俺様の色に染めてやる
勢い任せの第二話です。
でも、短編集的な扱いなので、どこから読んでもとりあえずそれなりです。
御庭外くんは僕のクラスメイトだ。
喋らなければ、とりあえずいい奴。
そう、黙っていれば、だ。
授業中、ニヤニヤ笑いから小言が漏れる。
「クックック……いいぞ、いいぞぉ……」
それでも授業は進んでいく。
「フーッ、ファッファッファーッ! いいぞ、いいぞぉ! お前はこの俺様の色に染めてやるっ! 染め上げてやるっ! 黙ってそこに突っ立っておれ!」
御庭外くん、筆が乗るのはいいことだけど、流石に声がデカいぞ。
ほら、あの自由を重んじる美術教師でも限界みたいだ。
「おい御庭外、授業中だぞ静かにしろっ! それになんだ、石膏デッサンなのに絵の具を持ってくる奴がいるか!」
ビーナスの胸像の石膏デッサンだけど、色が付いたらものすごくエロいぞ、御庭外くん!
しかもうまい!
エロうまい!
男子の中には君の作品をガン見する奴もいるくらいだぞ!
何人かは鼻血を出す勢いだ!
それ以上に女子の視線が痛い! 痛すぎるぞ!
「ふははっ美術教師よ、俺様にはこの石膏も輝ける色に見えるのだ! そうだ、俺様の人生バラ色だ!」
御庭外くん、モノクロの石膏像も君には極彩色に見えることだろうよ。
君はすごいよ。
そう、黙っていれば、だ。
200文字の制限なしに、単発ネタを放り投げるというのも、また面白いです。
短いですけどね(^▽^;)