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魄、落つる  作者: 高原 景
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 明日クジョウの体のことについて話をしようという、リラの言葉は果たされなかった。クジョウが二日、一度も目を覚まさずに眠り続けたからである。医療所では他の兵士の目があるため、クジョウは医療所の隣りにあるリラの居室へと移された。

「心配ないわ。眠ることで消耗した体を癒そうとしているのよ」というのがリラの言葉である。シンカゲはそれを信じるしかなかった。シンカゲ自身はクジョウを置いて屋敷に帰る気にもなれず、結局は屯所の宿所で寝泊まりすることになった。

 シンカゲにとってその二日間は気持ちの整理のためにむしろ良かったと言える。クジョウがであるという、その事実を受け入れる時間だけは十分にあった。

 眠り続けたクジョウは、三日目に漸く目を覚ました。そのことを、シンカゲは朝一番に医療所に顔を出して知った。

「リラ、クジョウの様子はどうだ?」まだ眠ったままだ、という昨日同様の言葉を予想していたシンカゲだったが、リラの答えは違った。

「裏の畑に薬草を摘みに行っているわよ」

「目覚めたのか!?」一拍置いて問うたシンカゲに、リラはにこりと笑って頷く。あたふたとしながら、シンカゲは矢継ぎ早に続けた。

「何時目覚めたんだ? しかも薬草を摘みになど、そのようなことをしていいのか? いきなり動くなんて……」

「目覚めたのは明け方よ。すぐに動くのはどうかと思ったんだけど、体が大分楽になったとかで、寝ているとかえって落ち着かないと言うのよ。確かに睡眠は十分にとれたわね」

 そういう問題だろうか、と思うシンカゲである。なおも言い募ろうとして、シンカゲは背後から響いた声に言葉を呑み込んだ。

「シンカゲ」ただそれだけの呼びかけに鼓動が跳ねた。振り返る。医療所の戸口に、薬草が入った籠を抱えたクジョウの姿があった。髪を一つに束ね、飾り気のない医療兵士の衣服を纏っている。シンカゲは咄嗟に言葉が出なかった。クジョウも言葉を選びかねているのか、困ったような表情でシンカゲを見詰めている。

「……もう、体は大丈夫なのか?」

「うん」

 沈黙が落ちる。シンカゲはもどかしさに歯噛みする。もっと伝えたい気持ちがあるように思う。だが、それはあまりに捉え所がなく、言葉にならないまま溶けてしまう。

「クジョウ、薬草をこちらに持ってきてちょうだい」

 リラの声に、クジョウは僅かにほっとした様子を見せた。籠をリラに差し出すと、リラは「ありがとう」と一つ頷いた。リラはシンカゲを見やり楽し気に笑った。

「そんなところに突っ立っていないで、ここに座りなさいな。まだ鍛練が始まるまで時間はあるんでしょう? クジョウの作業を手伝ってあげて」

 シンカゲは指示されるままに椅子に座る。リラは「じゃあ、私はクジョウが目覚めたことをスイレンに知らせに行くわね」と一言、医療所から出て行った。意図的に二人きりにされた気がしてならないシンカゲである。シンカゲは傍らに座るクジョウを見やった。クジョウが素早く眼差しをシンカゲから逸らす。それにシンカゲの胸の奥がざわめいた。

 気まずい沈黙を、シンカゲは破る。

「で、何をすればいいんだ?」

「なるべく形を壊さないように葉を茎から千切るんだ」

 言いながら、クジョウが見本を示す。爪程の大きさの葉を器用に茎から千切り、器に入れていく。繊細な指先の動きを見詰め、シンカゲも見よう見まねで作業をはじめるが、こちらはクジョウのようにはいかない。簡単なようでいて、柔らかい小さな葉は力を少し込めただけで破れてしまう。茎も細く、手に持てばいかにも頼りない感触だった。暫く無言で小さな葉と格闘し、シンカゲは漸く問うた。

