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ここは異世界・・・・だけど荒れ地

神様と名乗る老人に神の力で俺はまた転生することになった。

そこまではまだいい。でも俺が転移された場所って・・・・


「……荒れ地じゃん」


そう草一本もない崖やら大地が広がる荒野だった。


「もう少しましな場所に転移してほしかったな・・・・」


俺は軽くため息をつく。小説とかアニメだったらふつうは町の近くの森だとか、どこぞの集落だよ。でも俺がいる場所は人気のない何もない不毛の土地。

なんでこんなところに転移させたのかわからなかった。いいや人の寿命のリストを誤ってシュレッダーにかけちゃうような神様だ。きっと転移もミスってここになったんだろ


「まあ、文句言ってもしょうがないか・・・・」


文句を言った手も始まらない。とにかく俺は今持っている物を確認した。学校の帰りだったから、学生服に鞄があるのは当たり前。だが、あの時なかった物があった


「うわ~浅黄のだんだら羽織に加州清光。懐かしいな~」


それは前世。俺が沖田総司だった時。そう新撰組にいた時に来ていた羽織と愛刀だった。まあ、羽織は目立つし返り血とかで汚れるし、何より高い服屋から注文したものだから羽織ったのは数回だけだったけど

そして俺の刀。加州清光。なんか現代日本にいた時に見たネットやアニメでは俺の愛刀は「菊一文字宗則」なんてことになってるが俺の愛刀はそれではない。「宗則」という名の刀は聞いたことがあるが、菊一文字なんて刀は聞いたことがない。ウィキによれば架空の刀みたいだそうだ。


「いや~本当に懐かしい」


俺は久しぶりの羽織と刀にしばらくはにこにこしていた。だって前前世の思い出が今目の前にある。そしてしばらく昔の思い出に浸り


「さて・・・・・思い出に耽るのはここまでにするか。まずは・・・・人の住む場所を探すか」


いつまでもこんな荒れ地にいたんじゃミイラになりそうだし、俺は人が住んでいそうな場所へと歩く。





歩くのだが・・・・・・


「一向に町とか村が見えない・・・・・・」


何時間か歩いたであろうか・・・・・一向に荒野から出ることもなければ村も見えない。そして何より


「はぁ・・・・食料と水。どうしよう・・・」


まさか異世界でこんな土地に送られるとは思っていなかったから、こうなるくらいならあの神様に食料と水貰っておくべきだった。そう思った


「これじゃあ、三度目の人生歩む前に、ここでぽっくり死ぬな・・・・」


日差しがきつい中、俺は汗を流しため息交じりに言う。どこか日陰のある場所はないか。探す。だが見渡す限りの荒野。建物どころか枯木一つも見えない。


「はぁ・・・・・・」


俺はため息をつき、そこに人が座れるくらいの岩があったからそこに座る


「異世界にきて、こんな目に合うなんて初日から運がないな・・・・・」


何度目のため息だろうか。俺はため息をつく。もうこの世界に来てため息しか出てこない。はぁ・・・・どうすればいいんだよ。幕末のあの頃でもこんな経験はなかったぞ?

もうすぐ日も暮れそうだし、ここで野宿するのか・・・・まあ野宿するのは別にいいけど転移して初日でこれとは先が心配になってきたよ。見渡す限りの荒野に見える大きなものと言っても切り立った岩壁ぐらい・・・・・


