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神の力を使って森を生き抜く 2

 さて、狼の魔物は【植物の王アムルタート】で倒すことができた。


 その狼の魔物はおそらく上級程度だろう。

 俺の肉体で気を失う程度で済んだのは運が良かったかもしれない。


 これが、災害級だったら俺は間違いなく死んでしまっていた。

 これからも相手の強さを見て注意していかなければならないな。


 俺の今回の失敗は理由は木で殺したのはいいけど、それが俺によって殺されたとなってしまうとは思ってもいなかったからだ。


植物の王アムルタート】と呼ばれるぐらいだから、俺に操られている植物は眷属みたいなものになって、俺に経験値が全て与えられるようになると推測できる。


 これは早急に俺自身の力を増やす必要があるな。


 そして、この森のことだ。


 魔物は魔素によって生まれる場合と魔物によって生まれる場合があったはずだ。


 俺に魔力がないため魔力に敏感なので、魔素が濃いか薄いかぐらいはわかる。


 はっきり言ってここは異常だ。


 元いた王城が3日間放置したコ◯ラだとすると、この森は開封した直前の◯ーラだ。


 この森に入るだけでは特に息苦しさは感じないが、霧がかかっていて遠くまで見ることができない。

 こんな時に普通の人ならば索敵スキルなどを使うだろうが、俺の場合は


「俺を中心100メートル以内に魔物いるか? いたら揺れてくれ」


 ………シーン


 こうやって植物の力を借りれば問題はなくなる。


「俺が倒れてから何回日が昇った? 正解の時に揺らしてくれ。太陽は一回も昇っていない」



 ーーーーザワザワザワザワ




 上を見ると、空のほとんどは木で隠れているが、昼間は隙間から太陽の光が見える。

 けど、今はその光がない。


 よって、転移したその日の夜だということがわかる。

 あまり長い時間寝てたら魔物に襲われたかもしれない良かった。


 結局は植物達が守ってくれるだろうけど、自分の寝てる間にそんなことが起こっていたらさすがに怖い。




 さて、まずは今後について決めなきゃな。


 この森は俺が強くなるには最適な場所だ。

 森は俺の見方だし、そこそこ強い魔物がかなりいるだろう。


 しかもこの森から簡単に出て、人里に簡単に行けるとは思えない。


 森の中や近くに人里があるのならば簡単だけど、少しでも離れていると植物に聞いてもわからないのだ。


 実は木と草には大きく差がある。


 その2つは意思疎通ができなくて、途中から森を抜けた後には草原などがあるはずだ。


 草原に人里があると草は知っているが、木が知る余地はない。


 よって人里を見つけるのは簡単ではない。


 見つかったとしてもこんなにいい狩場はないためこの森から出るつもりはない。


 3人には申し訳ないけど、少し合流するのは後になりそうだ。


 ここに長らく留まることが決まれば次は拠点が必要になる。


 拠点はやはり水辺がいいだろう。


 俺が植物を操れるとはいえ植物からは大量の水は出てこない。


 もしかしたら異世界なので不思議な植物があっても不思議ではない。


 植物探しは拠点が決まり次第始めよう。



「俺が飲めるような水があるところに案内してくれ」


 すると木が次々と移動して一本の道ができた。

 やはりここにある木は普通の木ではできないこともできるらしい。


 移動できる木なんて地球にはなかったから、さすが異世界と言ったところだろう。


「っとその前に魔石を回収しなければ」


 狼の魔物の心臓を辺りを斬って、魔石を取り出す。


 野球ボールぐらいあって結構大きい。


 魔石をポケットの中にしまって木が避けてできた一本道を暫く歩くと、一つの川があった。


 そこに近づいて水を見てみると、驚くほど透き通っていた。


 これなら飲めるかもしれない。

 勇気を出して手に水を溜めてそれを飲んでみる。


「ん!!! 」


 美味い。

 ここまで美味しい水は飲んだことがないな。


 地球じゃありえないほど美味しいから魔素がなんらかの影響を水に与えているのだと思う。


 王城の水は地球と同じような水だったしな。


 よし。拠点はここでいいだろう。



 次は……暮らしていくのに必要なものは……家だな。

 やっぱり自分が落ち着いて寝れる家が欲しい。


植物の王アムルタート】なら今日までに寝れるぐらいまでなら家ができる。


 よし! マイホームを作ろう!!



 1人で住むとなればそこまで広くなくていい。

 寝室、リビング、風呂、トイレ、洗面所ぐらいでいいか?


 風呂やトイレは後々頑張って作るしかない。


 まずは寝室だ。


 寝室は元の世界の自分の部屋を想像して作ろう。



 う〜ん。家って最初どっから作るんだっけ?

 確か俺の家の近くでも何回か家が建ってたからその時を思い出せば……


 そういえば最初は土台みたいなのを作ってたよな?

 確かコンクリートとかで作られてたっけ?