「本当にもう大丈夫なのか?」

「うん」

「リラは体の回復のために眠っているんだと言っていたが、あのように眠り続けることはよくあるのか?」

 これにクジョウは首を振る。「俺もこんなことははじめてだ。そんなに眠った感覚じゃなかったから、リラに聞いて驚いた」

 どこか沈んだ口調だった。クジョウ自身が体への不安を覚えいている筈だというリラの言葉を思い出し、シンカゲはつとめて明るい声を出した。

「いつ目覚めるかと、あのスイレンでさえ気にしていた。口ではどうこう言いながら、クジョウのことを案じているんだ」

「そうか……スイレンが」言いながら、クジョウが仄かに笑みを浮かべる。それを横目に見て、シンカゲの胸中が再び揺れた。

「リラから、シンカゲも案じてくれていたと聞いた」

 クジョウがつと眼差しをシンカゲに向けた。真直ぐに見詰められてシンカゲは言葉を忘れる。だがそれも束の間、すぐに逸らされた視線にシンカゲが感じたのは、もやもやとした惑いだった。それは微かに熱を帯びる。

「ありがとう」ぽつりとクジョウが言った。「助けてくれたお礼を、まだシンカゲに言っていなかった」

「俺のせいであんな目にあったのに、礼なんて言わなくていい」

「あの時……」ふとクジョウが言葉を途切らせた。「地下でシンカゲの声が聞こえた気がした」

 呟くような声だった。シンカゲの問う眼差しに、クジョウは「何でもない」と小さく頭を振る。

「考えてみれば、シンカゲに助けられたのは三度目だ」

「三度? 二度じゃないのか?」

 今回の一件と、ハザカイの森で起こった変動の時と――

「それから、スイレンからも助けてくれた」

 そういえば、とシンカゲは思い当たる。スイレンははじめクジョウを殺そうとしていたのだ。スイレンが任務のためとあらばどこまで非情になれるか、シンカゲは知っている。クジョウをリュウドウに連れて来るということも、一か八かの危ない賭けだった。

 今もまだ――そう思い、シンカゲは暗い物思いに捕われる。スイレンの態度から、クジョウに対してはじめのような警戒や敵愾心を抱いているとは思えない。むしろクジョウのことを気に入ってすらいるだろう。だが、カガリの意向とあらばどうなるかわからない。

 それに加え、新たな懸念があった。

 ――このままでは、遠からずクジョウは命を落とすことになるかもしれない。

 リラの言葉を思い出し、シンカゲはクジョウを見詰めた。本当に体は大丈夫なのだろうか。クジョウは自身の痛みに対して無頓着なところがある。口に出さないだけで、実際には辛い思いをしているのではないだろうか。

「シンカゲ?」問われて、シンカゲは我に返る。クジョウの瞳が向けられていた。

「いや……ハザカイで、よく俺達の依頼を受けたな、と思って」咄嗟に、シンカゲは言う。だが、それは実際に長く彼が抱いていた疑問でもあった。この際、とばかりに続けて問うた。「いくら使いとしての経験が浅くても、俺達のことをあやしいと思わなかったか?」

 クジョウはゆっくりと瞬いた。過去へと思いを馳せているのか、小さく首を傾げる。

「確かに……少し変わった二人だと思ったけど。でも森に呑まれた人がいるのなら、そんなことは言っていられない。特にあの時の変動は大きかったから」

 当然のことだ、という口調に、シンカゲは内心で恥じ入る。クジョウには打算など欠片もない。森に呑まれた人を助ける、それが全てだったのだろう。

「それに、多分俺の方が多く嘘をついているから」囁くような声音だった。

「嘘?」

「俺はシンカゲ達に幾つも嘘をついている。あの時、蠱使いの修行を終えたばかりだと言ったけど、あれも嘘だ。実際にはもう何年も蠱使いとして森を渡り歩いている」

「そうなのか」

 シンカゲの声に籠る驚きに、クジョウは苦く笑った。

「蠱使いとして旅を続けて、もう八年になる」

 八年――シンカゲは絶句する。クジョウの年恰好からすると、十歳になる以前から蠱使いとして旅をしていた、ということになる。だが、クジョウは岐だ。人と同じように考えてよいのか、シンカゲにはわからなかった。ぽつりと問う。

