10話 それから
短めです
あれから月日が経過していた。
そして、あの日から周りにかなりの変化が生じており如月さんは最近清水と一緒にいるとこを見るようになったことと清水が大人しくなってきたという事である。
剣城情報だが、清水は陸上部の先輩に謝り先生への対応も改めているらしく、最近では清水が狂犬と言われることは少なくなったらしい。
まぁ、これも如月さんが清水の手綱をうまく握っているのからかも知れない。
「ふぅー」
そんな事を考えているうちに目の前でやっていた課題が終わる。
俺は昼休み清水から呼び出され来るまでの時間に期末前の課題をやっていた。
「彗月くんそこ間違ってるよ」
「そうですか??!」
やっていたのだが、いつの間にか何故か隣に如月さんがいる。
俺はおどろが過ぎて声にならない声を上げた後に如月さんから距離を取り
「如月さんいつから居たんですか?」
「ちょっと前からだね
彗月くんは集中してたから声掛けなかったんだよ」
「まぁ、一応お礼は言いますけど、ビビるんで今度から
声かけてください」
「じゃあ、次からは大声出そうかな」
そう揶揄うようにの笑みを浮かべ、「ジョーダンジョーダン」となんとも信用できない言葉をもらった後、如月さんはご飯を食べ始めた。
「彗月くんは食べないの?」
そう俺が弁当を食べずに課題をやってるのが気になったのか聞かれる。
「時間あれば食べますけど今回のテストガチでやばい気がするんで勉強してます。」
「ふーん」
「如月さんは余裕そうですね」
「まぁね、家でも勉強してるし苦手ではないからね」
「羨ましい限りですね」
そう俺は自信満々の如月さんを恨みったらしく睨んだ後に勉強を再開しようと思ったのも束の間
「なんで、アンタ来たのよ!!」
聞き慣れた怒号が聞こえてくる。
そして、案の定、俺を呼び出した本人黙っていればお嬢様で美人な清水有栖が来ていた。
「お前に呼び出されたからだ」
「来なくてもいいって書いてたじゃん!」
確かにそう書いてはいたがそう書いたのは恐らく如月さんと二人っきりになりたいから来なくていいって事なんだろうな
「これで全員集まったね」
「如月さんが呼んだんですね
それで何かするんですか?」
そう言うと如月さんは少し深刻そうな顔をした後に言いづらそうに
「実は有栖が留年するかも知れないんだよね」
「私が留・年?」
清水ってそこまで頭良く無いのか?
まぁ、うちの高校は偏差値は低くは無いが授業さえ受けていれば点数は取れるらしいし大丈夫だと思うが、ただ、清水が授業を聞いてないと言う線はない訳では無い
そう、清水を見ながら考え込んでいたせいか
「何よその顔!私だって一様頑張ってるのよ!」
「まぁ、有栖は運動は出来るんだけどね
勉強は苦手らしくて昨日、小テストの点数見せてもらったけど......まぁ、うん」
だいぶひどいらしい。
「つまり、清水に勉強教えるって事なら俺も別に勉強得意じゃ無いですよ」
「それなんだけど、私も勉強そこまでだし二人集まれば文殊の知恵って事で、まぁ、一番は先生に聞くのが良いんだけどね」
まぁ、清水の性格を見るに先生の胃に穴が開きそうだなとは思う。
今は少し落ち着いてきたのか?評判自体は良くなって来ているそうだけど
「それで、清水は何が苦手なんですか?」
「うーん、全部かな」
「留年させましょう」
「なんでよ!」
だって、なぁー、偏差値は高く無いとは言え全教科赤点候補はかなりキツいだろ。
「まぁまぁ、せっかく一緒の友達になったんだし」
「友達.....」
清水はどこか嬉しそうに如月さんの言葉を繰り返していた。
やっぱり、いくら清水といえど友達は欲しかったらしい、まぁ、もしくは如月さんと友達だと言うことが嬉しいかの二択だろう。
「まぁ、わかりましたけど、いつ勉強会?するんですか?」
「土曜日に有栖の家でって事になってるね」
「アンタも来るの?」
「マジで留年させるぞ」
「はぁ?アンタが居なくてもこっちには風吹さんがいるから大丈夫よ!」
「まぁまぁ、正直、私一人で有栖の留年回避させられるか分からないから、ね?」
「まぁ、特別に許可してあげても良いわよ!」
「アリガトウゴザイマス」
マジでコイツ留年させてぇー
まぁ、それは置いといて清水の家ってどんなんなんだろうな
やっぱり、見た目通りのお嬢様なんだろうか
「それより、お前ってやっぱりお嬢様なのか?」
「なによ、その質問、普通よ普通」
「アレで普通って事はないと思うけど」
「如月さんって清水の家行ったことあるんですね」
「まぁ、一度だけ有栖に誘われてね」
どうやら、如月さんと清水は俺が思ってるよりも仲が良いのかも知れない。
それにしても、お嬢様ねー。
うちの近所にもクソでかい豪邸あるけど、この地域って金持ちがかなり住んでるのかね
「まぁ、そろそろ、時間だし連絡していくよ」
「わかりました」
そう言い俺たちは解散するのだった。
昼ご飯を食い損ねたのは言うまでもない