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内面をさらけ出してやる

 甲高い破裂音が、授業中の教室に小さく響いた。

 黒板とチョークがぶつかり合う音に紛れて、ほんの小さな音だっだんだけど。


「うわっ、くっせ! 誰か屁ぇこいてね!?」


 お調子者の男子がおどけて声を上げる。授業中なんだから静かにしていればいいのに。


 でも、そのせいでクラスの中が騒然とし始めた。

 まったく、小学生じゃないんだから。

 生理現象なんだからそこはスルーしてあげればいいのにさ。


「ちょっと、授業中なんだから静かにしなさいよ!」


 たまりかねてクラス委員長の鯉登こいとさんが非難の声を上げる。


「なんだよう、クラス委員長だからってえらっそうにさあ」

「そうだそうだ~!」


 調子に乗った一部の男子が騒ぎ始めた。


「黙りなさいっ、いい年して子供みたいに! みっともないと思わないの!?」


 鯉登さんの剣幕に怯んだのか、男子たちの騒ぐトーンが下がる。

 試験も近いっていうのに、いい迷惑だよホント。鯉登さんグッジョブ。


 それでもクラス中がひそひそ話やらでざわざわしているその中で、静かにうつむいている子がいた。


「あ……」


 顔を真っ赤にして。もしかして。


 そこへブーブークッションを思わせる大爆音が教室の後ろの方の席から響いてきた。


「フーッ、ファッファッファーッ!

 くだらんっ! くだらんわっ!

 そんなに体内の腐敗ガスが気になるというのであれば、さらに俺様の内側に宿やどりし熟成された空気爆弾を食らうがいいわっ!」


 御庭外おにわそとくんが大音声だいおんじょうで宣言すると、もう一度豪快な爆発音が聞こえてきた。


 硫黄の匂いというか、これじゃ異様な臭いだよ。

 まったく、何を食べたらこんな異臭騒ぎが起こせるんだか。

 まさに教室ガス爆弾テロの現行犯だよ。


「うわっ、御庭外! くっせぇ!」

「お前、御庭外じゃなくておなら外だよ!」


 男子を中心に爆笑が起きて、女子の中にも顔をハンカチで押さえながらもクスクス笑う子がいる。


「愚か者どもめっ、いだな? 吸ったな?

 ということは、だ。俺様が創り出した気のエネルギーをお前たちはその身体に吸収するえいよくしたということだ!

 この俺様に対して感謝することを特別に許してやってもいいぞ!

 フーッ、ファッファッファーッ!」


「うっぇ~、キモいこと言うなよー」

「窓開けろ窓~! このままだと密室殺人が起きるぞー!」


「お~い、お前ら、静かにしろー。授業再開するぞー」


 ドタバタした中で授業は再開され、この話はこれでおしまい。のはずだった。


 休み時間になって、僕は御庭外くんに小言をぶつけてみた。


「御庭外くんって、もうちょっとデリカシー持った方がいいと思うけどなー」

「何を言う福和内よ。出物腫れ物所嫌わずと言うだろう。

 出したいときに出す。こんなことごときで我慢なんぞよくないというものだ!

 フーッ、ファッファッファーッ!」


 またクラスの数人が御庭外くんに注目する。

 その中にいたあのうつむいていた子の視線が、ちょっと気になった。


「ま、それはないか」

「どうした福和内よ。早く行かないとサンドイッチが無くなってしまうぞ。

 一度に食べてもサンドイッチ、ってな!」

「あーはいはい。なんでもないよ、行こう」

「フーッ、ファッファッファーッ!」


 まさか、ね。

ちょっと下ネタに走っちゃいました(^▽^;)

日常あるある、かなあ。

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