動する。
「色んな曲ありますね」
「そうだね
取り敢えず知ってる曲入れてみようかな」
「俺も知ってる曲入れてみます」
そして、難易度を決めて左下のピンクに光っているところを押しゲームが始まった。
次々とリングが流れていくので、それをタイミング良く叩いていく細長いものも流れてきて、それを動画で見たように次々と出てくるリングを叩いたり腕を動かしたりしていく。
やっていくと分かるが体力結構削れるなと思いながら一曲目をクリアする。
曲が終わるとスコアのようなものが流れていく、正直良いのか分からず如月さんを見る如月さんの画面にはフルコンボと英語で映し出されていた。
「結構疲れるね」
等の本人は涼しい顔をしているが、このフルコンボの文字がどういう意味なのかを知っている俺は開いた口が塞がらないというかなんというか固まっていた。
「如月さんって結構ゲーム得意だったんですね」
「あんまりやった事ないから分かんないや」
正直どこかで如月さんはこうゆうのテンパって出来なさそうとか思っていたがだいぶ得意分野だったみたいだ。
リズム感がいいのかもしれない。
「まぁ、次やりますか」
「そうだね」
俺はさっきとは別の曲でプレイする。
フルコンボは出来なかったが案外簡単だったので難易度を上げてプレイしてみる。
そして、これがいけなかった。
簡単に言えば次々と出てくるリングに対応出来ずに遅れていきスコアは散々なものになった。
それと、焦りもあったのか体力がかなり持っていかれた。
これが最後だったのでありがたかった。
「あれ、如月さんはまだ出来るんですね」
「ボーナスステージらしいよ」
「じゃあ、終わるまで見てますね」
「正直、恥ずかしいからあんまり見ないで欲しいな」
そう恥ずかしがられた。
ただ、しばらくしてゲームに戻り曲が流れ始めた。
如月さんのプレイを見ていると体の動かし方が上手いなってそう思った。
ダンスでもやってたんだろか?
そんな事を思いながら如月さんが楽しそうに洗濯機を叩いているのを眺めている。
無邪気に笑いながら洗濯機を叩いている姿は学校の連中に言っても信じなさそうだなと思っていると......ふと何処かで見たような気がする。
その幼げな笑顔に子供の様にはしゃいでいる如月さん......
しばらく、何処かデジャヴの様な違和感を感じそれでもどうにか思い出そうとしていると
「はづきくん、おわったよ......はぁはぁ」
流石に如月さんも疲れているのか息を切らせながらコチラは寄ってきた。
「取り敢えず、飲み物買って色々見て回りましょうか」
「そうだね、喉カラカラ」
そう言って俺とか如月さんはゲームセンター内にある自販機でジュースを買うのだった。
ただ、頭の片隅には如月さんのどこかで見たことある様な笑顔が残っていた
あと一話か二話でデート編も終わりです。
次の話も楽しんでいただけたら嬉しいです。