「たった一人で?」

「ああ。ずっと一人だった。色々な場所に行ったけど、いつも通り過ぎるだけだったな」

 と、クジョウの肩に蠱があらわれた。抗議するように鋭い鳴き声をあげる。

「もちろん、蠱がいつも一緒にいたけど」

 クジョウがふわりと笑い、優しく細められた瞳に睫が濃い影を落とした。

「まだ他にも嘘があるのか?」

 思わず問うたシンカゲに、クジョウは寂し気に笑った。

「たくさん。でもどこまでが嘘で、どこまでが本当か、今となっては俺にもわからないんだ。本当の自分なんてもうどこにもいないのかもしれない」

 まるでクジョウという存在そのものが偽りであるかのように。

 シンカゲの中で何かが揺れた。熱い思いが込み上げる。クジョウの、逃げるように伏せられた眼差しがもどかしい。その体を引き寄せ腕の中に閉じ込めて、月の光を集めたような瞳をただ己にだけ向けさせたいと思う。確かにそこに在るのだと、互いの体温が溶け合う程に――

 突然の衝動に鼓動が揺さぶられる。

(何を馬鹿なことを……!)

 だが、衝動を打ち消そうとすればするほど、思いは歯止めがきかない。無防備に晒されたクジョウのすんなりとした首筋が目についた。手を伸ばせば、苦もなくその華奢な体を腕の中に捕えることが出来るだろう。地下でクジョウを抱き上げた時の体の温もりまでもが思い出されて、シンカゲは慌ててクジョウから目を逸らした。

 シンカゲは手元の作業に意識を集中する。鮮やかな緑の葉を千切り、また千切りしているうちに、心持は大分落ち着いてきた。衝動が一時の気紛れだと思える程に――そして、気紛れにしては生々しく、気の迷いにしても誰かに対して今まで一度もそのような思いに駆られたことがないと自覚する程に。

 やがて廊下の先から響いて来た足音にシンカゲは安堵とともに僅かな落胆を感じた。二人きりの静けさ、そこにあるのは気まずさだけではない。手を触れればたちどころに溶けて消える雪の結晶のように、ほろ苦い甘さがある。

 戸口にあらわれたのはムラセだった。「目が覚めたんだね」気安いムラセの言葉に、クジョウが小さく頷いた。微かな笑み――シンカゲには見せなかったそれだ。落胆の度合いが広がる。それには気付かぬ振りで、シンカゲはムラセが腕に抱えた荷物に目をやった。布に包まれ、結構な大きさである。

「何だそれは?」

「シンカゲへの預かり物だ。さっき門のところでアワユキに渡された。着替える衣服が必要だろうとわざわざ持って来たみたいだね」

 この二日屋敷には帰っていないが、シンカゲが屯所に入り浸って数日屋敷を空けることはそう珍しいことではない。しかしアワユキがこのようなことをするのは初めてだった。不審に思いながらもシンカゲは差し出された荷物を受け取る。広げてみると、シンカゲだけではなくクジョウの分の衣服も入っていた。それに、クジョウが驚いた表情を見せた。

「アワユキは何か言っていたか?」

「ああ、今は冷静になれないからシンカゲには会わない、とね」ムラセがあっさりと言う。シンカゲは複雑な心境に陥った。自分の気持ちを伝えてから、アワユキとはまともに顔を合わせていない。

