1話イケメン女子
2000文字を目安に書いています。
一人称で進みます。
花の匂いが香る。
辺り一面が花に囲まれ幻想的な風景が広がっていた。
そして、花びらが視界に映る中、俺に向かって手を振っている女の子がいた。
その姿は場所も相まって妖精が俺に向かって手を振っているその幻想的な中で俺は夢だと感じつつも彼女に向かって子供のように走って行った。
案の定、夢だった。
俺の視界には見慣れた白い壁が広がっており窓からは太陽の光が漏れ出ていた。
「はぁ、学校行くか」
良い夢を見ていたばっかりか現実に引き戻された時の消失感と言うか憂鬱感がすごいが、今日が授業開始日であると共に今日休んだら確実にぼっちになるので行くしか無い。
まだ、寝ぼけているのか俺はふらつきながらも顔を洗い服を着替え教科書を鞄に入れ始める。
教科書には彗月奏多と自分の名前が書いてるのを確認しながら入れていく。
そして、粗方準備が終わった後、俺は家を出た。
〜♪
学校に着いた後、自分の教室である1年A組を見た後、あまりに大きな人だまりに若干引き気味になっていた。
俺は近くにいるクラスメイトであろう男に話しかける。
「これってどう言う状況?」
急に話しかけたせいか少し肩がビクッと揺れていた
「イケメンがいるんだとよ。
さっき女子に話しかけたらそう言ってた。」
俺はある人だまりをよく見ると確かに女子が多く感じる。
「どんだけイケメンなんだよ」
俺は呆れながら言う
それに、男も同意するように頷く。
そして、そんな時にこの光景を聞きつけて来たのか
「そこ、溜まるな!」
と大きな声と共に少し歳の食った強面の男がやってくる。
「集まっている奴らは自分のクラスへ帰れ!」
その声を聞いた人達は教師の顔を見て一目散に去って行った。
そして、ついにあらわになったイケメンは狼の毛先のように乱れた髪に顔はシュッと整っており肌も高級アイスクリームのように滑らかであり確かにイケメンと言えるが服装を見れば100%女であった。
「めっちゃ、女やん」
俺はつい声が出てしまう。
そして、俺の近くにいた先ほどの男が
「どこを見て言ってるんだよ」
「どう見たってスカート履いてるだろ」
「ファッションだろ」
俺は男を正気かコイツと言う目で見ながら教室に入り指定されている席へと座った。
クラスの女子達はイケメン女子に愛のこもった視線を向けていた。
そして、そのあと少し気だるげでスーツに着られている様に見られる我らが担任が入ってきてホームルームが始まった。
〜♪
6時間目が終わり帰りのホームルームも終わり後は帰るだけの為、帰りの準備をしている最中に今朝出会いそこから交流の生まれた男である剣城拓巳が俺に声をかけてきた。
「彗月は部活どうするんだ?」
「決めてるな」
「おっ、なんだ?」
そう興味津々に聞いてくる剣城に向かい俺はニヤリと笑った後
「帰宅部」
「......」
剣城は真顔になり俺もニヤリと言った後真顔になる。
そして、しばらくの間沈黙.....
「剣城は部活決めてるのか」
俺は沈黙を破り話しだす。
それに、少し動揺しながらも
「バスケ部だな」
「陽キャだな」
「楽しいぞ?」
「俺はパスだな。
運動は苦手じゃ無いけど好きじゃ無いからな」
それに、剣城は嫌な顔せずに
「オーケー、とりあえず俺は先行くぞ。
ここのバスケ部遅刻にうるさいらしいからな」
答えた後、荷物を持って教室を出て行った。
それを見送った後、帰りの準備を終わらせた。
上履きを履き外に出る。
外には恐らく部活の真っ只中である生徒が走っていた。
俺はそれを片目に見つつ校門を目指す。
そんな時である恐らく空き教室であろう扉を通りかかったと同時に窓が開き
「おっ、どいてどいて!」
と、今朝の脳裏に焼きついた顔が目に映ると共に衝突、目の前が一瞬真っ白になり地面に尻もちをつく。
それからしばらくして目を開くと俺に覆いかぶさる様に人が乗っていた。
「大丈夫かい?」
上に乗っている人物からレモンの炭酸水の様な爽やかな声が聞こえてくる。
「取り敢えず退いてくれ」
と、上に人が乗っているせいか声が少し震えている。
そして、彼女はようやく気付いたのか慌てた様に飛び退く。
「なんか痛くないと思ったら君がクッションになってくれてたのか」
「好きでクッションになった訳じゃ無いけど」
「確かにそれもそうだね」
俺はようやく顔を上げ彼女と目を合わす。
それは今朝見た狼の様な長くも無い短くもない髪をしたイケメン女子だった。
改めて見るとイケメンでありどこか高級感を感じる様な佇まいに気圧されながら彼女へ問う
「えと、それで如月さんはここで何をしているんですか?」
つい気圧され敬語になってしまう。
そして、如月風吹という自己紹介で聞いた彼女の名前である。
名前にまでイケメン感が漂っているのだから相当である。
「なんで、名前知ってるのかと思ったら自己紹介ね」
「それに、如月さんは有名だから」
「目立ってるつもりは無いんだけどね」
それでもこのオーラなのだから相当なのだろう。
「それで、君は」
俺はじっくりと見る。
なんだがむず痒くなりながら
「彗月奏多です」
「彗月奏多.....良い名前だね」
ナチュラルに名前を褒められる。
その仕草が様になっているのだからイケメン女子は流石である。
「それで如月さんは何を?」
「あ、忘れてたよ。
実は女子達から逃げててね」
如月さんは自分が窓に映らない様にしゃがむ。
それと同時に女子の群れが教室を通り過ぎていくのが教室の扉の窓から見えた。
「大変ですね」
「ホントにね」
そして、如月さんは立ち上がり
「そういえば、ぶつかってごめん」
如月さんは少し萎縮しながら頭を下げる
「あっ、全然大丈夫です」
それに、少し驚きながらも答える。
「部活行くところだったりする?」
「帰るところです。」
「そうなんだ.......それにしては......
って、止めて悪いね。」
「あっ。いや全然、じゃあ俺帰りますね。」
それに、如月さんはうなづく。
そして、俺は荷物を持ちながら校門へと向かおうとした時
「彗月くん」
「?」
振り返って如月さんを見る。
それに、如月さんは笑みを浮かべながら
「また明日」
そう言ったのだった。
そして、俺は絵になる様な彼女に視線を奪われ我に返り手を振って帰路を辿るのだった。
ヒロインはウルフヘアーと検索してもらえればイメージ出来ると思います。
多分余裕で校則違反だろうけどフィクションなので見逃してください。
男主人公は地味目な良くも悪くも無い普通の容姿をしたtheラノベ主人公。
友人はなんかスポーツできる髪が尖ってそうな感じの男です。