良書追放運動
ときは2944年。地球ではないどこか。
その星の名は「道すがら星」。旧称「ほうりゅうじ座 クシー星」。
私は道すがら星に住む唯一の識者。
ここに住む者は皆、馬鹿なのである。
ここにやってきた先住民は地球にある日本という國からやってきたそうだ。
ここでは今AIA(All Idiot Association、全馬鹿連合会)が、950年前くらいにおこった悪書追放運動ならぬ、”良書追放運動”を行っている。
私:「なぜ、こんなことをするのですか?」
会受付役:「わいたちは馬鹿なんでさあ。こげんもん読んでなんのやくにもたたねえのに。」
抗議しても意味がない。
知り合いの佐熊に言った。
「良書を追放した、いったい何のメリットがあるんだい?」
「悪書だけになるのが、黒幕の望みなんじゃない。」
どうせこんなこと失敗する、そう思ったがここは馬鹿の世界。
なにもかも、それだけあほなことでも通用する。それがこの世界。
良書が存在しなくても、何のデメリットもメリットもない。
『ただいま、良書の追放をせんげんいたしますぅ』
ついに、道すがら人民政府首長が宣言してしまった。
私の悪書追放運動は、まだ道すがら。