「それで、シンカゲに聞いてほしいと頼まれた。シンカゲとクジョウが屋敷に帰るのはいつか、カガリも気にしているらしい」

「今日中には一度帰るが、クジョウも俺も当分は屯所で寝泊まりすると言っておいてくれ」

「どうもアワユキに伝えるのは気が進まないな……」

 苦笑を含んだムラセの呟きだった。

「すまんが、頼む」シンカゲの言葉にムラセは仕方ないとでも言うように肩を竦め、医療所を出て行った。

「心配しなくても、もう黙って逃げたりしない」そっと、傍らでクジョウが言った。

「ああ。でもカガリのことだ。そうでも言っておかないと承知しないだろう」

 無論、クジョウが屯所に身を寄せることをカガリが了承するとは思えないが、こうなっては無理矢理にでも認めさせるしかない。シンカゲがともにいれば言い訳もたつだろう。少なくとも、カガリは監視役としてのシンカゲを信頼している。

「こんな風に互いの自由を縛ることになるなら、ハザカイで出会わない方がよかったね」

 ぽつりとクジョウが呟いた。その言葉がシンカゲの胸の奥に喰い込む。その痛みに、シンカゲは束の間手を止めた。

「俺は、クジョウに自由を返すまでは傍にいると決めた。別に自分の自由を犠牲にしているわけじゃない」

 思いの外素気なく響いた己の声に、シンカゲはクジョウを見ることが出来ない。心の底からの思いを言ったつもりだったが、舌の先に偽りの味があった。少し前までの真実――だが、そこに今までにはなかった惑いがある。地下でクジョウを抱き上げた時に感じた狂おしいまでの思いは、いまだに胸の奥で燻っている。それが何か、シンカゲは敢えて考えないようにする。

 考えてはいけない。気付いてはいけないのだ。その体を腕に捕え、二度と逃れられぬよう強く抱き締めていたいと――そう一瞬でも思ってしまったことを。例え自由を奪うことになろうともこのリュウドウに繋ぎ止めておきたいと、ほんの僅かでも心の底で願ってしまったことを。

 何が偽りで何が真実か――自由を返したいという思いに今も変わりはない。対極にある思いは偽りに過ぎない。そうである筈だし、そうでなければならない。

(クジョウはいずれはくになる)

 シンカゲは己に言い聞かせた。魄は人とは異なる命。そして魄と人が交われば悲劇が生まれる。シンカゲ自身の過去に澱む魄への憎しみもまたその一つ――魄と人は決して相容れぬ存在なのだ。