「・・・・・ん?」


俺が崖の方を見た時、何か違和感を覚えた


「なんだ?」


俺は立ち上がり、その崖の方へと歩く。ただの…ただの岩壁のはずなんだけど・・・・そう思いどんどん近づくとそれはただの岩壁ではなかった・・・・


「これって・・・・神殿か何かか?」


岩壁の岩肌には何やらドラゴンの彫刻が彫られていた


「何だこれ?龍か?でもなんでこんな荒れ地に?」


首をかしげながらも俺は壁に穴というよりは人工的に作られた入り口を見つける


「まあ見たところ人工物だし、雨風は防げるか」


それにもしかしたら人が住んでいるかもしれないし、そう思って俺はその中に入った


「うん・・・・薄暗いけどなかなか快適かな?掃除とかすれば」


誰もいないのに独り言を言う俺、中は暗く、人工物らしきものがあるがみんな蜘蛛の巣が張っていて人が住んでいる気配は全くなかった


「う~ん・・・・確かに人はいたみたいだな・・・・何百年くらい前だけど」


あたりをきょろきょろ見ながら俺はそう呟く


「はぁ・・・・まあ、砂漠で野宿するよりはマシか」


俺は祭壇らしかった場所にある椅子に座り周りをよく見る


「それにしてもここは何の神殿だろ?それに・・・・」


そう言い祭壇の壁に描かれている。龍を見る


「この龍は一体?」


祭壇に書かれた龍は。西洋よりもどことなく日本や東洋に似た龍だ。体は黒く立派な角。どことなく目つきがゴジラっぽい。その下に何か書かれているみたいだが、なんて書いてあるかわからない。


「それにしても立派な龍だな・・・・・この世界の守り神かなんかかな?」


龍の絵を見て俺はぽつりと呟く。すると腹の虫が鳴った


「そう言えば、ここに来てから何も食ってないな・・・・はぁ。今日の夕食。カレーだったのに」


二度目の人生の母の作るカレーはすごく美味かった。あれが二度と食べられないと思うとなぜか悲しくなった・・・・と、言うより本当に食糧どうしよう


「もう少し奥まで探すか・・・・もしかしたら何か食べ物があるかもしれないし」


うまくいけば、キノコか雑草でも生えているかもしれないし、万が一ない場合は最悪、虫を食べるしかない。

出来ればそれは避けたいのだが・・・・

そして俺はなにか食べるものが探したが結局のところ雑草はおろか虫一匹もいない


「・・・・・ん?」


あたりを探し、先ほどの祭壇に戻ると絵が描かれたところの下にしたに行く階段があった


「階段?さっきはなかったはずだけど・・・・・まあ、いいか」


なにか、あるかもしれないしそう思い俺は石造りの階段を降りた。どのくらい降りたかはわからないが着いた場所は暗く、そして肌寒かった


「ここは地下室・・・・・じゃなさそうだ。広いな」


最初は真っ暗であったが、時期に目が慣れてきて周りがどういうのか、わかってきた。向こうを見ると開けた場所があった


「何だろ?」


首をかしげそこに向かった。瞬間。急にあたりが明るくなった。壁側にあるたいまつから青白い炎が出て周辺を明るくしたみたいだが


「なんか、ゲームのワンシーンみたいだな・・・・こういう場合、ボスキャラとか出てくるんだっけ・・・」


元の世界では幕末にはなかったゲームとかやっていたっけ・・・・主に時代劇者だったけど


『なんだ?誰かがこの地に訪ねてきたのか?』


「・・・ん!?」


急に頭の中で女性の声がした。すると地揺れが起きる


「うわっ!?なんだ」


俺が驚いた瞬間。広間になっているところから黒い靄みたいなのが現れだんだんと大きくなる。そしてその靄はだんだんと何かの形となり、それは巨大な黒い龍・・・・そう先ほどの祭壇で描かれていた黒い龍であった

そして黒い龍は大きな咆哮を上げる。その咆哮は当たり中が激しく揺れ、もしかしたら天井が崩れ落ちるんじゃないかと思うくらいだ


『あ~あ。よく寝たな・・・・・ん?』


すると龍は俺を見ると


『ん?人間か?おかしな格好をしているが?人間を見るのは久しぶりだな?』


「あ…あの・・・・あなたは?」


龍が喋ったことに驚いたがここは異世界。龍がいてもしゃべってもおかしくはない。そう割り切って俺は龍に名前を尋ねると


『妾はイーヴィル。七神竜の一人であり、邪神龍の地位につくものなり!!』


その龍・・・・邪神龍イーヴィルと名乗る龍は高らかにそう名乗るのであった


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