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チューインガム

作者: 白い秋

口内を簡素な味が支配する

咀嚼するたびに味は落ちていき

人工の憎たらしい味が広がっていく


人生なんてこんなものだ


少年の頃感じた新鮮さは噛み締めるたびに薄れ

味わいがなくなった頃には

誰かに形造られた世界が顔を出す

いつか俺はこの世界の味に飽き

汚ならしく灰色のアスファルトに吐き捨てるのだろう


少年の頃の俺は

無味乾燥としたこの世界にどのような味を感じていたのだろう

合成着色料まみれのこの世界にどのような鮮やかさを見いだしたのだろう


全ての味わいは誰かに操作されたものであり

全ての彩りは誰かがペンキで塗りたくったものである


それにしがみつくものは少なからずおり

だからこそ噛めば噛むほど幻滅するものも売れているのだろう


どうせならば

スルメイカを味わえる世界に生まれたかったものだ



ゴミを包む為の紙は未だ……見つからない

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