 朝の光の中で、静寂に沈む沈黙がシンカゲの鼓動を冷やしていく。だが、舌先に残る苦さは、何時までも溶けずに残った。



 ムラセは門まで引き返すと、道の向こうに立つアワユキへと手を振った。白地に深い紅を重ねた衣を纏うアワユキの姿は一際華やかである。

「シンカゲは今日中に一度は屋敷に戻ると言っていたが、当分は屯所で寝泊まりするつもりらしい」

 シンカゲの言葉を伝えると、アワユキの表情が険しくなる。

「クジョウもそうなの?」

「リラの発案なんだ。クジョウの体調がどうも優れなくてね、屯所にいれば何時でも診察が可能だということで、暫くは屯所で預かりたい、と」

「シンカゲはクジョウのために屯所に留まる、ということなの?」

「さあ、そこまでは聞いていない」

「どうして聞いてくれないのよ」不満の籠ったアワユキの声音に、ムラセは苦笑を返した。

「それはアワユキ自身がシンカゲに聞くべきじゃないか? 私にそこまで言われても困る」

 アワユキは憮然とした表情でムラセを睨みつけたが、やがて小さく溜息をついた。

「確かにそうね。でも今会うと嫌なことしか言えない気がするのよ」

「だから会わない?」

 ムラセの問いに答えず、アワユキは緩やかに波打つ艶やかな髪を一房指先でいじりながら朱唇をすぼめる。

「知らないようだから言っておくけど、あのクジョウって子、男の子じゃないわよ。女よ」

「知っているよ」

 アワユキは目を瞠り、ムラセを見上げた。何かを言いかけ、息を呑む。囁くように問うた。

「シンカゲも知っているの?」

「ああ、少し前からね」アワユキが唇を噛み締めるのを見詰め、ムラセは問うた。「どうしてクジョウが女性だと? クジョウは自分からは決して言わないだろう?」

「わかるに決まっているじゃない。同じ男を好きなんだから」

 潜めた声に鋭い響きが籠っている。どうにも言葉足らずだが、ムラセにはそれで十分通じた。

「なるほどねえ」思わず呟くとアワユキが険悪に睨みつけてくる。ムラセはどこ吹く風で、今思いついたように言う。

「そういえば、アワユキは何故クジョウがカガリの屋敷に逗留しているか知っているかい? 何か事情がありそうだね」

 自然に問いかけたつもりだったが、アワユキの瞳が細められた。険を含みながらも蠱惑的な笑みがアワユキの顔を彩る。

「知らないわ。お兄様もシンカゲも、私には何も教えてくれないもの。それに、もし知っていてもあなたには絶対に教えない」

「それはまた何故」

「あなたが嫌いだからよ」

 ムラセは目を瞬いた。これはまた何とも直截な言葉である。シンカゲと親しくしている間柄、アワユキと対することは何度もあったが、嫌われているとはついぞ気付かなかった。

「私は君に嫌われるようなことをしたかな?」

「別に。でもあなたは私と似ているような気がするから嫌いよ」素気なくアワユキは言う。

「私は君ほど我儘ではないよ」

「そうかしら? 隠すのが上手なだけでしょう? 穏やかに見せかけて全部計算ずく。狡猾で、貪欲で、心の中ではいつも相手の弱みを探してるの」

「それはまたえらい言われようだな」

「あら、当たっていないかしら? あなたの笑顔は曲者だけど、私にはわかるわよ。あなただって私と同じよ。目の前に欲しいものがあれば、きっと我慢が出来ないわ。どんな手を使っても自分のものにしようとする、そんな人間よ」

 きっぱりと断定して、アワユキはつんと顎を上げた。

「私は隠していないだけ。その点、あなたよりはましね」言うや、アワユキは振り返りもせずに去って行く。

 ムラセは呆気に取られてその背を見やる。怒りは湧かなかった。どうにも八つ当たりの対象にされたとしか思えないのだが、アワユキの立場を考えれば、言葉を刺で覆わずにはいられない、その心情もわからなくはない。

 それに、とムラセは苦笑を浮かべる。アワユキの言葉はあながち的外れではない。シンカゲなどは何事も真正面から受け止める性質たちだが、ムラセは常に物事の背後にあるものを考える。己が表に出す態度と、内に秘める思いとが、時にかけ離れたものであることを知っているからこその習性だと、そういう自覚はあった。

 ムラセの穏やかな態度は、内心を悟らせずに相手の思惑を秤にかけ、そしてそうと知られずに自分の望みを相手に通すための一つの手段でもある。狡猾と言われれば、その通りだろう。感情を躊躇いもなく出すアワユキとは対照的だが、何よりも自己本位であるという点ではいい勝負かもしれない。アワユキがムラセを嫌っているならば、どこかで己自身に対する嫌悪があるのだろうか。

(だからこそ、正反対の相手に焦がれるんだろうね)

 心の内でアワユキに呼びかける。言えば、また睨まれるのだろうが――。

 ムラセは束の間浮かべた皮肉な笑みを穏やかな表情の下に隠し、屯所の中へと戻った。

 気がそぞろでなかなか書けず、少し間があきました。

 今回あたりからシンカゲに漸く火がついたか? という感じで。クジョウのことを少年だと思い続けていたら絶対にいつまでたっても恋愛感情なんて持たないので、予定より早く女性(今のところ完全な女性ではないですが……)だとわかる設定にしたのですが、それでもなかなか進展せず。でも恋愛ものを銘打っているのですから、少しは熱くしていきたいものです。

 ではでは、今後ともよろしくお願いいたします!

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