 土台の作り方なんて知らないし、俺は今コンクリートもなければ鉄もない。


 まず、この世界の家に土台なんて必要なのか?



 ………まともに作るのも面倒になってきたな


 よし。こうなったら……



「ゴチャゴチャ考えるのはやめだ」


 パッと決めてパッと作ってしまおう。


 俺は目を瞑り、想像する。


 まずは俺の寝室……リビング………よし完璧だ。


 そして、植物を生み出す能力と変形させる能力を同時に使う。



 暫くして、俺が目を開ける。

 すると、


「おぉ!」


 思わず声を上げてしまうほどの家がそこには立っていた。


 少し小さめでひっそりと森の中に立つ別荘と言ったところだな。


 やっぱりまともに作ろうとした俺がバカだった。

 俺の力を使えばこんなにも簡単に家が作れてしまった。


 前の世界では家を作ることなんてしなかったから、こんなにも完璧にできるなんて想像もしていなかった。


 そして材料にもそこそこ拘っている。


 日本を感じさせる家に住みたかったので、本当の家に使われている木を使った。



 まだ風呂とトイレはただの木の部屋だけにして、後から考えなければならない。


 お湯をどう沸かすか、水をどうやって流すか。

 いろいろ問題点がある。


 そこを今後の生活で見つけていかなければならない。

 さすがにこのきれいな水に尿を流すわけにもいかない。


 あぁ〜考えることがありすぎて頭が痛くなる。


 今は……まだ眠くないから9時くらいだろうか?


 腹が少し減ったけど、まずは風呂とトイレだ。


 俺は毎日風呂に入って汗を流さないと落ち着かないタイプだ。水浴びでもいいけど、できるだけ暖かいお湯に浸かって疲れを癒したい。


 そのためには、火を起こせるような植物が必要だろう。


 俺自身の知恵と技術では無理なので、魔法でも使わない限り火を起こせそうにない。


 風呂に入るたびに火を毎回起こすのは面倒だ。


 これから植物探しでも行くか。


 ★


「お! さすが異世界って言ったところだな」


 開始1分後、さっそく新しい植物を見つけてしまった。

 地味に普通の雑草でも


 ーーーーーーーーーーーーーー

【雑草(高級)】


 適温 -30度〜50度


 魔素が比較的多い場所に存在する。

 ただの雑草


 効果


 少しだけ頑丈



 ーーーーーーーーーーーーーー

 こんな風に少しだけ凄くなっている。



 ちなみに魔物に襲われることはいない。


 さっきは偶然魔物が周りにいなかったが、今は周りにたくさんいるはずだ。


 さっきよりも弱い魔物だけ俺の所に誘き出し、強い魔物は追い返すように植物たちに言ってある。


 あと、いくらこの森で迷子になっても心配ない。

 道は案内してくれと言ったら喜んで案内してくれる。



 そして新しい植物は白い草だ………



 ーーーーーーーーーーーーーー

【着色草(白 高級)】


 適温 0度〜30度


 魔素が比較的多い場所に存在する。


 効果


 この草から出る汁を付けるだけでなんでも自由に染めることができる。



 ーーーーーーーーーーーーーー


 異世界の植物はこんなのがあるんだな。

 なんでも自由にか……あいつらのところに戻ったら白髪にしてビックリさせてやるのも悪くないな。


 しかも(白)となっていることから他にもいろんな色があるんだろう。



 他にも探していると至る所にあるが、お目当ての物はない。


 30分ほど歩きながら探していると、緑色で少しだけ他の植物とは違う雰囲気の草が生えていた。


 ーーーーーーーーーーーーーー

【薬草(高級)】


 適温 0度〜30度


 魔素が比較的多い場所に存在する。

 普通の薬草とは比べ物にならない程の効果を発揮する。


 効果


 食べるだけで大半の傷は回復する。

 この草でポーションを作れば、いかなる病気や怪我を治せるようになる。



 ポーションの作り方


 略


 ーーーーーーーーーーーーーー


 凄いのが見つかった。

 食べるだけでもかなりの効果があるらしい。

 ポーションはスキルを持っていなくても、作れるような内容だった。


 けど文章が長すぎるて読むのが面倒な上に作るのに3日ほどかかる。


 俺は文を速読できるからあまり困らないけど、さすがにポーションの作り方だけで、100行近くあるのは頭がおかしくなりそうだ。


 この草にも触る。


植物の王アムルタート】は高級の植物を触ってしまえば、低級〜高級の植物は自由に出せるようになる。


 低級の植物を触っただけでは、低級しか出せない。

 中級を触った場合は初級と中級だ。


 ちなみにこの森の気温は20度ほどでとても過ごしやすい。


 この世界は一年中気候が変わらないらしいが、これだけ魔素が多いならどんな異常気象が起きても不思議ではない。


 これからその事についても気をつけなければならないな。


 取り敢えずイケメン野郎にやられた傷がまだ痛むので薬草を食べながら探索を続けようか。





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更新は明後日です。

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