表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/127

第36話 江里美奈 期待を込めて

 ひとりきりの早朝の教室。そんな一切の音がない環境で私は考え事に集中した。


 相田くんが来るまで……まだ後数分ある。イメージトレーニングをするなら今しかない。


 私はバイブルの『めざせ会話マスター~全コミュ障へ捧ぐ~』を鞄から取り出して今日実行する計画を練る。

 今日は実行したいことがふたつもある。


 まず仲を深めるための手段その1。

 “名前やニックネームなどで相手を呼ぶ”。

 こうすることによって相手との距離感が縮まるのだそう。


 相田くんなら何と呼べばいいのか?

 きっと相田くんが昨日してくれたように名前で呼ぶのがベストなのかもしれないけれど、想像しただけで恥ずかしくなってしまう。


「き、君孝くん…………ん゛~~~~~っ!!」


 試しに呟いてみたけど誰もいないというのに、あまりの恥ずかしさから机に顔を埋めてジタバタしてしまった。


 ……わ、私にはいきなりハードルが高い! けど、相田くんは昨日私のことを美奈って呼んでくれたし……来たら頑張って言ってみよう……!


 その他に色々な呼び方を考えて、その1のおさらいは終了。


 次はその2。

 “携帯電話の番号などの連絡先を交換”。

 学校外でも相田くんとメールや電話が出来るのは凄いことです! これならまだあまり緊張しないでコミュニケーションが取れる気がします!


 ……ん。けれど、ひとつだけ問題が。

 一体どうやって連絡先を交換するのか?


 バイブルには例として会話の中でさりげなく交換する方法というのが載っていたのだけれど、そもそも上手く喋れない私には難易度が高めだった。

 ……なのでシンプルイズベスト、正攻法でいくしかない。


「携帯電話の、番号……ください……?」


 ……ん。なんとなく違う気がする。


「携帯電話、交換……してください……?」


 ……ん? これは絶対に違う気がする。


「携帯番号……教えて下さい!」


 ……んっ! これがベスト! これにしよう!


 後は交換してもらえたらちゃんとお礼を言う練習をしておこう。……連絡先を交換できた喜びで忘れてしまうなんてことがありそうだから。


「そ、相田くん……ん。こ、交換! ありがとうございます」


 ……バッチリ。ん~早く相田くん来ないかな? こんな時もメールが出来たらどれだけ楽しくなるのか。


 いつもならば廊下を歩く足音が聞こえてくるはずの時間なのに、と思っていたら……、


「おはようございます江里さん」

「……んっ!? ………………」


 いきなり引き戸が開いて、相田くんがそこに立っていた。


 な、なんで相田くんが!? 足音! 足音しなかっ……ん゛~~~っ!! 全然聞いてませんでした……。


 ――どうやら私はイメージトレーニングに没頭し過ぎて、相田くんの足音に気が付けなかったみたい……。

~心理学用語簡単解説~


第26話後編――“瞳孔が開いていく”――

 人は自分の好きなものを前にした時や、興味のある話しをしている時などに無意識に瞳孔が開きます。

 これは少しでも多くそのものを取り入れたいとする行動です。

 なので言葉やしぐさを隠せたとしても、この無意識下の現象は制御できないので、何かあったら相手の瞳孔を見てみるといいですよー!

 ……ただ、かなり接近しないと分からないんですけどね*笑*



第36話――“名前やニックネームなどで相手を呼ぶ”――“携帯電話の番号などの連絡先を交換”――

 これは解説する必要がないかもしれませんが、特に“名前やニックネームなどで相手を呼ぶ”というのは誰にでもつかえるのでオススメです。

 特定の人物にあだ名などを付けて呼んでいる人は、同性同士ならば仲良くなりたい、異性ならばお付き合いしたい、と考えていることが多いようです。

 誰彼構わずあだ名を付ける方は誰に対してもフレンドリーな方なので、あだ名で呼び返してあげると一気に仲良くなれますよー!



 こんなのじゃ消化不良だよぉー*笑*

 以上よしのでしたー! またねー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9月30日双葉社様から発売です!
cool

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