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死のくびきより解放してやる
御庭外くんは僕のクラスメイトだ。
喋らなければ、なんとなくいい奴なんじゃないか。
そう、黙っていれば、だ。
「フーッ、ファッファッファーッ！
死よ、その深淵に潜む闇よっ！
今宵も俺様をつかむまでには至らなかったようだなぁ！」
あー、また始まったな。
僕、福和内家と御庭外家は隣同士だから、御庭外くんの声だけならよく聞こえるんだ。
御庭外くんの声だけね。
「俺様の肉体よっ、今まさに、死のくびきより解放してやるっ！」
はいはい。そうだね、毎日聞いているよ。
「俺様の勝ちだっ！ 五千五百五十五戦、全勝だあっ！
見たかっ、死を司る者よぉーっ！
俺様のビクトリーロードが今日も始まるのだっ！」
御庭外くん、毎朝同じ時間にうるさいなあ。
起き抜けに生きている宣言なんて、歳とってからでいいから。
これで起こされる身にもなってほしいよ。
ほんと悪い奴じゃないんだけど。
そう、黙っていれば、だ。
ほんと、歳をとると、朝目覚めるかってすごく大事だったりしますよね(^_^;)
