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僕のクラスには校内一有名な美人だけどコミュ障な隣人がいます。  作者: 識原 佳乃
本編後半

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第71話 へんじがない。江里さんが そらねをしている ようだ。

 何とも言えない苦しそうな顔をした半田くんが、


「……うぉい! 何ふたりだけの世界に突入してんだよバカップル。……相田、クラスの奴が死ぬからマジで離れておけ。俺もこのままじゃ長くは持たん」


 僕らを見ながら言った。


 バカップルって……。

 確か前にも言われた気がする。


 半田くんのその言葉に変に冷静になりながら、江里さんにねだられるままに撫でていた手をパッと離した。

 江里さんが名残惜しそうな表情を湛えて僕を見てきたけど今は心を鬼にしなくてはならない。

 だって半田くんもいるんだ。恥ずかしすぎてこのままじゃ僕が先に死にそう。


「江里さん……そろそろ起きたいのですが」

「……………………ん」


 やっぱり不服そうに長い間をあけてからコクリと頷いた江里さん。

 よっぽど不満なのか、口がへの字になっていて不覚にもかわいかった。


 それからゆっくりと横にズレて、両膝をついて僕に向かって手を差し伸べてくれた。

 どうやら僕が起き上がるのを手伝ってくれるようだ……なんて女神なのだろうか。


「ありが――ッ!?」


 僕がその手を掴んで起き上がろうとしたら。

 ……何故か江里さんが僕の胸にぽふっという音とともに倒れこんできた。


 ちょっ!? なんでそうなるのぉぉぉぉぉぉ!?


 起き上がろうとした僕は当然江里さんを引っ張る形になる。

 だから僕は江里さんが踏ん張ってくれるものだと勝手に思い込んでいたら、どうやらそうではなかったらしい。


 ……もしかして江里さんふざけてる?


「……そーくんまくら……おやすみなさい」


 あ、これ絶対にふざけてるやつだ! ってこの状況でふざけないでぇぇぇぇ!?


 膝枕ならぬ胸枕。

 僕の胸を枕にした江里さんがこっちを向いて目を瞑りながら口元に笑みを浮かべた。


「えりさん?」

「…………」


 目を閉じて無言のまま、やっぱり口角を微かに上げる江里さん。

 どうやら起きるつもりはない様だ……僕は一体どうすれば?


「……訂正する」

「……はい?」


 僕がどうしようかとあたふたしていたら、なんでか口元を手で押さえた半田くんが真剣な眼差しをこっちに向けて言った。


「俺……もう限界だ……」


 それだけを言い残して、勢い良く後ろを向いた半田くんが教室から走り去っていってしまった。

 廊下から響いてくる勢いのある足音が、全力疾走していることを物語っていた。


 ま、待ってよ半田くん! 今、僕をひとりにしないでぇぇぇぇぇ!


「……勝った」


 半田くんがいなくなってしばらくしてから目を開けた江里さんが「かった」とだけ呟いて、今度はちゃんと僕を起き上がらせてくれた。


 かったってなんだ? 買った? ……意味分かんないよ。


 ――それから江里さんは何事もなかったかのように立ち上がって、自席へと戻って行った。

 しきはらのお休みは基本日曜日なのに、木曜日に出張命令。

 金土日って出張……あれ? 振休無いの?


 そんなこんなで投稿遅れてます。

 ただ今回はノートPC持ち込んだのでなんとかなりました(笑

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9月30日双葉社様から発売です!
cool

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