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僕のクラスには校内一有名な美人だけどコミュ障な隣人がいます。  作者: 識原 佳乃
本編後半

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79/127

第77話 半田 吾輩は大熊猫である。名前は未だに無い。

 何となく第77話というラッキーな数字だったので、半田くんに気まぐれで登場してもらいました。

「そういえばさ~」


 今は昼休み。

 自席で何人かと飯を食っていたら、誰かが不意にぼそりと零した。

 梅干をおかずに白飯をかっ食らいながら耳だけを傾ける。


「江里さんと相田っていつから付き合ってんだ?」


 何気ない呟きは雑音を全て消した。

 俺の席に集まっていたやつ以外も興味があるのか、教室内全体が妙な静けさに飲み込まれた。


 あのふたりか……と言っても相田と江里の話題が上がらない日は無い。

 俺ははっきり言ってこの話しにはのりたくなかったので、“空っぽになってしまった胃”を満たすべく黙々と飯を食べ続けた。


 ……忘れもしない。

 あれはつい今朝の出来事だ。

 普段通りどんぶりで納豆かけごはんとたまごかけごはんとお茶漬けを食べたのに、調子にのって早朝ランニングの距離を倍にしたのがよくなかったのか。

 ……それともいちゃついてじゃれあうあのふたりを見たせいか。


 朝一で胃の中身が空っぽになった。

 飯の最中だからこれ以上は言わんが、まぁ、察してくれ。


「スポーツテストの時は……あん時はもう付き合ってただろ?」

「「「「「あ~」」」」」


 数人の心の声とでも言えばいいのか。

 重なった言葉は周りに伝播していき、口々に「だろうな」「絶対そうでしょ!」そんな肯定が飛んできた。

 やがて教室内に広まったこの話題は更に勢いを増して。


「……賭けしようぜ!!」

「なになにー?」

「どういうこと?」

「なんの賭けだよ?」

「面白そうだな……詳しく!」


 ひとりの何気ない提案に何人かが食いつき、気が付けば俺の机の周りにはあのふたりを除いた全クラスメイトが集合していた。


 ……そういや相田と江里は毎回どこかに飯を食いに行っている。

 てっきり食堂か中庭で食ってるもんだと思ってそこで飯を食ってるやつに聞いたことがあるが、どうやら校内一目立っているふたりはそこにはいないらしいのだ。

 うちの学校には食堂と売店はあるが、漫画などではよくある屋上も実に現実的な安全上の理由ということで解放されていない。……なので教室以外だと食堂か中庭でしか飯が食えないはずなのだ。


 ……それなのにいないふたり。


 始めはそっとしておいてやりたいと思っていたが……今ではむしろふたりきりでこのまま誰の目にも入らない場所で静かに飯を食ってくれと切に願っている。

 理由は言わんでも通じると思うが。


「いつからあのふたりが付き合っているかを賭けて、ピッタリ当てたやつは外したやつらからジュース1本ずつでどう?」

おけ(OK)!」

「いいじゃん!」

「なんか緊張してきたんだけどー!」

「もし当てたやつが複数人いた場合は?」

「均等に分けるでよくね?」

「うんうん」

「それ賛成(さんせ)ー!」

「っしゃ! それじゃあ――ジュース総取り! バカップル記念杯――賭け(ベット)開始(スタート)!」


 バカかこいつら。

 何してんだ。

 あと俺の机使うな。飯ぐらい静かに食わせてくれよ。


 弁当を食っている俺の机をわざわざ使って、誰が何日に賭けたかをノートにメモるクラスのアホども。


 そんなテンションの高いクラスメイトを見て、ひとつ言いたいことがある。

 賭けをするのはまぁ、いいとして。

 ……一体誰が答えを把握しているのか?


 勝手にワイワイと盛り上がる皆を見て心配になり、つい口を挟んでしまった。


「おい。それ答え合わせはどうすんだ?」


「………………」シーン


 ……やっぱりバカだった。


 どうやら誰も何も考えていなかったらしく、教室内にいる全員が下を向いて押し黙った。


 仕方ねぇな。

 助け舟でも出してやるか。


「ジャンケン負けたやつが相田に聞いてくるってことでいいんじゃないか? 江里に聞くよりかはマシだろ?」

「さすが半田!」

「半田くんナイス!」

「いや、さすがパンダ!」

「伊達に笹食ってねぇな!」

「ジャンケンか……絶対負けたくねぇ!」

「……負けられない戦いがここにある!」

「おっしゃ! 善は急げってことでジャンケンすんぞ~?」


 そこで俺は中庭で日向ぼっこでもしながら昼寝でもしようかと席を立ったんだが……、


「ちょ、待てよ!」

「半田くん、どこ行くのかな?」

「パンダ……貴様ァ逃げる気かァ!?」

「ゆ、許さん! 絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛!」

「おいおい、言い出しっぺがそりゃないぜ~?」


 まずキムタ○の真似すんな。全然似てなくてムカつく。

 それと逃げるのではなく、普通に眠いだけだ。今日は朝から色々あって疲れたんだよ。

 最後に、俺は助け舟は出したが賭けには参加すらしてないんだが? 何が「やれやれだぜ」なんだ? 投げ飛ばしていいか?


「そういや半田はまだ日にち決めてないのか? 早くしろよ」

「オッズが一番高いのは?」


 ここで断ろうものならよりめんどくさくなるのは確実な気がしたので、どうせならひとりで総取りしてやろうと大穴を狙った。


「え~っと…………実は付き合ってない……が誰も賭けてないな」

「ならそれでいく」

「マジかよ!?」

「勝負師だな」

「男……いや男の中の漢だな」

「よし、全員賭けたみたいだし、ジャンケンするぞー!」

「おっしゃぁ!」

「負けたくねぇ!」


「いくぞー? 最初はグー、ジャンケン――」


 総勢36人によるジャンケン勝負の火蓋が切られ、壮絶なあいこ合戦になるかと思いきや、あっさりと1戦目で勝負はついた。





 ――何故か俺のひとり負けという結果で。 ……なんでだよ! ふざけんな!


 とりあえずペットボトルのクマ笹茶を一口飲んで、喉を充分潤わせてから一言。

 ……魂の叫びだった。





「クマ笹茶飲んでる場合じゃねぇっ!」

~レビューへのお礼~

 Σ(・ω・ノ)ノ!な、何が起きているのぉぉぉぉぉ!?(部屋の中をぐるぐる歩き回りながら)

 14件目ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

 ドッキリ? やっぱりドッキリなのコレ!?

 りゅう(σ≧▽≦)σ様、お財布の中身は初めから入ってませんでしたよ?(笑

 レビューありがとうございます!

 何度か昇天済み…………安らかにお眠りください。アーメン\(^o^)/


「……りゅっ…………りゅうくんっ! ……………………ん゛~~っ!」(頑張ってこの→(σ≧▽≦)σを実行している江里さん)

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