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真実を見定めて~真弘side~

ーーー『真実』とは

ーーーーー少し時間を遡り⋯





「海里が彼女を⋯?」


俺の前に立つのは信頼出来る従者であり相棒の上條翔太だ。険しい顔をしながらこちらに言ってきた内容は双子の兄である海里が、婚約者である白石玲香が最近自分と親しい女子生徒を虐めていると責めたという内容だった。


「彼女がそんなことをするとは思えない⋯が、でも海里のことだから確証があって言ってるのかもしれ⋯」


「それがそうでもねぇんだよ」


「⋯⋯どういうことだ?」


「海里さんは証拠もなければ確証もなく園川梨沙の近くに彼女がいたからという理由で責めたんだ」


「⋯は?」


驚くのも無理はない。あの聡明な兄がだ。

いつも正しいか正しくないか慎重に判断している海里がまさかそんな理由で自分の婚約者を追い詰めていると言う理由に俺は心底驚いた。


「それは本当ですか?」


こっちに近づいてくるのは残り2人の従者である九條斗和と一條瑠衣だ。


「⋯でも確かに、玲香さん最近元気なさそうですもんね、⋯⋯生徒会もやめたみたいですし」


「はっ?」


生徒会をやめた?それって⋯。


「それ、僕も聞いた⋯、諸事情でやめたって」


斗和に続けて思い出したように言うのは瑠衣だ。

それを聞き、誰もが思ったことは。


「追い出された、か」


静かに呟く俺の言葉に誰もが否定をしなかった。

それから俺達は生徒会と彼女ーー兄の婚約者である白石玲香の周辺を調べた。主に動いてくれたのは従者の3人だが彼等の報告はどれも白石玲香は無関係ではないかという情報ばかり。


そんな時だった。ちょうど出くわしたのは。玲香と例の海里のお気に入り、園川梨沙が話す所に通りかかった俺は静かに見ていた。2人とも特に会話することなくどうしようか迷ってる様子。しかし、意を決したように玲香の方が彼女の目を見て話そうとした時、それは起こった。


「危ないっ⋯!」


玲香の悲痛の声の叫びの先には飛んでくるボール。俺もやばいと思い体が動こうとした時には園川梨沙の顔に当たって静かに倒れたのだった。


「大丈夫ですか!?⋯誰か、いらっしゃいませんか!?」


「⋯梨沙!?」


焦る彼女の声に反応したのは、運の悪いことに海里だった。そこに海里の従者達も集まってくる。

それと同時に。


「⋯真弘!なんか声が聞こえたけど⋯」


「一体何が⋯」


「あれは⋯!?」


ずっと様子を見ていた俺の近くに寄ってくるのはいつもの3人。


「なぁ⋯、あれって彼女がやったわけじゃ⋯」


「違う」


あれは彼女じゃなければここいにいる誰のせいでもない。それなのに。

目の前で責められる彼女。それに必死に返す姿は見ていてとても痛々しかった。

どうするべきかーー、悩んでると聞こえて来たのは翔太の焦る声。


「⋯!おい、真弘、あれヤバくないか!?」


その声にすぐに顔をあげると目に飛び込んできたのは玲香に向かい、手を挙げる海里の姿。


「⋯本当に、もう許すことはできないな」


ビクッとして反射的に目をつぶる彼女。

もう、見ていられなかった。

飛び出した俺は今にでも振り下ろされそうな海里の手を受け止める。


「⋯あんたは証拠もなく女性に手を上げるほど落ちぶれたのか?」


「⋯っ、真弘さん!?」


後ろで彼女の声を聞きながら海里の目を逸らすことなく言う。


「⋯どういうつもりだ真弘、そいつを庇うのか」


低い海里の声は他の者が聞けばビクつくだろうが俺には関係ない。俺は後ろにチラッと視線を向け、玲香が自分の従者達に守られてるのを確認し再び前を向く。海里は全て彼女が悪いというように言葉で責める。


「⋯もう真実が見えてるだろ」


「自分の目で見たわけじゃないのに『真実』なんて語るなよ、それともーーー俺の兄上どのはそんなことも考えられないほどその女に懐柔されたか?」


「⋯もういい、お前ら行くぞ」


馬鹿にするように言うと海里達は話をするだけ無駄だと判断したのか、去っていくのだったーーー園川梨沙を抱き抱えて。

それを見て再び怒りが込み上げてきて、何か言ってやろうかと思った時、それを遮ったのは彼女ーーー、玲香だった。


「⋯庇って頂きありがとうございます、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」


そう謝る彼女は酷く辛そうで全てを諦めた顔をしていたのだった。


お久しぶりです!

そして待っていてくれた皆様お待たせしました。だいぶ間が空いてしまって申し訳ないです。

やっと続きがかけました。これからもマイペース更新になってしまうでしょうが読んでくださると幸いです。


今回は真弘sideで書かせていただきました。

真弘の心情などを上手くかけてればいいな⋯と思います(笑)

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