2/22 熱喪った焔
こんにちは、まっちゃです。
今話はいつもとは違った感じなので、まあ、合わない方もいるでしょうがお許しください。
1週間と5日が経過した。彼が…悠が学校に来なくなってから。
昨晩流れてきたネットニュース。あまりの苦しさに捨ててしまった写真。最後の会話はいつだった?
他愛ない話を、放課後の図書館で話して…クッキーをあげたりして…あれ?机が濡れて…あ、泣いてるんだ、私。
これ以上、想い出したら胸が裂けてしまいそうだ。でも、それでも脳は記憶を排出し続けた。
幼いころ、公園で一緒に転んだこと。入学式に遅刻したこと。休み時間、ドッチボールで遊んだこと。中学の入学式では遅刻、しなかったな。3年間、同じクラスになって。
――叶わぬこの想いを、何処に捨てようか?
悠がいないのであれば、この愛は、もう――
―なんで?なんでこうなっちゃうの?
―なんで?なんで置いてっちゃうの?
やり場のない後悔と、愛情と、――怒り。
始めて悠に向けた、憎しみ。
…苦しい。
”悠”を思い出すたびに、私の心が死んでいく。でも。それでもいい。
悠、私は君を忘れないよ。
チャイムが鳴る。学校のチャイムって、こんなに耳を劈くものだったっけ?
号令がかかる。あっ、立たなきゃ。
板書に文字列が並ぶ。読めない。
涙が溢れる。零れ落ちるこの愛は、もう、悠には届かない。愛、故の哀。
耳を鐘の音が突き刺す。あれ、もう授業終わったの?
名前を呼ばれる。返事をすることはできなかった。
―今、何限目だった?
わからない。けど、これ以上この場所に居れない。
鞄を手に取り、ペンケースすらも置いたまま私は走った。
階段を駆け下り、廊下で注意され、それでも走った。昇降口には、これから体育があるのであろう同級生がいた。――気にするもんか。
靴を履き、校門まで走る。上下する肩、荒い息。縺れる足。それでも走った。
どれくらい走っただろう。私は河川敷にいた。近くには胡散臭い壺を売ってる店がある。正面の、上のほうには「立ち入り禁止」の札があった。
黒く焦げた民家、サイレンを鳴らすパトカー。ここで…ここで悠は…。
とめどなく零れる涙を、やはり抑えることはできなかった。
――明日から、私はどうすればいいの?ねぇ、悠。教えてよ。
いつも、私に見せてくれた笑顔はもういなかった。
私に言ってくれた「ありがとう」は虚空に消えた。
私が悠と一緒に創った思い出は、溢れ続けた。
川の潺に、少し安心する。私の熱は、もう喪ってしまった。
――でも、私は立ち上がるよ、悠。悠の分も頑張るよ。
学校の方面に視線を向ける。きっと、戻ったら怒られるんだろうなぁ。
それでも、私の足は学校に向かっていた。




