第80話 拷問
江里さんがナニをしているのか、皆さんのご想像にお任せしたいので、江里さん視点はあえてお休みです(笑
狭いロッカー内。
目の前に江里さんがいるはずなのに……暗くて何も見えない。
唯一通気口から差し込んでいた光は江里さんに遮られ、自分の手すらも見えないような暗闇に僕らは包まれていた。
え、江里さん?
なんでロッカーに入ったんですか?
そもそもなんで入ろうと思ったんですか?
第一こんな密室に男女が一緒にいるのは問題だらけだと思うんですけどッ!?
下手に身動きを取れば“事故”が起きそうな気がしたので僕はじっとしていた。
「ドキドキ……する」
一切の雑音がない真っ暗闇のふたりだけの空間で。
吐息が直接掛かるような至近距離から、クリアに聞こえてくる江里さんの声。
視覚が閉ざされている代わりに聴覚が鋭くなっているのと、ここがロッカーという密室であることから、何気ない江里さんの呟きさえも放たれた鋭い矢のように飛んできて僕の精神を抉っていく。
「……え、りさん?」
「なぁに?」
「なんで……入ってきたんですか?」
「……昨日のお返しと……仕返し?」
……ニュアンスで分かった。
多分江里さんは今、首を傾げていると思う。姿が見えなくても何となくかわいい気がする。
「もう……終わりますか?」
「……ん? まだ、始まってない……よ?」
何を冗談言ってるんですかぁぁぁぁ!?
今のこの状況は健全な男子高校生には拷問なんですよ!?
僕が今どれだけ他の事に気を向けて、全力で生理現象を抑え込んでると思ってるんですか!? ……女の子には、分からないと思うけど。
油断すれば江里さん特有の清潔感のある甘い香りが鼻をくすぐるし、少し当たる柔らかい身体は僕の男としての本能を曝け出そうとする。
現状でそんなことになったら僕は社会的に死ぬ気が……いや、間違いなく死ぬと思う。
「……何するんですか?」
「……当てて……みて?」
その言葉の後に江里さんが暗がりの中、なにやら動き始めた。
僕の腰辺りに片腕が回ってきて、身体の前面に体温を感じる。
……間違いなく江里さんが抱き着いて来ているんだと思う。ってイヤァァァァァ!? 離れて!? 離れてぇぇぇ!?
僕、暴走モード突入寸前。
「くっついてる?」
「……あたりっ!」
僕の首元で江里さんの声がした。
そのご機嫌な声音はくすぐったくて……けれど心地好くもあった。
「君孝くん……良い匂いする!」
「や、やめてください!? くすぐったいです!!」
そのまま僕の首元に顔を埋めた江里さんが、匂いを嗅ぐように鼻を鳴らしたので慌てて抵抗した。……あの、そろそろ終わってくれないと僕が限界なんですけど!? 逝きますよ!? いろんな意味で逝っちゃいますよ!?
「……最後の……………………おしおき……」
「なにする――んぐぅっ!?」
やたらと長いための後、またしても僕の唇は塞がれた。
さすがにこの至近距離なら見える。
僕の目の間には昨日と全く同じ光景が広がっていた……。
目を瞑った江里さんの綺麗な顔がほぼ零距離にある。
完全にデジャヴだった。
もうこの手は昨日やられたので少しびっくりしただけで済んだ。
……どうせまた指で塞がれているのだ。
そして焦った僕を見て、いたずらっ子江里さんが笑う。……ここまでがきっと一連の流れ。
――なのでこのままやられっ放しというのもつまらなかったので、僕は反撃にでた。
江里さんが僕の腰に手を回しているように。
僕は江里さんの後頭部と背中に手を回して、抱きしめ返した。
「…… 」
僕の攻勢に驚いたのか、漏れた言葉が直接僕の唇に伝わってきた……………………え?
「んぐぅ……え、えりさん!?」
「……い、いやぁ……まだぁ…………だめぇ ……」
「ちょっとま――むぅっ!?」
一度顔を離したけど、またすぐに塞がれてしまった。
僕は思考を完全に放棄していたけれど。
そういえば昨日よりも唇を覆っているものは遥かに柔らかい気がするし。
それにどこかしっとりとしていて、柔弾力もあって……。
決定的なのは漏れた言葉の振動が伝わってきたことだった。
……もしかして江里さんは僕に本当にキスをしているのかな?
――いやいや、お仕置きって言ってたし……それはないか。
僕はあまり深く考えずに江里さんを抱きしめながら、されるがままになった……。
~レビューへのお礼~
アヒャァァァァッ!?(届いたドラクエⅪを天に掲げながら)
ドラクエⅪ! じゃなくてレビュー16件目!? FFすらも超えた!?(歓喜
早くドラクエやりたいのに、ブラックなお仕事のせいでやる暇ないです(´・ω・`)
宝くじ当たったらすぐ辞めてやるんだ!(遠い目
コイコイ様、中毒読者……略して中読者?(笑
レビューありがとうございます!
は、はやく糖尿病になってください!(期待の目
「……お砂糖に、する? ……はちみつに……する? ……それとも……グラブ・ジャムン?」(グラブ・ジャムン1kg缶を持った江里さん)※インドの激甘お菓子です。
すみません。
しきはら明日から1泊2日の出張です。
明日はとりあえず更新できません<m(__)m>





